好きな俳優ロバート・デ・ニーロが出演する映画が 昨夜遅く テレビで放映された
イタリア生まれのセルジオ・レオーネ監督の遺作となった1984年の作品である
1920年代から60年代にかけて ニューヨークのユダヤ移民の子どもたちが自衛のために
ギャング団を組織し やがて崩壊していくさまを 少年期 青年期 老年期と 描いていく
数年がかりで作った映画というだけあって 時代背景のセット 雰囲気に厚みがあって素晴らしい
主人公たちの友情 恋 裏切り 結末までの40年間の物語は 三時間半余を感じないで観られた
ロバート・デ・ニーロのくすぐったそうな笑顔 人のよさそうな笑顔は 素敵だなぁ
映画の中の物語だとしても 人の生きた40年間を そのように生きた人がいたかもしれない と
熱心に観てしまい 感情移入して つらくなる
日常の暮らしを豊かにしたくて たとえば映画や芝居を観たり 本の中の物語に触れるのだけれど
状況の喜怒哀楽に ついつい感情移入し 寄り添い 思いの比重に 感嘆したり嘆息してしまう
わたしではない人の切実な物語 わたしを客観的に見つめる好機でもある物語世界なのだけれど
でも なんだか 現実世界よりも 非日常のそっちの世界がいいなぁ と思ったりしてしまう
いまは 秋の始まりの季節
空の青色がやわらかくなり 白い雲は大きな筆で掃いたように 薄く ふんわり浮かんでいる
すんすん明るく歩を進める人たちと並んで歩いていた 並んでいるつもりだったのかもしれない
わたしは だんだん歩調が遅れ 一緒に歩いていたつもりの人たちとの距離が 開いていく
みんなの話し声 笑い声が ゆっくり 遠のいていく
一緒に行きたい気持ちはあるのだけど 追いつけなくて ため息ばかり
道端の街路樹を見上げたり ベンチに腰掛けて空を流れる雲を見つめたり 風を探したりしている
一緒に歩いて行きたいわたしなのに 何が足りなかったのだろう
はじめから何も持っていない 一文無しだったのかもしれない
しかたがないなぁ また やり直しだ そう また・・ である
間違いだらけの答案用紙を 消しゴムでごしごし消してみる 消えていく答えと消えない答え
もういっぺん書き直し 今度こそ 今度こそ 確かに書いていきたい
わたしのように自分の落ち度で滑落していく者もいるけれど 他からのどうしようもない事情で
積み上げてきたものを崩さざるを得ない人も いるだろうなぁ
まわりを見渡せば 樹木にもたれて立っている人 向こうのベンチに座って目を瞑っている人もいる
同じ匂い 同じ心の事情の人たちではないだろうけど 立ち止まったことで出会えた人たちだ
そっと様子を窺い 気にかけながら侵蝕せず しばしの間 語らずとも寄り添いたい
そばに居させてもらうことは 取りも直さず わたしが 寄り添ってもらっていることなのだと 思う
イタリア生まれのセルジオ・レオーネ監督の遺作となった1984年の作品である
1920年代から60年代にかけて ニューヨークのユダヤ移民の子どもたちが自衛のために
ギャング団を組織し やがて崩壊していくさまを 少年期 青年期 老年期と 描いていく
数年がかりで作った映画というだけあって 時代背景のセット 雰囲気に厚みがあって素晴らしい
主人公たちの友情 恋 裏切り 結末までの40年間の物語は 三時間半余を感じないで観られた
ロバート・デ・ニーロのくすぐったそうな笑顔 人のよさそうな笑顔は 素敵だなぁ
映画の中の物語だとしても 人の生きた40年間を そのように生きた人がいたかもしれない と
熱心に観てしまい 感情移入して つらくなる
日常の暮らしを豊かにしたくて たとえば映画や芝居を観たり 本の中の物語に触れるのだけれど
状況の喜怒哀楽に ついつい感情移入し 寄り添い 思いの比重に 感嘆したり嘆息してしまう
わたしではない人の切実な物語 わたしを客観的に見つめる好機でもある物語世界なのだけれど
でも なんだか 現実世界よりも 非日常のそっちの世界がいいなぁ と思ったりしてしまう
いまは 秋の始まりの季節
空の青色がやわらかくなり 白い雲は大きな筆で掃いたように 薄く ふんわり浮かんでいる
すんすん明るく歩を進める人たちと並んで歩いていた 並んでいるつもりだったのかもしれない
わたしは だんだん歩調が遅れ 一緒に歩いていたつもりの人たちとの距離が 開いていく
みんなの話し声 笑い声が ゆっくり 遠のいていく
一緒に行きたい気持ちはあるのだけど 追いつけなくて ため息ばかり
道端の街路樹を見上げたり ベンチに腰掛けて空を流れる雲を見つめたり 風を探したりしている
一緒に歩いて行きたいわたしなのに 何が足りなかったのだろう
はじめから何も持っていない 一文無しだったのかもしれない
しかたがないなぁ また やり直しだ そう また・・ である
間違いだらけの答案用紙を 消しゴムでごしごし消してみる 消えていく答えと消えない答え
もういっぺん書き直し 今度こそ 今度こそ 確かに書いていきたい
わたしのように自分の落ち度で滑落していく者もいるけれど 他からのどうしようもない事情で
積み上げてきたものを崩さざるを得ない人も いるだろうなぁ
まわりを見渡せば 樹木にもたれて立っている人 向こうのベンチに座って目を瞑っている人もいる
同じ匂い 同じ心の事情の人たちではないだろうけど 立ち止まったことで出会えた人たちだ
そっと様子を窺い 気にかけながら侵蝕せず しばしの間 語らずとも寄り添いたい
そばに居させてもらうことは 取りも直さず わたしが 寄り添ってもらっていることなのだと 思う