後ろ歩きの不思議おじさん

あっちこっちにポケットを一杯もった不思議なおじさんの特技は後ろ向き歩き。その右往左往振りは滑稽で、ちょっぴりもの悲しい。

春の気配 息吹 足音はしているが

2015年03月09日 | Weblog

もう老木のように風格が出てきた我が家のサクランボの花が咲いた
この花が咲くと春の生温い雨が降る


大阪湾はその昔「茅渟(ちぬ)の海」と呼ばれていたとのこと
淡路島と大阪府の陸地に囲まれた海を指す
川が多く流れ込み栄養分が豊かなので魚が多く獲れた
その代表格が「黒鯛」 大阪ではこの魚をチヌと呼ぶ

この時期、明石海峡を越えて瀬戸内海に入ると
魚屋さん、スーパーの鮮魚コーナーはお祭り騒ぎになっている
「イカナゴ釘煮」のためのイカナゴが大量に販売されている
「釘煮」はイカナゴを醤油、みりん、砂糖、しょうがで煮込む
家庭ごとに味付けが微妙に違うらしい
掻き混ぜず、煮込み汁を掛けながら煮付ける
その結果、イカナゴは錆びた釘のように佃煮になる
ご近所、親類に配り歩くのが風習となっている
因みに「釘煮」は伍魚福さんの商標登録なので
他メーカーが迂闊に使用すると問題が起きる可能性がある

このお祭り騒ぎは近年、大阪南部にも伝染している
近所のスーパーを覗くと目立つところにイカナゴを置いている
季節感を出す商材として打って付けなのだろう

ご存じのとおり不思議おじさんは郷土愛・地元愛が強い
生まれ故郷の滋賀県西北部への郷愁はもちろんのこと
長年住んでいる大阪南部(泉州)は地元そのもの
学生下宿時も合算すれば40年以上も住んでいる

同じ近畿地方でも「イカナゴの釘煮」は神戸のもので
泉州のものではないとの意識がある

今日は、地元泉州の道の駅で魚類を求めた
左のパックが「ミミイカ」 細くて短い脚の吸盤が可愛い
丸のまま煮付けた スミが出て真っ黒になったが味にコクが出て旨い

右のパックが大阪では有名な「ガッチョ」
まだ小さいが、頭を取って空揚げにした

いずれも岸和田漁港で水揚げされたもの

話は横にそれるが 「唐揚げ」表示が罷り通ることが気に食わぬ
「日本唐揚協会」なる団体は公式に「唐揚げ」との表示を支持している
歴史上では「唐揚げ」が古いとされるいるようだが
あの「読売新聞」でさえ「空揚げ」表示だ

古書に出る「唐揚」は揚げて煮た別物の食い物
現在の「から揚げ」とは似て非なるもの
「唐揚げ」との表示が罷り通る背景には、
舶来のものは全て中国(唐)からとの錯覚が齎している

不思議おじさんが30歳を過ぎて食べ物にかかわる仕事をしたとき
河野友美さんの「台所の科学」を熟読した
食べ物の油・脂が水分に置き換えられる
だから「空揚げ」なのだとその本で教えられた
※改めて調べると河野先生は
 不思議おじさん出身の大学で教鞭をとられていたようだ
 どこかでお会いしていたかもしれない
 不思議なご縁に思いを致した


クリスマスローズを地植えしていたら満開になった
クリスマスでもないのに咲くのはいかがか
実はこの花 「ヘレボルス・オリエンタリス」の一種
ハルザキクリスマスローズである
日本ではこれらもすべてクリスマスローズとされている
花と見えるのは萼片(がくへん) 茎や根に毒性を持つ

時の巡りは止められない
いつ踏みつぶされるかわからない小蟻には
時の移ろいも無常・無情の念を思い起こさせるのみ







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