後ろ歩きの不思議おじさん

あっちこっちにポケットを一杯もった不思議なおじさんの特技は後ろ向き歩き。その右往左往振りは滑稽で、ちょっぴりもの悲しい。

この一年

2009年12月29日 | Weblog
ものの5分
紀州下津の有機省農薬栽培蜜柑の威力である
蜜柑の濃厚な香りと鮮烈な色彩に引き寄せられて
目白が2羽 

キキッと甲高く鳴きながら
大振りのヒヨが横取りに

葉の落ちた樹はナツメ
冬の楽しみは鳥寄せ

この35年間の年末は
ぎりぎりまで気を張り詰めた仕事
今年はまったくの様変わりで
時間の過ごし方に戸惑う

1月に徳島を離れた
3月に新しい職場に就いた
前職、前々職で身に纏っていた気の持ち方が
10ヶ月経って やっと
今の職場に合わせられるようになった

過去の自分だけでは通用しない
現実を直視すれば するだけ多く
自分の課題が見えてくる
この一年の後半は
自分で自分の首を絞めた忙しさの中に身を置き
ついにブログの更新もままならなくなった

瀬戸内寂聴訳の源氏物語を読み通した
藤沢周平を2度読み、3度読み、4度読みした
息子と二人で、職場を変わるわずかな休みにエジプトを散策
暮らしの一区切りを家のリフォームで形に
日本民謡の会に復帰も大会入賞ならず
野鯉釣の極意を会得

小市民そのものである

不思議おじさんのことを「小市民」と蔑んだ男がいた
反論する気も 居直る気も特には無い
人間にレッテルを貼って平然と葬る
そんな男が もっとも上質と言われているある組織の
権力者でいることの構造的不可思議に首を傾げ
情けなくて悲しいなぁ とは思っている

日常的暮らしは表層にすぎない
人の心の奥底の湖は
瞑くて深い

大学時代の同級生が交通事故で亡くなった
高校時代の多くの友と一夜を飲み明かした

晩節というにはまだいささか早く
円熟には程遠く
かといって昔ほど若くもなく

三屋清左衛門ではないが
いましばしの残日を
できるだけ楽しみながら
懸命に生きるしかないか