後ろ歩きの不思議おじさん

あっちこっちにポケットを一杯もった不思議なおじさんの特技は後ろ向き歩き。その右往左往振りは滑稽で、ちょっぴりもの悲しい。

アホらしくなるときには

2011年04月28日 | Weblog
江戸弁なら「馬鹿らしくてやってられねぇや」
大阪弁なら「アホらしゅうて、やってられまへんがな」

この程度の言葉で済むならまだ晩酌の酒も味がある
「ええ加減にさらさんかい!」と啖呵の一つも切りたくなる

事実、穏やかで紳士的な口調で
そのものずばりの啖呵を切ったのだが
まぁ通じまへん、このお人らには!

この人たちの特徴(上げれば霧がないが…)
①自分を被害者に仕立て上げることにおいて天才的である。
②「自分が正しい」と根底から信じて疑たことがないため
 「学ぶ」余地を持つことができず、成長が止まっている。
③上記と同意であるが、「自分が間違っていることを認める」ことが
 怖くてできない。
④すぐに「つるむ」。へんな仲間を作って傷を舐め合う。
⑤言語を操ることを商売にしていることもあり
 他人を非難、批判することが大好きであり、
 他人をけなすことで初めて自己実現できる人種である。
⑥現実を直視する力量が無い。
 閉ざされた世界の常識を空気として吸っていて
 多少の怯えはあるものの
 その世界が何時までも続くと心底から信じている。

書いているだけで胸糞悪くなる
「やってられまへんなぁ」が実感である

こんな風にアホらしくなるときには…


とはいえ、そんなお人ばかりが居るわけでもない
被災地の衛星画像の印刷ボランティアに
おおぜの学生が集まってくれている

被災前と被災後の衛星画像を
地域復興計画に資するために送る取り組みである
大阪の大学に居ながら、授業の合間に参加できる
中心的な学生は、夜の8時過ぎまで頑張っている
写真の印刷機はヒューレットパッカード社が
このために据え付けたもの 定価4~5百万円とか
インクや紙まで負担してくれている
印刷予定枚数は1000枚だが、さらに需要があるらしい

より直接的な取り組みを、と不思議おじさんが話したら
Y先生はその日のうちにこのボランティア活動を見つけ出され
まずは義援金を振り向けて取り組むことになった
さらにHP社の機材提供があり、印刷作業の担い手が必要となった

学生への参加呼びかけを不思議おじさんの職場が担ったが
呼びかけに応じてくれる人が居ることは
幸せというものである

ナニワノイバラが純白の花を開き始めた
明日はその写真のアップする予定

 

怒涛の新学期

2011年04月15日 | Weblog
「怒涛」との言葉を使うのが少し気が引ける
比喩が現実になってしまった違和感

勤め先でも義援金を募集し
赤十字社や朝日新聞社に届けることが決まっている
いつ、どこで、どんなふうにお金が使われたのか
どんな風にお役に立ったのか不明のブラックボックス
それに赤十字社の内部不正やミス、失敗などの報告を聞いたことが無い
ミスをしない人間はいない
間違いをしない組織など、人間の作る組織ではない

自分が正しい側に居るとの信じて疑わない人たちが
東京電力や政府に対して「情報開示が不充分だ」などと
舌鋒鋭く言い放っているが
巨額の義援金を集めている赤十字社の情報開示力は
東京電力に較べればずっと低いと考えられる

不思議おじさんの関わり方は
より直接的に、必要な支援を行う方法
そんな話をしていたら、先日、博士号を取られたばかりの
若手教員が反応してくださった
被災地自治体の復興計画支援の取り組みだが
被災前と日最後の衛星写真を大判紙に印刷して届ける取り組み

大学も義援金の一部を使用することを認めた
その後、ヒューレットパッカード社が
プリンター、紙、インクなどを提供してくれることになり
不思議おじさんは、印刷作業をする学生募集のお手伝い
大学に居ながらのボランティア参加である



我家の海棠桜が始めて咲いた
写真にしてみるとなかなかに華やかである
明日は徳島の山中まで分け入り
恒例の山の幸採取大作戦である


春冷え

2011年04月03日 | Weblog
もう4月も3日だというのに
我が家のしだれ桜は2分咲き
100m先の鶴の山古墳も同様
風は真冬のように冷たい


弘川寺のしだれ桜を見に行った
来週に「海棠桜を愛でる会」があるらしいが
仕事で休めないのでお誘いがあっても行けない
一足先に本日に訪れたらしだれ桜が思わずも満開だった

立て札に曰く、南朝の忠臣 弘川城城主 隅屋(すや)與市が
この桜のもとで自刃したとのこと。名付けて「隅屋桜」。
親桜は枯れたらしいがこの桜が後を継いでいる。
ご存知の通り、弘川寺は西行の墓がある寺である。

海棠桜の蕾はまだ固かった


4月2日の入学式に大阪狭山市長が挨拶に
日本一古い人工の池、行基が造った狭山池の工法は
中国、朝鮮の技法が伝わったものである
桜の向こう、長方形の建物は
安藤忠雄氏が設計した狭山池博物館 一見の価値あり
この桜はコシノヒカンザクラで
ソメイヨシノより一週間早く咲く

東北にも桜前線は押し上がっていく
せめても 心和むひと時が訪れることを願う



無常

2011年04月02日 | Weblog
「無常」との言葉は、悲哀、諦観を纏っているように受け止めてきた
瀬戸内寂聴さんの「無常観」は、逆だ
こんな苦しみ、こんな悲しみ、こんなに酷い情況も
何時までも続くことなんか無い、と未来志向である


大学グランドの菜の花である 
昨年11月初めに学生や市民と一緒に植えた
「せんぼく菜の花プロジェクト」の活動の一環

大学では新入生を迎え入れた
今の大学は、皆さんの知っていた「大学」と相当に異なる
なにせ同世代の56%が進学するユニバーサル時代だ
選ばなければ誰でも大学に入れる全入時代
大学が選ばれる時代になって10年以上が過ぎた


新たな職場で教育に仕事をシフトした時
ネットでこの作者のブログに行き当たり
随分と教えてもらった
3月10日発売の新作

ところでマスコミが死者の映像を取り上げないことについて
N教授に聞いてみた 話は1時間では終わらなかった
N教授は全日空松山沖墜落事件の取材から記者生活を始められた
漁船を駆って現場に到着し、船に積み上げられた死体を見たそうだ
僅か300メートル上空からなのにほとんどすべては衣服は剥ぎ取られて裸
手も足もバラバラ、顔のない遺体がほとんど
浮き上がらなかった遺体は網で引く
すでに太刀魚などに食べられてボロボロになったり
唯一のお子さんはサレコウベになっていたり… 
写真を持って確認に来ていた祖母は「孫ではない」と
確認を断ったそうだ

乗客50人ほどの半分は新婚さんだった
そのうちの一組の女性の父親は々朝日新聞の編集委員が父親
見つかったのはもう長付近の肉塊ひとつ
警察は綿などで遺体を形作り、肉塊だけを見せて
「これが娘さんです。どうぞ触ってやってください」という
親は「どんなに無残でも顔を見せてほしいという」
断られ続けて親は事態をそれとなく知ることになる

鉄道での自殺死体、山での飛行機事故
朝日と毎日のヘリコプター衝突事故での死体確認
中東での戦争での死体…  話は止まらない

朝日新聞には800万世帯の読者が居る
その読者に「死体の映像を届けるかどうか」
日本では、見せるべきではないとの見解で一致しているようだ

因みにチェルノブィリ事故の当時の
朝日新聞モスクワ支局長はN教授
当時は先生の記事でこの事故の詳報を掴んでいたわけだ
N教授の故郷はまさに福島発電所の近辺だそうで
あの美しい海岸で泳いでいたとのことだ

「3月11日は誕生日である」
日本が、日本という社会が生まれ変わる日である
価値観が変わっていく瞬間である
それがN教授の現在の認識である