後ろ歩きの不思議おじさん

あっちこっちにポケットを一杯もった不思議なおじさんの特技は後ろ向き歩き。その右往左往振りは滑稽で、ちょっぴりもの悲しい。

想像して素直に感じる力から

2013年10月07日 | Weblog


オスプレイだ

今から60年前、まだ未舗装だった国道161号線を駐留米軍隊の車が行く
幅3メートルもない川を挟んだ小学校の校庭には古い柳並木
その祠に転がり込んだ飴かチョコを拾った記憶
アメリカ兵が投げたものだ
小学校の旧名は饗庭(あいば)小学校
不思議おじさんが生まれたころの村の名は饗庭村

饗庭村の端っこの集落の中心に幅2メートルの川があった
小さな堰の下には子供が水浴びできるような水溜り場ができる
そこは小魚を釣るのに絶好の場所だ
その川からちょっと見上げると江若鉄道の土手だ
日本で唯一だったガソリンカーが走っていた


短い車両が3輌しか停車できない新儀(しんぎ)駅から
遠くはみ出た茶色の車両が南鐐も連なって止まっている
今から思えば、アメリカの進駐軍が引き上げる列車だったのだろう
車窓から人が乗り出してなにやらわぁわぁと聞こえる
どうやら魚が引いていると言っているように思えた

幼いころの思い出が脳の片隅に残渣のように残っている

早く歳を取って40歳になりたいと必死で願っていた
これは中学生のころのことだ
戦争に連れて行かれる恐怖が体を包んでいた
そんなに切迫感のあるものではなかったが
そのような思いが心の裡からにじみ出てくる機会は
今から思い起こせば、毎日の生活のあちこちにあった

父親は海軍で内地に留まっていた
父親から戦争の話を聞いた記憶はほとんどない
戦争について寡黙だったことが逆に何かを伝えてくる
しかし近所や学校で戦争体験を聞く機会に事欠かなかった
都会(大津や京都)に行けば、傷痍軍人も見かけた
戦争ものの読み物、小説も乱読の中に豊富にあった


饗庭野(あいばの)演習場である
陸上自衛隊と航空自衛隊が駐屯している
左上の白い曇辺りが不思議おじさんの出身高校のある場所
この右手が不思議おじさんの出生地である
この原野・演習地に続く山に不思議おじさんの家の柴刈り山があった
クマ仙人さんのように、子供のころはマチュタケを取りに行っていたが
http://samidare.jp/jo7uuc2/note?p=log&lid=334344
今はナイキ基地の一部になって入れない

この演習場には落下傘部隊の降下を見に行った
夜になればオレンジ色の照明弾が上がることもあった
真っ暗だった村がオレンジ色に染まり新聞が読めた
大砲訓練はしょっちゅうだった
高校は演習場に近かったので
発射の度にガラス窓が鳴った 
教師が「また一万円が飛んで行った」と呟いていた

明日にもオスプレイが演習するらしい
参加するのは沖縄に駐留するアメリカ軍と
日本からは陸上自衛隊第37普通科連隊の150人が参加する
この37連隊は、なんと不思議おじさんが住んでいる街にあり
まさにその演習地の周りを不思議おじさんは徘徊しているのだ


説明会が開かれた公民館は不思議おじさんの故郷の家のすぐ近く

不思議おじさんの故郷から大飯原発も遠くはない 
事故があれば必ず直接的な影響を受ける
従って、琵琶湖に水源を求めている京都市
大阪府のほとんどの都市、阪神間の諸都市の飲み水は汚染を免れない

想像してみる力
目を背けても押し寄せてきて感じてしまうものを受け止める力

恐怖を感じることこそが出発点ではないかと思える







久しぶりの徘徊

2013年10月02日 | Weblog
漂泊 、散策 、流浪 、遊歩、彷徨、逍遥 、低徊 、漂流 、浮游 、漂浪…
類語はまだまだある
言葉は思考と行動を後付して作られているのなら
ほっつき歩く行動には、様々な思いが込められているのだろう


稲穂が稔り、泉州(南大阪)に祭り太鼓があちこちの集落から聞こえる
水を抜いたため池にはチュウサギ、アオサギ、ゴイサギが
群れを成して魚をついばんでいる
日本最古の人造池の狭山池には先日コウノトリが飛来したとのこと
ちょっと期待して見回ったが見当たらなかった


彼岸花は季節通りに咲いて消えていく


この辺りの稲架(はさ)のかけ方は写真の通りだ
不思議おじさんの田舎では5段くらいに重ねて掛ける
高さは大人の背の高さを超えるので台風には弱い


こんなお祭りも終わった
不思議おじさんの自宅は3市が隣り合っている
職場には、現市長を応援してくれと来た人もいる
結果は、堺ナショナリズムが勝ったようだ
明治初期には「堺縣」が存在し、一時は今の奈良県まで含んでいた
「市民自治の誇り」かどうかは怪しいが、
大阪都構想なるものは政治家の考え出したことで
等身大の人間の考え、感性とはちょっと遠いということだろう


南区だけは大阪都構想が歓迎されたらしい
南区は泉北ニュータウンのほぼ中心に近い桃山台の団地のある池
鮒釣り人が日向で時間をやり過ごしていた