後ろ歩きの不思議おじさん

あっちこっちにポケットを一杯もった不思議なおじさんの特技は後ろ向き歩き。その右往左往振りは滑稽で、ちょっぴりもの悲しい。

老人力

2010年06月13日 | Weblog
藤沢周平さんは
ハードボイルド調の推理小説も書いている
もちろん時代は江戸に置いている
下町人情ものなら右に出る作家もいないこの人が
人情を忘れ去ったはずのハードボイルドを書くから面白い
題名は「ささやく河」

ストーリーも面白いが
問題は“殺意”
がん(当時は腫物)で余命を知った男が
人生は失敗だったと振り返る
彼は世間ではそれなりに認められてきた
地位も経済力もある

人の心の奥底に潜む殺意は
暗夜の河淵に届くさざ波が
彼の心にささやきかけた結果呼び起された

もちろん少なくとも一度は読んだはず
たぶんこれで3度目だと思うがそれもあやふや
それさえ覚えていないのだから
この小説の全体を覚えているはずがない

つまり何度読んでも面白いし引きこまれる
この忘却力こそが老人力である
ただし3度目ともなると
細部の風景や人物、心の動きの描写を
丹念に読んで楽しむゆとりも生まれる

雨の中をまた庭仕事
昨秋に、道端の人に頂いた「ハナオクラ」
種から見事に苗がたくさんできたので
大きなプランターを2つも買って植え替えた

明日は東京出張だが
用意した書類が見当たらない
日曜夕方なのに職場に行って
守衛さんに事務所を開けてもらったが、無い!
別になくても問題のない地図類等だが
落してしまったか?どうかが気になる!
家でもう一度探すと出てきた
落すとまずい、としまっておいたことを思い出した!

いやはや
わが老人力の高さ・強さに呆れるしかない

手紙

2010年06月12日 | Weblog
南アフリカでサッカーが始まった
監督の名前がチーム名になる不思議なスポーツ
試合当日の監督の役割はあまり多くないように見える
事前のシフト戦略、選手選出、練習方法などに
監督の腕の見せどころがあるのだろうか

「岡田ジャパン」の岡田監督は
不思議おじさんが勤める学校法人の小学校卒業
在校生は岡田監督に手紙を書いて届けたそうだ
そういえば、NHK「クローズアップ現代」の
国谷弘子さん(現在はフリージャーナリスト)も卒業生

不思議おじさんにも手紙が連日届いている
開封せずにほおっておいたが、
さすがに何処からきている手紙か気になった

手紙は自分の身体の中から届いている
寝ようと思うと背中右が痛む
最初は筋肉痛かと思って薬を塗ってもらったが
一向に改善しない
一週間ほどして、これは内臓のせいかと思い当った
小妻の見解は(さすがプロ!)ネット調査と同じだった
しかし内臓のどこなのかを絞り込めない
差出人が分からない手紙である

昨夜は何年かぶりに酒を抜いた
一日くらい断っても改善するはずがない

郵便屋さんに差出人を聞いても
切手代を払っていないから
教えてくれないないだろうなぁ

何種もの百合が花盛りである


副大臣

2010年06月09日 | Weblog
菅直人氏を総理とする内閣が発足した
夕刊をみると、農水副大臣に
篠原孝さんが就任していた
もともとシャドウキャビネットの農水大臣だった

篠原さんとの出会いは古い
もう20年近く前になる
有機農業のメッカの一つとされる山形県高畠町
農民詩人として名高い星寛治さんが
点から面に運動を広げる決意のもとに
自らの住まいの近くの農民に粘り強く働きかけられた
そして立ち上がった農民集団が
上和田有機米生産組合

縁あって、消費者団体として最初に賛同の意を示した
その話をするとまた長いので省略するが
映画「おもひでぽろぽろ」の主人公たちとの出会いだ
当時の糠目駅(現在の高畠駅)に降り立った光景は
昨日のことのように思い出される

その翌年のことだった
生産組合の総会に篠原さんが招かれていた
当時はまだ農水省の官僚であったが
「農的小日本主義」の著書で知られていた
早速、意気投合
その翌年には大阪の講演会を快く引き受けてくれ
さんざん飲み明かしたものだ

農水省の管轄範囲は広い
農業と言っても、米はもちろん
畑作物、小麦、大豆、果樹など多種多様だ
漁業問題も多岐の課題を抱えている
畜産業は不思議おじさんの前職だが
その業界の底辺にある問題は深くて難しい
不思議おじさんが暗い林業にしても
その不振は戦後ずっと続いている

京大農学部出身の農学博士だが
論じることと治めることは明らかに異なる
それは大学という場に職場を置く不思議おじさんは
毎日のように痛感している

さあ、篠原さんよ
権力の奮い場ですよ
批評して正論を吐くぐらい誰でもできる
100年の大計を作る時ですよ

そんな場が与えられたことを
存分に生かしてもらいたいと願っている
あなたは少なくとも現場を知っているはずだから


時間が止まったまま

2010年06月07日 | Weblog
愛する国家(こんな言葉は日本人にはもう呟けない!)から
スパイ容疑で逮捕されて27年間
拷問、強制労働、パスポート発給停止…
栄光ある学者として夢見ていた将来を無残に打ち砕かれ
内に籠った怒りと悲しみを「恨」の字に表した彼を見たのは
今から14年前のことだった

彼の名誉は国家が回復させることを認めた
止まった時間のすべてを取り戻すことができない
しかし彼は言った
彼の行動で韓国内の多くの命を救うことができたと
韓国の友人たちが言ってくれること
この14年間、南大阪の多くの市民の厚情に支えられ
なんとか真相究明の知らせを聞くことができたこと
それは慰めであり感謝以外の何物でもない、と

土曜日の「●●さんの名誉回復を祝う会」の
呼びかけ人代表として、挨拶の言葉を発したが
参加者の心ある言葉、●●さんご夫婦の真実の言葉に
不思議おじさんもたじたじの態であった
ご本人の言葉はこちらから
http://8116.teacup.com/kbj/bbs

菅さんが首相になった
以前にも書いたが
10年ほど前に鳩山さんと菅さんが大阪に来て
何の因果か30人ほどの集会に参加した
鳩山さんのマシュマロのような手にも驚いたが
不思議おじさんの質問・意見に対して
いかにも市民運動家の手口そのままに
相手を圧倒する手口を使った菅さんに
良い印象を持つはずもない不思議おじさんだった

職場は相変わらずである

教授会は、自らの使命に関して十分な自覚を欠いている
「正しさ」を論議するなら学会でやってほしい
教授会の“権利”を主張するなら
「いま、どんな方向に向かうのか」
大学運営と経営について責任ある議論をすべきである
(権限を持たない)学生と職員はやってられない

そもそも「正しさ」など、議論の対象にならない
「正しさ」が時代とともに変わることは歴史が証明している
手続き論の正当性など、ちゃんちゃらおかしい
人間はミスをする動物である
ミスがあることの追求は、天に唾するだけ
要は、教授会は、学生に対して何をすべきかだけが
議論の対象であるべきだ

不思議おじさんは常々公言している
「教授会での発言を、学生や
 学生の保護者に言えますか?」
タメにするだけの時間を浪費している
似たようなことは、どのような組織でもあることだが…

12時間以上は職場にいないこと
そんなキマリを自分で決めて
毎日セッセとオシゴトしている毎日である