後ろ歩きの不思議おじさん

あっちこっちにポケットを一杯もった不思議なおじさんの特技は後ろ向き歩き。その右往左往振りは滑稽で、ちょっぴりもの悲しい。

自前の肴でお酒を頂く

2016年12月30日 | Weblog

手前にあるのは本日初めて掘った辛味大根
おすそ分けした先で「ねずみ大根」との名を教えていただいた
長野県ではそのような名があるらしい
なるほどよく見ると根はねずみの尻尾のようにも見える
蕎麦を食べるときの薬味として重宝されるらしい
初めて掘ったので早速大根おろしにした
確かに一般的な大根より辛味があるが甘みもある
茎と葉は厚揚げと一緒にゴマ油で炒めた
酒(不思議おじさん宅では料理酒も純米酒にしている。
紙パックに入った2㍑のものだが、
最近は燗酒もこの酒で頂いている)
醤油、塩、ガラスープ(顆粒・化学調味料なし)で味付け


昨日掘った里芋を蒸してきぬかづきで頂いた
「きぬかづき」は平安時代の女性の衣服に由来する
里芋を皮ごと蒸して、3分の1ほど皮をむいた姿のこと
味噌をつけて日本酒で流し込む


里芋はこの時期になると茎も葉も枯れる
これが収穫のサインだ


掘り起こした里芋は親芋の周りに小芋が付いている
ひげ根がいっぱいついている


ひげ根を取って茎をきれいに切る
今年は畑地が不足して、芽が出てから植え替えた
そのためやはり少し小ぶりである
ちょうど食べごろのものは来年植え付け用の種芋として残した
写真を撮り逃したが、もみ殻を入れて地中に埋めた
2種のサトイモは3年前に滋賀の兄からもらったもの
その粘りと地味深い味は格別である
神戸の娘から「是非送れ」との強い依頼がある
その美味しさが忘れられないからだ


またも頂き物だ
琵琶湖固有種である「イサザ」の煮ものとエビ豆
故郷の懐かしい味である
お酒が進む


こんなものまでいただいた
福井弥平商店の「萩の露」の中汲み
NHK「鶴瓶の家族に乾杯」で取材されていた
比良山の清冽な伏流水で造っている
以前の職場ではその酒を取り扱っていた


今日は朝から野菜の収穫
大根、人参、辛味大根、中葉菊菜、法蓮草(次郎丸)
採って、洗って、袋に詰めて
6軒の知人、友人宅にお届けした
受け取り食べていただく人が居る
それが畑仕事の励みになる
有難いことである

自分に価値を置くから
落胆や後悔、挫折などの感情に苛まされることになる
自らを控えめに
周りに感謝の念をもって人と接する
難しいがそのようにしたいと思っている




畑は仕事の宝庫

2016年12月26日 | Weblog

畑というところは不思議な場所である
つくづくそう思う
行けば、仕事が無いということが無い
「あれもせなあかん」「あれやっといたほうがええかなぁ」
際限がない
「仕事」が湧いて出てくる
ただし強制されることは無い
深夜まで残業して過労で自殺することもない

今日は里芋を収穫するつもりだった
もう葉は萎れ、茎も枯れている
正月前なので雨の前に掘っておくつもりだった
家を出たときは確かにそう思っていた

そして結局のところ夕方まで頑張ったのは
排水の溝を掘ることだった

新たに借りた畝は排水が悪い
排水をよくするには畑全体のことを考慮しなければならない
2反余りを5人で借りている
男手は瀬戸口さんと不思議おじさんの二人
ならば゜冬の裡にやらねばならないだろう


写真左上の排水パイプまで、およそ40メートル溝を掘った
出た土は低いところまで一輪車で運んで整地した

途中3回も帰宅し、汗まみれの下着を着替えた
腰を保護するベルトを着用していたが効かない
湿布薬を貼り、冷凍保冷剤を1時間腰に当てたが効かない

明日、腰の具合はどうなっているのだろう
歩けるか心配である

サトイモ掘りは後日に繰り延べた
そういえば畦の除草、
法蓮草や菊菜の収穫と配達
次に播種した法蓮草のビニールトンネルの手入れ
玉ねぎの追肥 エンドウ豆の手入れ…
気になることは山ほどある
畑は仕事に溢れている

今日は頂き物の多い日だった


大根は100本以上作付けしているが
8月8月に気管支肺炎で畑仕事を中断していたので
大根の播種が遅れた
いまだに「小根」「中根」しか収穫できない
ただし葉や茎は生き生きして美味しい
葉付きの「中根」を近隣友人知人にはお配りしている
先日は梅田での勉強会兼飲み会に
5本持参してもらっていただいた

そんな生育ぶりをを見ている瀬戸口さんが
本日の共同での溝堀の後
大きな大根2本と小さな白菜4個を下さった
大根を作っていて大根をもらう羽目になったが
恥とは思わず、有難くいただいた


今年から老人会の会計をやらせていただいている
何かと気と時間を使うことが多い難役である
そんなことを気遣ってか、本日は老人会会長が
自宅で生ったレモンを自転車で持ってきていただいた
近隣では柑橘類を植えているお家が多い
不思議おじさんも金柑を植えている
会長さん、有難う
そういえばこの会長さんは80歳
不思議おじさんが通学していた大学図書館の司書さん
長いと言えば長い付き合いである


夕方になって宅配便が届いた
山形県有機農業研究会の星寛治さんからリンゴが届いた
星寛治さんは「北の農民 南の農民」で知られはじめ
その後農民詩人、農民作家として高名である
星さんの詩や書き物は小学校の教科書にも載っている
フランスのミレー博物館には詩が飾られているとか

星さんとの出会いはもう30年も遡ることになるが
それは過去に書いたので省く

その星さんも80歳になられる
今年もお米とリンゴ作りに精を出されている

一年間のリンゴ作りのお便りを読ませていただきながら
瑞瑞しいリンゴを皮ごと頬張った

沢山の人に目をかけていただき有難いことである






「晩」秋

2016年12月11日 | Weblog

我が家の紅葉 ドウダンツツジ

不思議おじさんが学んだ大学で
思いが残る先生が何人かいらっしゃる
岸田晩節先生もそのお一人だ
「厳格」が服を着て歩いているような先生だった
文学の解釈においてその深さは学生にも感じられた

貧乏で、かつ失意のどん底にあった3年生の不思議おじさんは
年末年始を小学校の宿直バイトで淋しく過ごしていた
大阪の繁華街から2駅、野田小学校だ
1月2日、その岸田先生が何人かの級友とともに
おせち料理をもって宿直室に来て下さった
思いもかけない訪れは今も心に残っている

先生には思いをかけていただいたにもかかわらず
結果としてその分野では何お返しもできなかった
大学選抜でドイツ語の特別授業に出していただいたり
その後に学長になられたM先生にご指導いただいたが
運命というものはどうにもならないものである
2部(夜間)同級生のK君が大学院に進み
T大学(不思議おじさんが62歳で職を得た)の学長になっている
不思議おじさんが就職したとき、彼はすでに学長を辞し
非常勤講師として週に何度か来校していた
一度だけすれ違い、会釈した 
それで終わり


夏に何度も葉や茎を刈ったのに
秋になればツワブキの黄色の花が咲き乱れる
強いねぇ 負けないねぇ めげないねぇ


冬だというのに何んというケバケバしいショッキングピンク
不思議おじさんは若いころから山野草趣味
しかしそれらの草木も枯れ果てて今はほとんど残っていない
小妻の要望もあり、樹木もかなり切った
不思議おじさんがいなくなったら手入れがむつかしかろう

年を重ねるとジジむさくなる
ババくさい女性も多い
だからなのか大阪では
やたら激しい色の衣服を着るバァさんがいる
分からないわけではない
大いに派手なものを着ればよい
ジ ユ ー だ!!
不思議おじさんも派手な色の花を咲かせることにした
大阪のジジイである
それでこの花の鉢をご近所から頂いた
「エリザベスリリィ」
名前も派手だねぇ

来年は皇帝ダリアも咲かせて
派手なジジイとしてこの街で生きることにした