後ろ歩きの不思議おじさん

あっちこっちにポケットを一杯もった不思議なおじさんの特技は後ろ向き歩き。その右往左往振りは滑稽で、ちょっぴりもの悲しい。

秋色

2012年09月25日 | Weblog
「朝夕の肌寒さに自律神経が付いていかない」
という一文は日本人には何ということはないのだが
どうやらアメリカ人、オーストラリア人には
耳慣れしない言葉のようだ

そもそも「自律神経」に対応する言葉がない
身体の調子を「自律神経」の不調のせいだとする考え方も無い
事務室に出入りする英語やネイティブの教員に確認したので
不思議おじさんの発する情報にしては確実度が高い



黄金塚古墳
信太山丘陵先端にある前方後円墳
全長約94メートル、高さ約9メートル
古墳時代前期末(4世紀後半頃)の築造とのこと
発掘された画文帯四神四獣鏡には、景初三年(239年)の銘があり
卑弥呼が魏の皇帝から銅鏡百枚の一つとされる


古墳周囲の稲穂はもう頭を垂れている


このショッキングピンク色のもの
ジャンボタニシの卵である
大阪は泉州のある地域で
過去に食用に養殖したものが逃げ出した
昔、「探偵ナイトスクープ」でこの卵を料理していた
食べられたものではなかったようだ


やっと小宅の2本の萩も咲きだした
収穫の秋だが
産み出すものを持たない都市小市民には
侘しさもほどほどに身に沁みる


リーダーたれる人物

2012年09月19日 | Weblog
人物 の大きさ
どういう加減でこうなったかはともかく
恐らくは人並み以上に様々な分野と方々と
お知り合いになることができた
お相手にとっては不本意な出会いもあっただろうし
ほとんどは忘れられているかもしれない

ころころと変わる日本の政治のリーダー
過去にも書いたが、菅さんと鳩山さんとは
少しの時間だが討論の場に一緒にいた
菅さんは相手を威圧する術に長けていた
鳩山さんの手は、どんな女性よりも柔らかだった

現在の職場で信頼するN先生
朝日新聞大阪本社編集局長をお勤めになったが
それに先立つソ連支局長時代は書記長への取材はもちろん
サハロフ博士とは単独会見も行っておられる
中東支局長には生死の境も経験されている

で、そのN先生
日本のリーダーになれる人はどなたでしょうか?
1、2年ほど前にお聞きした
元伊藤忠、前中国大使の丹羽さん がお答え

中国大使になられる前だったと思う

さて今夜のニュース
日航再生の立役者 稲森和夫さん

他人のように思えないのには訳がある
稲森さんの評伝を最初に世に顕した書物
「ある少年の夢」(2004年刊)

この著者が加藤勝美さん
大学の先輩でありも今も声をかけていただいている
この本で稲森さんのことをよく知った

今夜の稲森さんのNHKでのニュースの画像
矍鑠たる御容姿、的確な言葉の数々
稲森さんのメッセージは人としての「強い思い」である
今やっていること
今願っていること
それを実現しようとする心の強さ、奥深さ
それが全ての仕事の末端にまで生かされるということ

さらにその前に
現実を数字として認識し共有すること
数字の背後に見えてくる現実を直視すること

不思議おじさんの人生で最も辛く
高い壁として立ちはだかったこと
それは「正直であること」
正直であろうとすればを
事故やトラブルはさまざまなステークホルダーに
多大な影響を与えずにはおかれない

製品製造ミス・医療ミス・学校でのいじめ
警察での不祥事、裁判官の不祥事…
正直であるということは全て情報を明らかにすることだ
そこには足し算も引き算も無い
これは全人格を掛けた決意が必要だ
地を這い、反吐を吐き
小さな名誉や矜持を殴り捨て
ただただ現実と丸裸で向き合い
己を地に伏せて事実をすべて受け止める
それから起きる、想像さえできない大騒動を
全体力、全精神力で受け止める
それが「正直である」ということ

最近多く報道されている中高のいじめ自殺の経緯でも
教員や教育委員会の「正直さ」が試されている
官庁や企業の隠ぺい体質にもつながる共通のテーマだ
企業でも日常的に試されている

ところが大学では、ほとんど問題にされることがない
なぜなら みなさん「いつも自分は正しい」からだ
地者批判の舌鋒は鋭いが、良く聞くと自己保護のため
発せられる批判が普遍的なものなら
これはちゃんとした学者になれるのだが…

事実を多様な観点から見て受け止める力
自他共に正直でいられるという神に近いような力
情報を関係者すべてに積極的に公開し共有していく力
進むべき方向性について明示し、自発的判断を迫れる力
(できない人にはその場から離脱させる力)

あっあ~
不思議おじさんはもう歳をとっちゃったから
どなたかお願いしますよね!
っていったら 稲森さんや加藤さんに叱られるだろうか

でもねぇ どう思います?


桜切る馬鹿 梅切らぬ馬鹿

2012年09月17日 | Weblog
ずいぶん以前、次兄が小宅を訪ねてきたとき
ジャングルのように生い茂った木々を見て
庭というものはもっと木を剪定して
低く仕立てないといけない、と叱られた
忙しさにかまけてほおっておいたのが最大の理由だが
剪定のイロハも知らないことが背景にあった

ひどいときは庭の隅っこの山茶花にスズメバチの巣ができていた
幸いにもその時は蜂は巣を離れた後だったので
両手で抱えるくらい大きな巣を小学校に標本用にさし上げた


また別の時にはあまりに長くなった枝を刈りこんでいたら
アシナガバチの巣があることを知らなかったために
あっという間もなく唇を直撃された
アンモニアの原液を塗りたくったが
たらこのような唇になったのは言うまでもない

昨年は大豊作だった「はらんきょう」(巴旦杏・スモモ)だが
今年は一粒の実もつけなかった 
その代わり ということでもなかろうに
この季節になって、なんと毛虫が大発生!
ベランダに干したシーツにまでやってくる
彼(彼女)達は糸を吐いて枝からぶら下がり
移動する術を心得ている

大奮闘して大きな枝ごと切り払って始末した



ふとサクランボの木を見やると
こっちの木にも毛虫が大量に!!
一時間の仕事で、ずいぶんさっぱりした

勤め場にも枝垂桜があるが
先日、きれいさっぱり剪定をしていた
「桜切る馬鹿、梅切らぬ馬鹿」との言葉は
呪文のように覚えているため信じ込んでいた
そうではないことをつい2,3年前に知った
枯れ枝、絡み枝(交差枝)、懐枝などを選定しないと
病気や虫が発生することを知った

ずいぶん刈り込んでいたが、
それでも春からの半年でずいぶん枝が出ていた

「馬鹿」だと心得ていても
やっぱり「賢い」と思っている自分
「桜切る馬鹿」にならないようにと
格言を信じ込む馬鹿野郎
馬鹿の一つ覚えの典型だ
情けないものである

格言、ことわざには、確かに先人の知恵が詰まっているが
いつでも絶対的ということはない
そんなことにやっと気づいた不思議おじさんである




105円

2012年09月12日 | Weblog
一応 何とか生きております
夏休みはひたすら近辺を徘徊しておりました。
一日凡そ15kmを3時間かけて歩く
「歩く」ことが人間の脳と身体にもたらす影響は
古代から多様に語られている

ドイツはハイデルベルグ、あるいは京都の哲学の道
どちらも歩いてみたが、あんな風にしゃれる必要はない
ほっつき歩けば、思わぬ幸が向こうから転がりこむ
ただし、炎熱下の徘徊は思わぬ不幸ももたらす
水分補給は随分気を付けて歩いたが
大量の汗が股間に流れ込み柔らかい皮膚を痛めつけた
それでもメンタムを塗って歩き続けたために
ついに皮膚が爛れてしまった
おかげて今夕、恥ずかしい思いで皮膚科へ


新潮社の日本文学全集 1971年刊
Book offで求めたら何と105円だった

分かったようでいるが本当は分かっていないこと
うわべの知識はあるが、中身は知らないこと

この歳になってそんなことが多いことに恥ずかしさを覚える
ラジオを聞いていてなるほどと思った
田山花袋の代表作は?
知識があり試験に強い人は即答するだろう 「蒲団」と
ところで「蒲団」はどんな小説なのでしょうか?

読書についてはおませで
超乱読者であった不思議おじさんは
70%の確率で読んでいると思う
しかし全く思いだせない

では伊藤左千夫の代表作は?
正宗白鳥は?
岩野泡鳴は?
順に「野菊の墓」「何処へ」「毒薬を飲む女」であろうか
多分岩野泡鳴は何も読んでいないと思われる

読んでいたとしても全く理解していない
それでも人格形成の何かの役に立っているのだろうか…

そんなことで全て読み返してみた
その生臭さ、リアルさは100年以上前の作品とは思えない
生き生きとした筆致は生々しい人間を浮かび上がらせる
不思議おじさんの父親が生まれる前に発表された作品ばかりだ
新鮮な驚きを感じた

というようなことから
ぼちぼちブログを再開することにしよう

皮膚を爛れさせながら歩きまわり
堺市南部の人知れぬ沼に咲く遅咲きのハス

出身大学の原子力研究所の最後の所長から頂いた
晩夏のノウゼンカズラ
福島の事故を知らずに数年前に亡くなった
お裾わけが元気に咲いている
生きておられれば博学縦横の御説を伺えたのに…