後ろ歩きの不思議おじさん

あっちこっちにポケットを一杯もった不思議なおじさんの特技は後ろ向き歩き。その右往左往振りは滑稽で、ちょっぴりもの悲しい。

想思華

2010年09月27日 | Weblog
花は葉を想い、葉は花を想う
「想思華(サンシチョ)」が韓国での呼び名
由来は明快
花が消えて、冬が近づくと葉が出る
この葉が畦を守ることから植えたとの説がある
もちろん救貧説も根強い
我が家では10日ほど前に赤が咲き
今は白い彼岸花が満開に近い

六甲の夜や朝方はもう確実に秋だ
積算温度はそうは毎年変化しない
毎日の平均気温の足し算のことである
案の定 今年の冬は厳しいらしい

公平や平等を掲げる政治家や学者を
不思議おじさんは全く信用していない
それ自体が意味のある価値ではないからだ
行政がの陥りやすい罠である

しかし時間は容赦なく流れる
だれにも平等である

生命の根源的な本質である「種の維持」の前に
「個」は多様性の一部を担っているにすぎない
人間もまたその真実から逃れられないように見える

そんな鳥の目による俯瞰図ではなく
地を這う虫の目で見ると
その「個」の多様性にも
それぞれの物語があって面白い

45年の時空に編み込んだ物語
それを一分間で語ることは難しいが
同窓会では95%は前提省略で問題がない

昨日の一日は紛れもなく365分の一だが
現実感の乏しい、過去に遊んだせいで時間が澱み
一年が364日になった感覚だ
積算温度が一日分不足する
明日からヒートアップしないと
仕事という成果の実成りが少なくなりそうだ





地車

2010年09月14日 | Weblog
暑苦しい夜も少しは勢いを弱めた
夜も9時前になると若者が街を駆ける
これは泉州特有の光景(見てはいないの音景か)
地元の祭り「だんじり」の練習の一部である

だんじりは岸和田に限らない
泉州一円の秋の風物詩だ
若者は7月頃から練習に余念がない
ある種の自治組織になっていて
若者が社会に触れる良い機会となっている

さて表題の「地車」であるが
「ぢぐるま」ではない
ふりがなは「だんじり」である

不思議おじさんの勤め先のすぐ近くに
最古の人工のため池「狭山池」がある
行基さんの工事だと言われている
大阪府立狭山池博物館によれば
http://www.sayamaikehaku.osakasayama.osaka.jp/
その工法は中国に発し朝鮮を経ている

木の枝・葉と土を交互に積み重ねて
重石をかけて踏み固める
それが「地車」である

和泉の小さな町の若者は「ワッショイ」と声を挙げ
気分を高揚させて夜の街を駆け抜けていく
「ワッショイ」の語源も朝鮮古語に遡る

そこでだ ついつい気になった
不思議おじさんはもう20年近くも民謡を習っている
民謡にはお囃子が付き物

ドッコイ、ヤットコセー、ヤーレー
アレワイサー、ヤレナーエ、ヨイヤマカサー
ヤサホーイホイ、コレワイナー…

どれも大和言葉で意味が通じない

金大先生
これらの言葉も朝鮮に源を発するのでしょうか

藤井絢子さんが始めた「菜の花プロジェクト」
その最初の本を韓国でも出版するという
仲介の労を取ったので最近確かめてみたが
今年の秋にはハングルに訳されて本になるとのこと
(藤井さんは2冊目の出版予定とのことだが…)

職場の職員さんが韓国に行ったらしい
韓国海苔とビスケットをいただきながら
若者たちの掛け声を聞く夜である
マッコリが相応しいと言えなくもないが
山名さんの冷えた純米酒で夜は更けていく

そういえば 山名さんで酒の造り方を学んだ韓国・原州の青年
今年は韓国産の純米酒造りにチャレンジするのだろうか
http://www.okutamba.co.jp/

血が騒がぬわけでもないが…

2010年09月10日 | Weblog
いやはや 参った!
発病からちょうど2週間
水溶物とその飛沫を世間に撒き散らし(マスクはしていたが)
3種類の抗生物質とその他の薬剤を体内に流し込み
何とかフツウの感覚を取り戻した

考えてみれば発病の前日は酷暑だったが
西宮市にある某巨大私立大学で某シンポジウムに参加して
丸々一日冷房空間に閉じ込められた
フツウではない温度差に老いた身体が耐えられなかったのか

明日から東京の西永福とかいう場所にある某私立大で
休日だというのに今度は丸々2日間、某学会に参加予定
カーディガン、ウールの膝掛けなど持参
残暑厳しい時節の出張仕度とはとても思えぬ

世の中は変わる
変わらないのは「世の中が変わる」ということ
昨日はパソコンで仕事中に
スペインに出張中の某先生がパソコンを立ち上げたとの信号が入った
SKYPEが入っているので相互に自動的に分かる仕組み

早速あいさつ文を送るとその場で返事が来る
仕事場ではパソコンのカメラを外しているが
映像つきで会話も難なくできる
しかも無料だ
これで血の騒ぎを感じたわけではない

大阪府と大阪市の首長が他愛ない議論をしている
もちろん協同組合による地域づくりという視点はゼロどころかマイナスだ

ところで協同組合の世界では
弱肉強食と揶揄されても仕方のない状況が出現している

自らの小ささ、情けなさ、不十分さ、至らなさ…
これらを隠さず、苦しみながらもそれを受け容れ
それでも正面を向いて生き抜いていく
自分にも他者にも正直に

忸怩たる思いで見ている人は少なくない

徳島で求めた藤の木
大きくしないために当地では盥の中に鉢を置く
我が家ではバケツに入れておいたが
2年間も全く花が咲かなかった
何を思ったか、この藤の木
血が騒いだように紫の花弁を垂れ始めた

夏風邪

2010年09月06日 | Weblog
子供のころよく食べたのは鰯の「へしこ」だった
焼いたへしこの鰯の周りの糠だけで十分ご飯一杯食べられた
考えれば、塩を使いながらの発酵物に慣れ親しむ契機となっていた
写真は朽木で求めた鯖のへしこ 
高価である

若狭から京に塩鯖を運ぶ道が「鯖街道」
不思議おじさんの故郷の比良山の背後の細い道
そこに鯖寿司が生まれたのは自然の成り行き

敦賀から京に通じる道は琵琶湖の海運
マキノ町の海津には、古い船着き場跡が残る
砂浜を散策すると、古伊万里の欠片が
角が丸くなって貝のようになって残っている

福井の文化であるへしこが滋賀に定着するのも当然の成り行き
文化とは人の交流の足跡に他ならない

10日前から夏風邪に苦しんでいる
小妻も同じ病だ
帝京大ではインドに源のある抗生物質の効かない病原菌が蔓延した
人の交流はグローバルで拡散のスピードが早い
不思議おじさんの風邪も現代文化の産物というわけだ

すでに抗生物質は3種類目だが効かない

へしこで一杯やって退散願うことにする