後ろ歩きの不思議おじさん

あっちこっちにポケットを一杯もった不思議なおじさんの特技は後ろ向き歩き。その右往左往振りは滑稽で、ちょっぴりもの悲しい。

450km

2008年01月24日 | Weblog
良知さんとは、不思議おじさんの従兄弟のお名前である
4歳年上だが、銀行の支店長を早期退職され
琵琶湖特産の鮎などの加工販売会社で活躍されている

そういえば、今日の出張に同行していただいた
JA全農とくしまの部長さんには
「魚冶」のパンフレットを帰り際にお渡しした
琵琶湖はいま、鮎の稚魚・氷魚〈ひうお〉漁の最盛期
釜茹でした氷魚に生姜醤油をかけて
熱々のご飯で頂けば 至福の極みというものである
氷魚くらいの大きさの飴炊きが欲しいとのことだった
「魚冶」は不思議おじさんの高校の同級生の経営だった
遠藤周作氏が好んで泊まったが、彼は10年ほど前に亡くなった
今は京都で修業した息子さんが継いでいる
ちなみに「魚冶」の鮒寿しも絶品である

話は横にそれたが
良知さんの名は「至良知」から採っている
言わずと知れた近江聖人・中江藤樹である

陽明学は、大半の人にとって知識でしかない
研究者にとっても学問でしかないだろう
しかし不思議おじさんには身に染みついている
次のような逸話を繰り返し聞かされて育った

藤樹さんのお母さんは年老いて目が見えなくなった
ご飯を炊いてお櫃〈おひつ〉に移し替えるとき
うっかり間違えてお丸〈移動式の小便器〉にご飯を移した
それを見た藤樹さんは何も言わず
真ん中のご飯をお母さんに、汚れた縁のご飯を自分で食べた

自己犠牲によって他者を傷つけない
そうすることが善であると教えられてきた
こんなことが不思議おじさんにできるかどうかは分からない
しかし不思議おじさんの行動規範としてあることは事実だ
藤樹さんの弟子の浅見絅斎(けいさい)さんの逸話も同様で
鼻紙を繰り返し使った話を何度も聞いてきた
今でいえば、モッタイナイの元祖的存在だ
不思議おじさんはバスタオルを使うのに抵抗がある
普通のタオルで十分だと思ってしまう
そんなことまで影響しているかどうかは分からない

今日は愛媛県の大洲市〈おおずし〉まで行った
隣の県とは言え、往復で450km
高速道路の縁には雪が残り
粉雪が所々で舞った

大洲市といえば?
多くの人は「お花はん」
…どんな物語だったかなぁ

不思議おじさんにとっては中江藤樹だった
祖父の養子となった藤樹が武士として仕えた場所
しかし藤樹さんは脱藩して故郷に帰り
農民に戻って年老いた母の介護をして暮らした

長くなりついでに不思議おじさんの高校の校歌を紹介する
2番に中江藤樹が登場する

1.竹生島山 影みえて 今ぞ明けゆく 琵琶の湖
 郷土の望み 負いてたつ 若き力の 湧くところ
 ああ我らの 高島高校
2.近江聖人の 植えおきし 藤の大樹を 仰ぎつつ
 真理に根ざす 日本の 文化の花を 咲かすもの
 ああ我らの 高島高校

最近 地元の人たちによって
中江藤樹の映画を作製したらしい
写真はその映像である

あぁ 氷魚を食べたいなぁ

今夜は鳴門わかめを入れた煮物を作った
「生」なので、ホンモノであろうとは思っているが…





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