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浦賀水道艦模様〜2022年国際観艦式

2022-12-09 | 軍艦

「人の撮った写真で語る国際観艦式シリーズ」もそろそろ最終回です。
今日は、観音崎写真特集からです。

横須賀で抜錨した外国艦は、その後観音崎の前を通過し、
相模湾で一晩待機して観艦式に備えました。
こういう動向がわかるのも、Kさんのような方が
観音崎展望園地でチェック&お見送りしてくださればこそ。

進行上一度公開した写真もありますが、
カーテンコールのように、おさらいも兼ねて順にご紹介します。



王立オーストラリア海軍(RAN )の補給船、

HMAS「スタルワート」Stalwart A-304

HMAS Stalwart Commissioning

「コミッション」ということなので、日本で言うところの
引き渡し式(就役)ですね。

もしちゃんとスピーチをお聞きになれば、オージー英語ならではの
「レピュタイション」なんて発音が聴こえてくるのがわかるでしょう。

白いセーラー服の一団の行進する様子が美しい。
1:32のところで、なんかすごい原住民っぽい格好の人が映りますが、
この人は一体何者?

そして軍艦旗が引き渡され、乗艦が終わったら、全員が、

「ひっひっひ」「フレー!」(帽子回す)
「ヒヒッヒッヒ」「フレー!」(帽子回す)

「〇〇〇〇!」「◯ー◯ー!」(帽子上に止める)

と全員で一緒にやっています。
これはオージー海軍の伝統で、日本の「帽振れ」みたいなものでしょうか。

わたしが「ホバート」のラッタルで士官が降りてくるのを目撃したとき、
乗員がやっていたのもこれだったような気がします。
帽子は回してませんでしたが。




王立オーストラリア海軍(RAN)の駆逐艦、

HMAS「ホーバート」Hobart D-39

HMAS Hobart SM-2 missile firing in Australian waters 

こちらはSM-2ミサイルを発射した時の映像をどうぞ。
艦長の最初の言葉は「Today」(トゥダイ)ですので念のため。



先日一項を割いて語ってしまった、RANの「コリンズ」級潜水艦

HMAS「ファーンコーム」Farncomb SSG 74

この潜水艦は11月15日に帰国して行ったのですが、
そのときのシーンを動画に上げている方がおられました。

豪潜水艦 ユリカモメ大群に見送られ横須賀を出港 2022年11月15日
「見送られ」と言うより、ユリカモメちゃっかり後ろに乗って移動してます。
彼らがこのままどこまで乗って行ったか、そのゆくえは杳として知れない。



王立ニュージーランド海軍(RNZN)の補給艦、

HMNZS「アオテアロア」Aotearoa 

前も書きましたが、「アウテアロア」は南極に行くことも想定し、
氷上で運用することもできるようになっています。

Royal New Zealand Navy: HMNZS Aotearoa in Antarctica 

氷を割って進む「アオテロア」、文字通り空を飛ぶペンギン、
そしてスコット基地で積荷を降ろすシーン。
高画質で「補給艦のお仕事」が堪能できる良ビデオですので、ぜひ。


パキスタン海軍(PN)の補給艦、

PNS 「ナスル」Nasr (A47)

【国際観艦式】パキスタン海軍補給艦『ナスル』横須賀入港 PNS NASR(A47)【 پاکستان بحریہ】

「ナスル」横須賀入港のシーン。



シンガポール共和国海軍(RSN)のステルスフリゲート艦、

RSS「フォーミダブル」Formidable R68

後ろに何も写っていないと、まるで模型のような現実感のなさですね。

Republic of Singapore Navy's RSS Formidable fires OTO Melara Super Rapido 76mm A-gun
ところで、初めて「フォーミダブル」のレーダーが回っているのを見て、
ビジュアル的にかなーり衝撃だったので、上げておきます。

「いつもより多く回しております」という言葉がついよぎった・・。


ん?「いずも」が小さく見える?
この67番の艦って、何?

と思っていたら、まずこれは「いずも」ではなく
DDH-181、JS「ひゅうが」

そして「ひゅうが」とすれ違っているのは、アメリカ海軍の

ミサイル巡洋艦USS「シャイロー」Shiloh CG−67

であると思われます。

「タイコンデロガ」級と言うことでこの大きさですが、
さすがに「いずも」は全長248m、
「シャイロー」は172mなので、もし並んだらかなり違うかな。
ちなみに「ひゅうが」は全長197mです。

「シャイロー」、演習を終えて帰投するところでもあったのでしょうか。

なんか無駄にかっこいい「シャイロー」がトップの海軍ホームページ

今回の観艦式で第7艦隊から参加したのは
「シャイロー」の姉妹艦であるミサイル巡洋艦、

「チャンセラーズビル」USS Chancellorsville, CG-62

であったはず。

ネームシップの「タイコンデロガ」が表すように、
同級の命名基準は基本南北戦争と独立戦争の古戦場です。

「バンカーヒル」「ゲティスバーグ」

などは我々日本人でもすぐにわかります。
しかし同級、数が増えすぎて独立&南北戦争だけでは足りなくなったため、

第二次世界大戦「レイテガルフ」「フィリピンシー」「ノルマンディー」
「アンツィオ」(上陸作戦)「ケープ・セントジョージ」「ベラガルフ」

テキサス独立戦争「サン・ジャシント」

米英戦争「レイク・シャンプレイン」「レイク・エリー」

米墨戦争「モンタレー」

朝鮮戦争「チョーシン」(長津湖)

ベトナム戦争「ヒュー(フエ)シティ」

人名「トーマス・S・ゲイツ」(アイゼンハワー政権の国防長官)

地名「プリンストン」(?)

と、各方面に名前の由来があります。



続々と海自艦艇も相模湾の錨地に向かっています。



「ましゅう」型補給艦「おうみ」LST-4003


うむ、この独特の突き出した船首の形。

試験艦「あすか」JS Asuka, ASE-6102

しかしなぜ?

「あすか」は観艦式に参加予定にはなっていなかったようですが。
名簿にはないけど急遽後から追加されたとか・・・・?


これは観艦式が終わって帰投する艦を撮った中にあったのですが、
「あすか」、やっぱり参加して帰ってきたんですよね?


「あさひ」型護衛艦DD−119「あさひ」

建造中のこの甲板を歩いたことあるのが自慢(もういいって)


「はたかぜ」型練習艦「しまかぜ」TV-3521

はて、「しまかぜ」っていつから練習艦になったんだろう、
と思って調べてみたところ、2020年、
「まや」型護衛艦「まや」が就役したことで、
「はたかぜ」と共に練習艦に種別変更されていたことがわかりました。

艦番号もDDG-172から変更になりました。



「おおすみ」型輸送艦「くにさき」LST-4003

各艦種が1隻か2隻ずつのコンパクトな参加布陣です。



本番6日の朝、Kさんが浦賀水道の見える宿泊所で
前夜の伊勢海老のお造りで出汁をとった朝食を召し上がっていると、


「いずも」と・・



「ひゅうが」が通り過ぎたのでした。
この後Kさんは午前中を千代ヶ崎砲台跡見学に費やされ、
観艦式の様子を遊覧船から見る計画をされていたようですが、
ライブ映像の様子を見てキャンセルし、観音崎に戻られたそうです。


そして観艦式を終えて帰ってくる艦たちをお出迎え・・。
「仏舎利塔のような」と言う言葉があまりにもハマった、
王立オーストラリア海軍(RAS)

「アンザック」級フリゲート艦
「アルンタ」HMAS「Arrunta」FFH151


王立ニュージーランド海軍(RNZN)の補給艦、

HMNZS「アウテアロア」Autearoa S-12


「あさひ」も帰投してきました。



「ましゅう」も。

この一連の写真、手前の構造物がすごくいいアクセントなんですが、
大きさが全くわかりませんでした。
この写真のボートと中にいるサギらしい鳥の大きさから類推するに
なんとなく結構大きなものなのかな?と・・・。


「ひゅうが」。



「いずも」。



きっと浦賀水道を帰投する自衛艦たちは、
この自衛艦旗を目に留めていたに違いありません。


(まだ)続く。




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6 Comments

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聴音所 (Unknown)
2022-12-09 08:04:21
これだけいろいろな国から船が集まる観艦式は素晴らしい慣習だと思います。中央観閲式や航空観閲式では、こうは行きません。国際親善も海上自衛隊の任務の一つですが、まさに体現していると思います。

観音崎海べりの「インパクトのある構造物」は陸軍が作った聴音所です。黒船来航以来、東京湾内にお台場(砲台)が作られてから、第一~第三海堡等、東京湾へ侵入する敵艦船を迎え撃つための施設が整備されて来ましたが、聴音で侵入船を探知するために整備されました。観音崎の遊歩道から見えますが、海上自衛隊観音崎警備所内にあります。

昭和末期には、陸上から橋が架かっていた記憶がありますが、外側が残っているだけで、中はがらんどうで、放置されているので、いつの間にか橋もなくなってしまいました。今はウミウ司令が護りに就いています。

知人に観音崎灯台の賛助会員や近くに住んでおられる先輩がいて、この場所から撮った艦艇の写真をよく見せて頂くのですが、今年の初めから「ウミウ司令」がいなくなり「食べられた」ともっぱらの噂でしたが、最近、また戻って来ています。

観音崎警備所には、外国艦が入港する際に礼砲を発射する礼砲台がありますが、そうそう撃つ機会がある訳でもなく、地上波無線施設もありますが、衛星通信の普及につれて、使用頻度も少なくなり、今は無人で、たまに整備で人が入る他はガラーンとしています。とは言え、フェンスがあり、無断で立ち入ると怖い人が来ます(笑)
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「タイコンデロガ」級 (お節介船屋)
2022-12-09 11:14:38
「スプルーアンス」級駆逐艦の船体をベースにイージーズ・システムを搭載したミサイル巡洋艦です。1983年から94年に27隻竣工しました。
同時多目標対処能力の艦隊防空艦で近代化が実施され戦闘能力の向上が図られています。
初期型の旋回式発射機装備の5隻は2004、5年退役しました。
前コメントのとおり、残り22隻はハード、ソフト近代化で艦齢40年まで使用と言われていましたが本年5隻退役します。
CG-61「モントレー」、66「ヒュー・シティ」、72「ヴェラ・ガルフ」退役済、もう2隻退役予定
「ヴェラ・ガルフ」はBMD能力を持つ艦でしたが退役となってしまいました。
59「プリンストン」は1991年湾岸戦争で蝕雷し、船体が大破しましたがイージーズ・システムは損傷後15分で復旧したと言われています。

これだけ大きな上部構造物でトップヘビーなのでアルミ構造で重量軽減が図られています。なおアルミは熱に脆弱として採用されなくなってきていますが本艦型は内部にセラミック系防火材を使用となっています。

要目
満載排水量10,117t、全長172.8m、幅16.8m、主機ガスタービン4基、80,000馬力、30kt速力、SM-2またはSM-3SSM,トマホークSLCM,アスロックSUM用VLS2基、122セル、ハープーンSSM4連装発射機2基、127㎜砲1基、20㎜CIWS2基、324㎜3連装短魚雷発射管2基、ヘリ2機、乗員330名

参照海人社「世界の艦船」NO873
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観音崎砲台付属水中聴測所跡 (お節介船屋)
2022-12-09 13:13:38
>手前の構造物がすごくいいアクセント
戦時中昭18年年東京湾米潜水艦侵入阻止の目的で設置したソーナー用構造物跡でした。
下に説明資料がありましたので添付します。
https://tokyo-bay.biz/pref-kanagawa/city-yokosuka/kannonzakisensuikan/
返信する
聴測所跡2 (お節介船屋)
2022-12-09 14:19:26
もっと詳しく撮影された方が投稿されていますので添付します。

http://yakumo1100.blog.fc2.com/blog-entry-545.html

なお高さ5mと記述された方もいますが測られたわけではないようです。
発電所からのケーブル導設跡も見えます。
昭和12年建造との投稿もあります。また大きなソーナー用構造物が水中にあるとか、戦後海上自衛隊が水温計測に使用していたとかの記述もあります。鉄橋があったのが経年劣化でなくなったのか撤去されたのか?
観光用のプロマイドもあったとは?
戦跡の一つとして捉えられたのかな?
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ウミウ司令 (エリス中尉)
2022-12-10 22:20:07
食べられてなくてよかったです・・。
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「タイコンデロガ」級22 (お節介船屋)
2022-12-20 10:01:25
参照本の最新号から
本年退役した艦は次のとおり
CG-61「モントレイ」、66「ヒュー・シティ」、68「アンツィオ」、72「ヴェラ・ガルフ」、73「ポート・ロイアル」の5隻でした。
最終27番艦も退役しました。
国防予算節減のため早期に退役させる方針が出て、2026年までに全艦退役する予定との事です。

「シャイロー」Shiloh CG−67はCG Modの近代化を受けていませんが弾道ミサイル迎撃能力は備えており、どうなるのでしょうか?後数年で横須賀を離れ、退役するのでしょう。

代替となるアーレイバーク級フライトⅢやDDG(X)の建造がコロナ禍のため遅延していますので計画とおり進むかどうか?

参照海人社「世界の艦船」No988
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