前回、『敵の陣に赤い煙が』というところで終わったのですが、
あれはアオリとしてそう書いただけで、実は観客に対する状況説明、
つまり「ここが敵陣ですよ」と分からせるために焚いたスモークです。
つまりまだ訓練は始まっていません。
なぜって、この後、本日の観閲を行なう防衛大臣が来場するからです。
まだ赤いスモークの残る中、C-47が定位置に到着。
場内放送にもありましたが、このときのローターの起こす風は猛烈で、
枯れ草や土ぼこりがずいぶん離れたところまで巻き上がりました。
このレンズの汚れを見て下さい。
枯れ草が舞い上がっているのがはっきりと見えます。
着地に際しては、後輪の下に異常や突起物がないかを、
後ろの隊員が目視で確認を行なっている模様。
もう少しで頭から墜ちてしまいそうなくらい乗り出しています。
きっと安全綱とかはつけてないんだろうなあ。
ハッチが降ろされると同時に中から確認をしていた隊員が降り、
外から広報の写真隊、その他駆け寄ってきました。
そして小野寺防衛大臣が・・・・・・。
敬礼で見送る隊員。
・・・と思ったのですが・・・・この方は・・・・。
小野寺大臣ではなく、防衛大学校の観閲官であったところの
木原稔政務次官にお見受けします。
そしてこちらはまぎれもなく本物。
遠目にもわかるように防衛大臣旗とともに降り立った小野寺防衛大臣。
周りにSPはいないようです。
もっともこんな状況でVIPに何かしようと考えるテロリストがいるわけないか。
いかなるテロリストも瞬時に第一空挺団の屈強の男たちが組み伏せるか、
あるいは観客の目の前で迫撃砲の集中砲火を浴び・・・
まあ、勝ち目がないことには間違いありませんから。
防衛大臣が到着したので本番開始。
まず偵察として一人が降下。
C-47からも次々降下。
降下の際には必ず
「降下降下降下!」
というアナウンスがあります。
向こうにはC−1が旋回しております。
着地。
着地の次の瞬間、脚を跳ね上げて起き上がる準備。
冒頭写真のC-1からの降下。
今降りようとする隊員は、殆どイグジット口に風圧で貼り付いているように見えます。
一瞬のことなのかもしれませんが怖いでしょうね。
「傘が開かない」
という確率は3万分の1なのだそうですが、実際に降下する隊員にとって
この3万分の1という数字はまるで「2分の1」くらい怖い数字なのだとか。
(空挺館に展示してあった漫画で得た情報)
C-130からも降下。
ところが・・・・・
このとき降下した隊員のうち二つの傘が異常接近。
傘が開かない確率よりも他の傘との接触する確率は高いでしょう。
こっちは実際に起こりやすそうな事故だけに怖いですね。
傘が絡まったが最後、二人とも墜落です。
左側の隊員が全身を使って離れようとしている様子が見てわかりました。
次に海上自衛隊よりP−3C登場。
なぜかというと、ここは本状況において
海上
という設定だからです。
赤い煙のでていたところは尖閣、じゃなくて日本のある島なんだとか。
中国から来てる特派員の記者、ちゃんとそこのところ書いといてね。
P−3Cがこんな角度で飛んでいるのを初めて見たような気がします。
この後、空自からもガルフストリームU−4が参加していましたが
電池が切れたため撮れませんでした。
地上ではあちらこちらから派手に煙が上がり始めます。
後ろの住宅には洗濯物が干してあるのですがこれは(略)
そして、CH−47からは・・・・
フリーフォールの降下隊員たちがッ!
特殊部隊?もしかして特殊部隊なのか?
極限までズーーーーム。
うーん。
黒いニンジャみたいなスーツを着ているし、これは・・・。
着地が比較的近くで行なわれたので、周りで見ていた人たちは大喜び。
このとき降下した隊員たちは誰一人転ばず、
二本脚で着地を次々に決めたため、その度に
周りからは盛大な拍手が起こりました。
「小野寺防衛大臣に拍手をお送り下さい」
というアナウンスがあっても皆拍手しないのに・・・・。
お見事。
この隊員は・・・・
ビューティフルに片足着地です。
しかし、彼らにとって降下することは目的ではありません。
このあと、敵地突破という(たぶん)本来の目標があるのです。
近くでやってくれたので非常に分かり易かった傘のたたみ方。
まず根元から紐をしごくようにしてたぐり寄せ、
傘の部分を端から中央に向かってたたんでいくようにまとめます。
次にやって来たC-1は、先に武器を落として後から人間。
黄色い開傘用の紐が何本も別れのテープのようにたなびいています。
そこへどこからともなく現れる地上部隊。
手にしているのは偽装網組み立てキットのようです。
何やらやっていると思ったら・・・・
殆ど一瞬で偽装網ができてしまいました。
このオレンジの人たちは、スモークを完全に消火する係かも知れません。
状況終了まで放置していたら冬の乾燥した空気の中、枯れ草に発火するおそれがあるからでしょうか。
そうこうしているうちに装甲車が(一応しゃれ)配備され。
敵陣に火の手が上がり始めます。
ふと左手に不穏な空気を感じて目をやると(修辞的表現)、
そこには不気味にヘリ軍団がホバリングして様子をうかがっています。
こちらにも。
地上部隊の攻撃によって随所に火の手が上がり始めたのを見届けるように、
ヘリが交互に攻撃を加え始めます。
まずカイユース、OH−6が偵察に行き状況報告してのち、
OH−1ニンジャがするすると侵入。
ニンジャのアビオニクスは機体上部の索敵サイトだったりするので、
状況を送信するためかと思われます。
一応、空対空ミサイルを搭載することもできるらしいですが、
今日は後ろに怖いお兄さんたちがたくさん控えているので、攻撃はそちらに任せます。
カイユースが旋回して帰ってきました。
いつ見てもシェイプがキュートだわ。
OH1もご苦労さま~。
・・・ってあれ?
もしかしてきみ、対空誘導弾つけてる?
増槽の外側のハードポイント、これそうですよね?
ということは一応攻撃モードなのか・・。
まるでシンクロナイズドスイミングかダンスをやっているかのように
ぴったり動きが同じのヒューイ、AH-1。
ツイストを踊っているならこれが本当のコブラツイストなんちて。
このお兄さん方は攻撃ヘリですからね。
対戦車ミサイルにガトリング砲、グレネードランチャーにチェーンガン。
およそ武器という武器は搭載可能なコワモテだ。
というわけで、二機のヒューイが攻撃を加え・・・
アパッチロングボウ、キター!
もうこの角度見て下さいよ。
ここぞと見せ所に張り切るAH-64D。
アパッチも対戦車ヘリ。
対地攻撃をさんざんして敵地上空から引き上げ。(という設定)
入れ替わり立ち替わりヘリが攻撃を加えて、これで終わったかと思ったらとんでもない。
陸自最強の歩兵たちがこの後に控えていたのであった。
続く。