◎疾風に勁草を知る
(2019-08-25)
1950年代後半生まれの人々にはグランド・クロス(大十字)がある場合が多い。
海王星(天秤座か蠍座)、天王星(蟹座か獅子座)、これが90度であってグランド・クロスの材料となる。これに更に反対側に十字型に惑星が入るとグランド・クロスが完成する。
グランド・クロスを持つ人物は公私ともに結構なプレッシャーを受けながら暮らしていくものだが、世代全体として、それはどういうことを意味するのだろうかと昔から疑問に思っていたものだ。
いま、精神世界オタク、スピリチュアルヲタクとして馬齢を重ねてみると、それはこのようなことであったと思う。
1.カルトその1
朝鮮系新興宗教の勧誘が盛んに行われ、その対象となった中心世代であって、「青春を返せ」裁判まで引き起こしたカルト全盛の時代。この宗教の関係では、集団結婚のために6千人以上の日本の適齢期レディが朝鮮半島に渡ったとされ、今はどうなっているのやら。今は、2世代目にもなっているケースもあるらしい。
2.カルトその2
オウム真理教の中心世代はまさにこの世代であって、のちに被害者5千人以上を出す地下鉄サリン事件を起こすに至った。
3.北朝鮮への拉致
拉致の対象となった世代はこのグランド・クロスの世代である。報道はされなかったが、新潟に限らず、当時から海辺の地域では北朝鮮への拉致があることは口コミで伝わっていたらしい。
今思えば、正師に出会うか邪な師に出会うかは自分次第とは言っても、縁によって起こるのであるとすれば、それこそ自分の力ではどうしようもない部分があることを痛感せざるを得ない。
善い環境であれば善男善女が輩出し、悪い環境であれば、自分のメリットにばかりさとい地獄が現出し善男善女は稀にしか出ない。
1970年は、モーレツからビューティフルへと言われ、物質的価値から精神的価値への転換点だったし、OSHOバグワンが出たのもほぼ70年代。学生運動は沈静化したが、その後カルトが猖獗を極めたところをみると、日本人はほぼ半熟にもなっておらず、チャンスはあったかもしれないが、うまくいかなかったのだろう。
カルトの隆盛と定着、そして新たな細々とした奥山の沢のような流れは並行して進んできた。その細い沢は知られているとは言えない。(道は多く、通る人は少ない;OSHOバグワン)
第三次世界大戦など夢想と思っていた大多数の人が、その花火を見ることは不可避であると感じた頃は既に手遅れなものだ。
今振り返れば、グランド・クロス世代の人は、チャンスは十分にあったと言われるだろう。何しろ生活が安定した時代だったのだから。
唐末で、仏教禁止になって、禅僧も生きるのに困窮したが、却って純禅は研ぎ澄まされた。そういう反面はあるものの自分も含めて甘かったと反省せざるを得ないところはある。
疾風に勁草を知るというが、疾風なくして勁草となるのがベターであるが、そうはいかないものなのだろう。