詠里庵ぶろぐ

詠里庵

出張でコロラド

2006-08-29 21:42:54 | サイエンス
の山岳地の町Breckenridgeにある国際会議場に行っていました。会議場に向かう途中、ちょっと忘れ物をしたのでホテルの自室に駆け戻ったところ、おや?何だか変です。心臓がパクパク、呼吸が追いつかない。・・・

そうです。かなり高度があるところなのです。あと何十mで3000mという高地なので、走ることは禁物。ちなみに気圧はというと、約700ミリバールだから平地の約7割。富士山頂のように高山病にかかってもおかしくはありません。

そういえば同じ地方のBolderという町に世界の時刻標準に一役買っている米国標準技術局の研究所(NIST)がありますが、Bolderはまたマラソン選手の練習地としても有名です。Breckenridgeより高度は低いとはいえ、自分がちょっと走っただけで呼吸困難を体験してしまうと、高地でマラソン練習をするなんてとても同じ人類とは思えません。

ところで大気圧が700mbということは、酸素の分圧は平地の酸素濃度に換算して約15%になります(21%×700mb/1013mb)。これって大丈夫なんでしょうか? というのは、酸欠が恐ろしいことはよく知られています。通常酸素濃度が18%を切ると危険と言われます。ではBreckenridgeにいてもなぜ平気なのでしょう? 疑問に思ったのでちょっとWikipediaで調べると

・酸素濃度16%: 呼吸脈拍増、頭痛悪心、はきけ、集中力の低下
・酸素濃度12%: 筋力低下、めまい、はきけ、体温上昇
・酸素濃度10%: 顔面蒼白、意識不明、嘔吐、チアノーゼ
・酸素濃度 8%: 昏睡
・酸素濃度 6%: けいれん、呼吸停止

とあります。これだと確かに15%はまだ致命的とはいえません。しかし18%で危険だぞと言われる一方、15%のこの町にホテルなどが林立しているんですね。

それにしてもエヴェレストに酸素マスクなしで登った人達がいるそうですが、こうなると本当に循環器系が通常人とは違うのではと思ってしまいます。
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