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詠里庵ぶろぐ

詠里庵

自然エネルギー発電電力買い取り

2011-06-15 08:08:08 | サイエンス
の法案成立をというニュースがありました。既に日本でそういう電力会社はありますが、強制するということでしょうか。
うーん、これは夜間電力料金も考慮して、よく考えて進めてもらいたいですね。というのは、これもヨーロッパで聞いた話・・・西ヨーロッパの某国の話ということです。国名も聞きましたが、雑談で聞いただけでニュースソースを私自身確認していませんので、某国としておきます。

その国では夜間料金が激安ということで、夜の間に太陽電池を煌々と照明で照らして発電して、それを「買い取り制度」で売って儲けた人がいるという話です。風力発電の場合は扇風機で夜間に風を送るか別のモーターで回して発電することになるのでしょうが、これはちょっと個人でやるには設備投資が尋常ではないですね。

ま、全体の効率は悪くなっているはずなのでエコの観点からは許されざる行為ですが、夜間の発電を蓄電できるなら、いまの関東ならば昼間の予期せぬ大停電を防ぐ方策としての意味はあるかもしれません。

日本の専門家は料金体系のことをきちんと考えているとは思いますが・・・
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ヨーロッパの大学

2011-05-08 05:18:01 | サイエンス
に一週間いて感じたことは、ヴィジターの多さです。まあ近くに外国がたくさんあるという地の利もありそうですが。当然ヴィジターによるセミナーも多く、もう2回もありました(うち一回は自分のですが)。こんなにしょっちゅうエキストラにセミナーやっていたら仕事に差し障りがあるのではと思われるくらいです。

セミナーやディスカションを通じて、中には計算のための計算っぽいものもあるように感じられます。本質としては何がやりたいのかなという気もしたり。しかしそうやって微妙に違う感覚の人も呼ぶというところが、蛸壺に入って行かない将来性を感じさせます。

ウチも少し見習おうかな。
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プラハでちょっと長め

2011-05-04 21:56:50 | サイエンス
の講演の第1回目が終わり、一息しているところです。当然ながら物理の研究者に何人か会いました。そこで一つ懸案だったことが解決しました。

昔の人でドップラーという人がいます。この名を聞いてフルートの名曲「ハンガリー田園幻想曲」の作曲者を思い浮かべる人もいると思いますが、ドップラー効果のドップラーを思い浮かべる人の方が多いでしょう。

音楽をやる研究者仲間の間で、この二人は兄弟だという説と同一人物だという説で割れたことがあったのです。双方とも自信ありげに主張するし、ちょこっと調べた程度ではわからなかったので、これは知る人ぞ知る公然の秘密かと色めき立ったのですが、わからないまま忘れて20年が過ぎてしまいました。

今回たまたまドップラー(もちろん物理学者の方です)の話題が出たときに訊いてみたのです。そしたらまず音楽家のドップラーを知らないんですね。向こうの人達の方がそんな話があるのかと興味を持ってくれて、調べてあげようと言ってくれました。あまり時間をかけずに回答が来ました。

結果は・・・全然無関係の人ということがわかりました。

気を持たせておいてがっかりさせてごめんなさい。18才ほど年が離れているらしいのですが、昔なら兄弟といってあり得ないわけではないでしょう。まあ同時代人とは言えるでしょう。まぎらわしいことに音楽家のドップラーの方にはやはり音楽家の兄弟がいるのですね。

このブログを読んだ人はなんだぁと思ったでしょうが、私としては懸案事項をひとつひとつ解決しながら前進する一環でした。(それにしても言い合った双方のあの自信はなんだったんだ)
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想定外といいますが

2011-04-14 05:57:30 | サイエンス
このブログの2010年3月10日版に出した東京近辺の地震の歴史に、東北も加えて描いてみました。これでも想定外なんでしょうか。(ブログ用に急遽作ったので正確さは保証の限りではありません。特に東北の過去は記録がないだけかもしれません)

明治の三陸津波と称する映像が
http://www.youtube.com/watch?v=qkLqVr_Qk_w
にあります。ウェブ情報ですが、ちょっと見たところウソではなさそうです。
北斎の波のように上からかぶさる波のショットが強調されている点が、外国人には一面だけの誤解を与えそうですが)

ま、このところの「事後情報戦」を見苦しいと思う1人ですが、今日のブログはささやかながら事後情報戦に加わってみたところです。
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シミュレーション

2011-04-04 21:35:58 | サイエンス
というのは、複雑な事象であればあるほど、十人十色の結果になります。気象や地球科学や生態や天文、それに経済や株価予測。最も精密科学でありそうな物質科学といえど、結果だけで信じるわけには行きません。「どんな理論を仮定したの?」「どこまでの要因を取り入れたの?」「どんな測定データから出発したの?」と必ず訊くでしょう。それによって結果がいろいろでも、もちろん意味があります。こんな仮定やこんなデータからはこんな結果が出るということや、この要因を少し変えてもあまり変わらないがあの要因を少し変えると結果が大きく変わる、などの知見は有用なものです。

気象庁の放射性物質拡散のシミュレーション結果を(誰の意思か現時点ではわかりませんが)発表しなかったことについて議論があります。日本気象学会でも「それぞれの研究結果の公表には注意を」という理事長名での通達(ホームページでの3月21日付けメッセージ)も是非が議論になっています。

シミュレーション結果の発表を渋ったのは、結果の一人歩きや風評被害を恐れたのでしょうか。確かに一般社会は性急で、いちいち「どんな理論を使ったの?」「入力データはどれが実測でどれが推測?」など訊かずに「はやく決定版のシミュレーション結果を見せて」となります。

しかし百家争鳴の結果が公表される方が、「決定版なんてないんだ」ということがわかるのではないでしょうか。ドイツとオーストリアの公表結果も結構違います。気象庁の結果も比較して見たいなぁ。発表しないからかえって人々は疑心暗鬼になり、他の発表も信用しなくなってしまうのではないでしょうか。
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物性若手夏の学校

2011-03-31 07:52:42 | サイエンス
が1997年に八幡平で行われたとき、「量子光学と量子情報処理」と題する講義を行いました。そのとき、近くに松川地熱発電所というのがありました。

日本は「ひと」以外にめぼしい資源のない国だと言われます。これに加え私はよく「人と温泉」と言うことにしています。これは温泉好きだからというだけでなく、エネルギー資源の意味もあります。八幡平の付近は温泉があります。

エネルギー供給はあまり変動があっても困るので、風力よりは地熱の方が安定していると思います。あと、「根っこの温度」が低い方が扱いは楽です。根っこの温度とは、エネルギーを得るのに利用しているミクロな素過程の温度を意味しているつもりですが、発熱体をほっといて暴走させてもそれ以上の温度になることはないという温度です。たとえば温泉の湯を直接使うとすると大気圧で100度を超えません(地熱はもっと高いでしょうが)。また燃焼という化学反応を利用する場合は、燃やす物にも依存しますが、まあ高くても何千度でしょう。この場合の最大暴走は燃料の一気の燃焼でしょう。核分裂や核融合反応の場合は、乱暴に言えば億度から兆度のオーダーと思われます。もちろんミクロな素過程がその温度としても、周りがすぐ冷やして冷却を続ければ問題ありません。冷却にはーα線やβ線を通さないという意味でもー水が使われています。でも冷やすのを止めたら・・・コンクリで覆って酸素を遮断しても分裂が終わるまで発熱を続けます。コンクリで覆うのは分裂も安定フェーズに入ってからですね。

松川地熱発電所のずんぐりした巨大な煙突みたいな冷却棟は、イギリスで見た原子力発電のそれとそっくりでした。しかし見た目で恐ろしさの印象を持ってはいけません。冷やすべき相手の「根っこの温度」はまるで違って地熱発電の場合は手なずけやすいものです。
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東京の流通

2011-03-26 14:07:57 | サイエンス
が少し心配で昨夜帰りました。牛乳でも買おうと駅のスーパーに寄ったのですが、牛乳どころか大半の棚がスッカラカン。これは酷いと思って帰宅すると、妻は「朝になれば入荷する」と言います。妻は-1993年の米不足のときもそうでしたが-買いだめ風潮に乗らないのです。

で、けさ近くの生協に行って見ると、納豆が無い以外は通常通りでした。さっそく牛乳の棚を見ると、群馬県産の成分無調整牛乳があります。これは買わなくちゃ。風評被害で売れなかったりするんだろうな。野菜も埼玉県産や群馬県産があります。これも買いました。

そもそも異常に厳しいと思われる暫定基準値をクリアしているのだから、市場に出回っているものならどこ産だろうと平気です。先進国の中でも最も冷静な国民であるならば、風評で北関東や東北の農家を苦しめる必要はありません。外国産冷凍ものが注目されているというニュースもありますが、残留農薬や抗生物質があっても残留放射性物質より安全ということが示されない限り、私は国産の方が安心です。
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ウィーンを訪れる音楽好き

2011-03-21 16:16:10 | サイエンス
の日本人は数しれずいるでしょう。しかしウィーン空港からウィーンへ向かうリムジンバスが原子炉の至近を通ることを知っている人はほとんどいないと思います。まぁ原子炉と言っても発電所ではなく研究用で、出力はせいぜい車数台分という小型のものですが。

そこを見学したときのこと。反応炉が沈んでいるプールのへりに立って、そこから見下ろしたプールの水は忍野八海のように美しく、反応炉は青白く幽玄なチェレンコフ光を放っていました。こんなところに居て大丈夫かと思ったら、常に放射線カウンターを持ち歩いている案内の研究者が「ふむ、いまの放射線量だと、ここに何分いたら何日間はここには来てはいけないことになっています。何時間いた場合は何週間はここに来てはいけないなどと決まっています。見学者は全く問題ありません。いまこの一瞬だし、再びここに来ることはないでしょうから」と言っていました。

この話があるので、先週福島原発が50人体制と聞いたとき、短時間で交代してしばらく近づけないのだから、現場に近づく人数はもっと少ないだろうし、同一の50人がずっと作業にあたるはずがないと思っていました。だから菅総理がなぜ50人だけ残して退去するんだと怒鳴ったとか、英雄フクシマフィフティーズとかいう新聞記事を見たとき、英雄の数は実はもっと多いのに、とため息をついたものです。

ついでに言えばシーベルトとベクレルの違いの説明、これよりこちらの方が正しいですね。正しい知見を得て欲しいと思います。

私の専門は原子力とは関係ない量子情報ですが、「中性子は粒子なのに干渉する!」という研究のためにこの原子炉を使っている研究者と懇意だったのです。それで上に書いた程度の知識があるわけですが、それでも誰かみたいに「俺は原子力に強いんだ!」などと言うつもりはありませんね。
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非常用電源やポンプ

2011-03-15 12:01:43 | サイエンス
を津波の影響を受けない高い所に設置することを、今後、世界中の原発は考えなければならないと思います。最後の手段である海水冷却のため原発はだいたい海岸沿いにあるようですが、地震のない国であっても津波は来ますから。・・・それはさておき目下の対処、頼みますよ。

ところで原子炉冷却のしくみ、CNNにあるこの解説がわかりやすいのでおすすめです。(ただし、今回2号機で自動弁が閉じてしまったとかそこで手動弁を開いたとか恐らく損傷が起きたため開弁同様内圧が下がって注水可能になったとか開弁効果が大きすぎて漏れが大きくなったとかいう解説まではありませんが。)
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期待の持てそうな研究

2011-03-05 06:43:10 | サイエンス
のニュース「レアアース使わず強力磁石~」がありました。またか、と思うかもしれませんが、2020年代実用化をめざすとあります。微粒子を固めてモーターにするまで10年と見ているわけですね。

まあ、実用化はいつかというのはいつも最もむずかしい問題です。しかしX年後と宣言して、X年経ったあと「あのとき今頃実用化すると言ったじゃないか」と責めるほど覚えていてくれる人がいないのが普通で、それはある意味寂しい(幸い?)です。

それにしてもこの教授の姓名、そのまま研究室略称になります・・・
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先日、大学教育

2011-02-13 04:19:17 | サイエンス
に関する研究会に出ました。義務で参加したのですが、実は意外と興味深い知見が。今日はその一例を紹介します。

ある学生の平均点を横軸にとり履修届を出した科目数を縦軸にとると一点で表されますが、学生多数だとその散布図が得られます。この散布図(某大学の某学部の例)が紹介されたのですが、まるで天文の主系列星と巨星系列の図のように、二すじの系列があるのです。一つはすぐわかるのですが、卒業要件の単位数よりちょっと多めに履修届を出す人が多いわけですから、成績に関係なくその履修数のところに横長のベルトがあります。ところがその上方に、「たくさん履修届を出す人ほど成績が悪い」という明らかな負の相関を示す左上がりのベルトがあるのです。このベルトは右下がりで下りてきて先ほどの横長ベルトと右端で出会い、そこはトップクラスの学生達のたまり場になっています。この左上がりのベルトは「あまりいろんな授業をとると勉強し切れないから試験の成績は上がらないぞ」とも解釈できます。

このことから、「履修届の科目数を制限した方が成績は上がるだろう」という施策が考えられます。それを「Cap制」と言うのだそうです。現にそれを採用している大学や学部も少なくないらしいのです。この一見当を得ているように見えるCap制には、あにはからんや、反対する意見も強いのだそうです。

実はこの話を聞いた瞬間、私も「Cap制なんてとんでもない」と思ったのです。だから反対意見も多いと聞いて、「そーでしょー」と思ったのです。ところが・・・同じく反対でも、その理由たるや全く違うことが、そのあとの話ですぐわかったのです。

まず私の反対理由から言います。私は、専門化しすぎて狭くならないよう、学部ではいろいろなことを勉強すべきだと思っています。Cap制はこれに逆行する。だから反対なのです。授業に出ず独学でもかまいませんが、いろいろなことを勉強したいというときに「それはひかえなさい」と言われたら(結構それに近いやりとりも高校のとき教師としましたが)私はふてくされていたかもしれません。自分が学生のときにCap制がなくてつくづく良かったと思います。

では、これと違う普通の反対理由とはなんでしょう? これです。
「そもそもなぜこのベルトが左上がりかというと、必要単位数をとろうとしてとれない学生は、『じゃ次はこれ取ろう』と次々と履修届を出すからで、それは仕方がないのだ。その手段も奪ってしまうCap制を強行したら、卒業要件を満たせない学生が増えてしまう」

はぁ、そういう理由ですか。一理ありますね。ま、どっちにせよ、Cap制はよろしくないのではないでしょうか。
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はやぶさ微粒子分析

2011-02-02 22:47:55 | サイエンス
の"様子"を報道陣に公開というニュース。「結果は3月上旬に米国で開かれる月惑星科学会議まで話せない」だそうです。なんなんだこのニュースは。でも楽しみですね。一ヶ月さきの話ですが。
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修士論文の廃止?

2011-02-01 07:54:02 | サイエンス
信じがたい提言のニュースですね。これが本当なら中央教育審議会たるもの、これ以上日本の将来を危うくする奇妙な提言はやめてもらいたい。修士論文を書くことでどれだけ学生が伸びているのを見ていることか。たとえ関係ない分野に職を得たとしても、その経験が「専門バカになってマイナス」なわけがない。

基本的には専門バカを避け社会に役立つ人材を輩出したいということのようですが、問題は修士時代の2年にあるのではありません。卒論→修論→D論(→ポスドク)のステップアップの中で、最低一回は研究室または大学を変わること。これを条件に付けることの方が重要です。ただし全ての矢印で変わることは何かをちゃんと身に付けるためには勧められませんが。

もちろん、分野に依るでしょう。記事だけでなく答申自体を詳しく読まなければならないと思います。初等から高等教育までキャリア教育充実などいい提言もあるのに。
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裸眼3D液晶テレビ

2010-12-23 11:52:03 | サイエンス
が明後日の25日発売というニュースですが、興味あります。いや買うことにでなく性能に。NHKで裸眼3Dテレビを実際見た限りでは、ちゃんと見える視聴位置や顔の角度がすごく限られていたので。売り物になるくらい改善されたということか?
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超新星爆発の残滓

2010-12-20 00:43:19 | サイエンス
をハッブル望遠鏡がとらえた写真があります。これです。

時事通信のニュースの見出しは「宇宙に浮かぶ『赤いシャボン玉』」です。元の「bauble」の意訳でしょうが、なかなかしゃれています。

でも解説の「地球から16万光年離れた大マゼラン銀河で約400年前に発生した超新星爆発の残骸」となっていますが、これはちょっと・・・NASA/ESAの原文はきちんと「With an age of about 400 years, the supernova might have been visible to southern hemisphere observers around the year 1600…」となっていますが。
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