心の糧（１）

　幸せな人間とは、ある環境に置かれた人間ではなく、
　むしろ、ある心構え、ある姿勢をもった人間である。
　（ヒュー・ダウンズ/「あなたに贈る希望の言葉」/バーバラ・ミロ・オーバック・著）

いつも待っていた
いつも頼っていた
しあわせにしてほしかった
でも
しあわせになる資格が自分にはないかもって、
そんな風に思ってて、わたしはさみしかった

天の神からじゃなかった、
心の目を開いてくれたのは…人間だった…
アダムの子ら、罪人であるとかいう人間だった
「私は眠り夢見る、
　生きることが喜びだったら…と。
　私は目覚め、気づく、
　生きることは義務だと。
　私は活動する…するとごらん、
　義務は喜びだった」

あなたはだれ？　義務ってなに？　
「生きること、それが義務です」。

誰に義務があるの？
生きて悲しむことに何の意味があるの？

「あなたの命に対して、あなたの人生に対して義務がある。
　人生に要求してはならない。人生があなたに要求しているのだ。
　あなたはカルト団体の親の子として生まれた。
　大人になりきれていない未熟な親の元に。
　彼らはあなたを彼らの傀儡とみなす。
　彼らはあなたの人生を使って自分の野心を果たそうとする。
　あなたはふかく傷つくだろう。
　あなたが生れ落ちたその環境で、あなたはどう生きる？」

こんな運命の中で何ができるって言うの？
もっとふつうの家庭に産まれたらよかったのに。

「人生に要求をしてはならない。
　人生があなたに要求しているのだから。
　あなたはあなたの不満の理由を取り除け。
　そのときあなたは大空のように広々とした解放感を知るだろう。
　それが幸せだ。
　そのときあなたはさらに意欲が湧き上がるのを感じる。
　そのインスピレーションのような意欲を追え。
　たった一度限りの人生、人間にのみ与えられた、大脳の欲求を満たす喜び、
　精いっぱいたのしめ。
　人間という人生を与えられた幸運をむだにするな」

ありがとう、エミール。
そうよね、生きる喜びは環境にかかっているんじゃない、
自分にかかっているんだ。
立ち上がって、背筋をのばそう。
すると、ほら、気持ちがふっきれた！
どんよりとしていた心の曇り…
でもほら、裂け目から陽の光が差してきた。

あの光の下まで、追いかけよう、
わたしが望んでいる自由がきっとそこにあるから。
待っているだけじゃ何もかわらない。