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Luna's “ Life Is Beautiful ”

その時々を生きるのに必死だった。で、ふと気がついたら、世の中が変わっていた。何が起こっていたのか、記録しておこう。

「もやい」ピンチ 後援社破産、ホームレス支援困難

2008年10月20日 | 一般
以下、「『もやい』ピンチ 後援社破産、ホームレス支援困難」というニュースとこのニュースを伝えてくれたKさんのコメントです。転載させていただきます。

最初はKさんのコメント。続いて報道記事です。



【Kさんのコメント】
……………………………………………
「もやい」が活動継続していけるかどうかは、単に「東京の『もやい』がどうなるのか」という以上の意味をもっていると考えます。

記事中には「1口5万円」とありますが、資金カンパは、たとえ少額でもないよりはマシでしょう。

ここに記載された ゆうちょ銀行口座とは、(記事にもあるように)郵便振替口座です。郵便局の機械から(数千円程度なら)80円の手数料で振込ができます。

振替口座00160-7-37247。口座名は「自立生活サポートセンター・もやい」。

……………………………………………




【報道】

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■「もやい」ピンチ 後援社破産、ホームレス支援困難(中日新聞  2008年10月5日)
http://www.chunichi.co.jp/article/national/news/CK2008100502000059.html


 ホームレスやネットカフェ難民などの生活困窮者を支援する特定非営利活動法人(NPO法人)「自立生活サポートセンター・もやい」(東京都新宿区)の活動が、主力だった後援企業の破産で窮地に立たされている。活動の危機を乗り切るため、もやいはカンパなどを募っている。

 破産したのは不動産会社「リプラス」(東京)。もやいのアパート入居支援活動に賛同し、2006年4月から、1人6カ月分の家賃保証と、もやいに毎年約1300万円を寄付してきた。もやいは、生活困窮者の自立のため、賛同する会員が連帯保証人となって、アパートに入居できる支援を続けてきた。湯浅誠事務局長(39)は「住居の確保は人間らしく生きるための最低限の基盤」と話す。

 しかし、リプラスは米サブプライムローン不況などの影響で経営が悪化。9月24日、破産手続きを東京地裁に申し立てた。もやいは年間予算の約40%を失うことになる。

 残る収入は一般の人や企業からの寄付、会費、連帯保証人申込者の保証料(1人2年間8000円)になる。元生活困窮者ら6人を有給スタッフとして雇用しているが、人件費の削減が避けられない。

 泊まるところのない相談者のために、一時宿泊所として借りていたアパートの部屋も手放さなくてはならなくなるという。

 もやいに連帯保証人になってもらい、アパートに入居できたのは首都圏を中心に約1350世帯に上る。

 ネットカフェや個室ビデオ店などで寝泊まりしている人の場合、日雇い労働などで収入があっても、保証人がいなかったり、まとまった蓄えがないために敷金・礼金などが払えず、アパートを借りられないというケースが多い。現在も毎月約100件の生活相談がある。

 湯浅事務局長は「支援企業を探しているが、当面の危機を乗り切るため、緊急のカンパをお願いしたい」と話している。

 カンパは1口5万円。振込先は、ゆうちょ銀行振替口座00160-7-37247。口座名は「自立生活サポートセンター・もやい」。



◆「何とか続けたい」理事長◆

 「もやい」は2001年、ともに東大出身で塾講師だった稲葉剛理事長(39)と大学院生だった湯浅事務局長が立ち上げた。

 当初は、ほとんど2人が生活困窮者の連帯保証人となってアパートを借りていた。03年、NPO法人となり、生活保護申請のサポートや生活相談なども行っている。アパートに移った人が孤立するのを防ごうと、交流の場となるカフェも運営。元ホームレスの人らが焙煎(ばいせん)するコーヒーの提供、販売などを行っている。

 稲葉理事長は「投資で利益を求めた米金融機関の破たんの影響がこうして一番弱いところに出て来てしまう。景気後退で相談者はますます増えており、何とか活動を続けたい」と訴える。

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東本高志@大分
taka.h77 at basil.ocn.ne.jp

こちらから直接転載。

こちらから情報入手。




※「もやい」については、
① 「反貧困・すべり台社会からの脱出」
② 「貧困襲来」
…の2冊の図書をぜひお読みになってください。両方とも著者は「もやい」代表の湯浅誠さんです。
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わたしたちに迫られている戦いは…

2008年10月19日 | 一般
「メディアは寡占されており、富は少数の人びとに集中している。
…(略)…
「われわれが読み、目にし、聞くものの90%は、実にたった五つの企業によって支配されており、好ましいことではない」

(テッド・ターナー/CNN創始者、メディア企業AOLタイム・ワーナー筆頭株主)




米国メディアは、国内と国外で報道する内容を明確に区別していた。2003年5月29日付の「ニューヨーク・レヴュー・オブ・ブックス」紙において、マイケル・マッシングは「米国とそれ以外の世界に対し、別々の報道を」したと証言している。CNNの場合、この情報の乖離は、同社幹部の決定によって戦争が始まる数ヶ月前から準備されていた。さらにマッシングによれば、米国のケーブルテレビ放送局が、可能な限り愛国主義的になろうと互いに競い合ったという。

英国のニュース番組を見たあと、マッシングは「米国のニュースは不快だと感じた。私のホテルではMSNBC局(どういう放送局なのかよく分かりません…)が常時放映されているようで、いやに感傷的で息苦しいような激賞がされていることにひどい衝撃を受けた。キャスターたちは概ね米軍の勇気と大胆な行動について詳しく話すだけだった」と指摘する。



(「反ブッシュイズム2・終わらない戦争」/ アンドリュー・デウィット・金子勝・著)

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アメリカ大統領選は、イラク撤退では盛り上がりを欠きますが、経済危機の論点でようやく盛り上がりを見せ、オバマさんが人気をリードしているそうです。日本では麻生新首相が、依然、日米同盟優先の政策を取りつづける意向を明らかにし、米軍への給油活動を継続させようとしています。貧困を生んだ小泉「構造改革」の負の遺産のために自民党が選挙で大きく後退する可能性が認識されているにもかかわらず、企業利益最優先の政策から、セーフティネット拡充へという議論ははかばかしくありません。

人殺しのための政策にお金をつぎ込み、国民の生命と財産、基本的人権と生存権を保証しなければならない憲法上の義務を全く果たそうとしない、この矛盾。そしてそういう政府を、タメ口を聞く石原都知事や麻生新首相のようなひとを、諸手をあげて支持する国民のおぞましさ。イラク関連法には国民は賛成する人のほうが多いという、新聞社の調査を見るたび、人間のだまされやすさという欠点に深い憤りを覚えるのです、わたしは。

TUPニュース配信で、来年に刊行予定のイラク関連の本が紹介されていました。欺くのではなく、事実を知らせないという方法で国民をだまし続けてきたマスコミの責任はおもいきり重いです。しかし、米国ではイラクから帰還した兵士たちの口から、マスコミが隠してきた情報が漏れ出しています。ところが、そういう証言はいまだにアメリカでは抑制され続けるのだそうです。まさにアメリカは末期的な社会状況にあるようです。まるで戦前戦中の日本やドイツのようですね。

イラクの現地を取材してこられたフリー・ジャーナリストの土井敏邦さんは、こんなふうに書きました。

「『テロとの戦争』『テロリストの駆逐』という名目の下で行われる民間人殺害や人権剥奪に、世界は大きな非難の声をあげることもしない。『テロとの戦争』という大義名分があれば、どんな殺戮も人権侵害も免罪されている空気が今、世界を覆っている。

しかし圧倒的に強大な軍隊の空爆と砲撃による七百数十人もの、しかもその半数を女性と子どもが占める住民の殺害は “テロ” 以外の何ものでもない。アメリカという国家によって行われたテロを、世界はなぜ “国家テロ” としてきちんと糾弾しないのか」(「米軍はイラクで何をしたのか」/ 土井敏邦・著)。

アメリカには協力しておいた方がいい、というのは企業の論理です。アメリカの力添えによって利益をあげようとするのです。いえ、アメリカの方も、武器販売のおいしいお客さんとしての日本を巧妙につなぎとめているとも言えるでしょう。

米軍協力に使命感を燃やす前に、米軍に協力するということは、どんな罪に手を染めることになるかを知る必要もあるのではないでしょうか。イラク帰還兵の証言を聞くのは米軍追従路線にきっと波紋を投げかけるものになるのではないでしょうか。そんな期待をこめて、TUPニュース配信のこの号を転載することにしました。ブログ記事としてはちょっと手抜きですが、内容はじゅうぶんに重いものとなる、そいう自負はあります。


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ダール・ジャマイルが解説する『冬の兵士証言集──イラク・アフガニスタン帰還兵が明かす戦争の真相』(ヘイマーケット・ブックス、2008年9月刊) : 訳 福永克紀 / TUP冬の兵士プロジェクト

イラク戦争の本:「この人をチリヂリの肉片に吹き飛ばしてしまった」
インター・プレス・サービス(ISP)
ダール・ジャマイル





【テキサス州マーファ、9月16日】

米軍がイラクで実際に何を行なっているのかを知っているのは、イラクの人々を別にすると、米兵自身に他ならない。1冊の新刊書が、米国の占領がイラクにもたらした惨状を、兵士たち自身の言葉で生々しく詳細に説明してくれる。

『冬の兵士証言集──イラク・アフガニスタン帰還兵が明かす戦争の真相』[仮題]は、米軍がイラクに対して、また自国兵士に対して行なってきたことを記録した歴史的な本である。

反戦イラク帰還兵の会(IVAW)およびジャーナリストのアーロン・グランツによるこの本は、2008年3月13日から16日にかけてメリーランド州シルバースプリングの全米労働大学で行なわれた公聴会の証言集だ。




「通りがかりのひとりの女性のことを覚えています」と、イラクに3度派遣された合州国海兵隊伍長ジェイソン・ウォッシュバーンは証言した。「大きな袋を持っていて、こちらに向かってくるように見えた。で、私たちは彼女に向けMk19自動擲弾銃をぶっ放したのです。そして粉塵が収まると、その袋には食料品がいっぱい詰まっていただけだと分かりました。彼女は私たちに食べ物を届けようとしていた。それなのに、私たちはこの人をチリヂリの肉片に吹き飛ばしてしまったのです」。




ウォッシュバーンが証言したのは、イラクでの交戦規則について討論する分科会だった。交戦規則がいかに緩く、実質的に存在しないも同然にまでなったかを証言した。

「私が3回派遣されていた間、交戦規則はたびたび変わりました」と、ウォッシュバーンの証言は続く。「脅威のレベルが高いほど、凶暴に反応することを許可され、また期待されるのです」。




間化、民間人の証言、軍隊内の性差別、帰還兵の医療サービス、軍隊の崩壊に関する分科会が、この本には取り上げられている。それぞれの分科会で証言した全員と同じく、切々と訴えるように証言したウォッシュバーンは、他の兵士たちが度重ねて指摘した問題を提示した。

「そのほかにも、ほとんど暗黙の了解のもとで勧められていたことがあります。証拠として残していくための武器を持参することです。3度目の派遣時にはシャベルを持参することになりました。つまり、武器かシャベルを常に持参していれば、うっかりと市民を撃ち殺してしまった場合に、ただその武器を死体の上に放り投げておくだけで、彼らを反乱分子のように見せかけることができるからです」と、ウォッシュバーンは証言した。




4日間の心を焦がす証言を筆者もこの耳で聞いたが、それをまとめたものがこの本であり、読み通すのはむつかしい。次々とめくるページに溢れているのは、イラクで何が行なわれているのかを語る兵士たちの衝撃的な話だ。死体の「戦勝記念」写真撮影から拷問や市民の虐殺まで、あらゆることが含まれる。

「この戦争で何が起こり続けているのか、戦争とはいったい何なのか、その歴史的記録を作り上げようとしているのです」と、グランツはIPSに語る。

イラクに1年派遣された陸軍第82空挺師団の兵士ハート・バイジェスは、無線命令の話をする。

「一度などは、すべてのタクシーを攻撃しろというのです。敵はタクシーを輸送手段にしているという理由からです…(中略)…スナイパーの一人が『失礼ですが、聞き違いでしょうか? すべてのタシーを攻撃するんですか?』と聞きかえすと、中佐が『そうだ、兵隊さん。すべてのタクシーを撃つんだ』と応答しました。そのあと、すべての部隊が車という車に撃ちこみ、町は火だるまになった。これが、自分のはじめての戦争体験で、その後の部隊の展開は全部、ほんとうにこんな調子になってしまいました」。




シリア国境に近いイラクの町カイムで1年を過ごした海兵隊ライフル兵ビンセント・エマニュエルは、目標識別することもなく町中で弾倉が空になるまで撃ちまくること、死体の上をハンビー[軍用高機能多目的装輪車両、別称ハマー]で踏み潰して走ったり、停車して死体の「戦勝」写真を撮ったりすることを話した。

「イラクで頻繁に行なわれているのは、通りすがりの車を手当たり次第に射撃することです」と言う。「これはたまたま起こった事件などではありません。私たちが配備されていたほとんどの期間おこなわれていたことです」。




IVAW事務局長ケリー・ドーアティーは、イラクにおける米兵の行いの責任は米国政府の政策にあると言う。「占領下のイラクとアフガニスタンでおかされる数々の悪行は、軍の『一部の腐敗分子』のせいなどではなく、米国政権の最上層部で綿密に練り上げられた政府の中東政策の結果なのです」と、彼女は語る。そのことを理解したからといって、証言で明らかになった情緒的倫理的な荒廃のひどさが薄らぐものではない。

「白旗を掲げたやつが、ただゆっくりと近づいてきて命令に従ったら、それはトリックだと思え、殺すんだ」とは、ファルージャに侵攻する前に所属大隊の法務士官から受けた命令だと、マイケル・ルダックは証言した。ルダックは海兵隊伍長であり、2004年の米軍によるファルージャ侵攻に参戦した。




この本は、特に合州国の一般の人々にとって価値がある。なぜなら、この「冬の兵士」証言は、ワシントンポストが首都圏ニュース欄に埋め込んだ小さな記事を除けば大手メディアが一切報道しなかったからだ。ニューヨークタイムズやCNNも、全国ネットABC、NBC、CBSも完全に無視した。



元海兵隊員のジョン・ターナーが述べた事実に照らせば、これは特に重要だ。

「従軍レポーターが同行しているか否かで、私たちの行動は極端に変わりました。彼らの前では別人のように振る舞った。常に規則正しく行動し、なんでも教科書どおりにした」。

「私にとってこれは、戦争とはどのようなものであるかを描くことなのです」と、グランツは言う。「というのも、ここ米国ではこんなにも全く浄化されてしまった戦争の話しか与えられていないからです。しかし、戦争というものは、武装した人間の大集団が他の人間を大量に殺害することです。帰還兵の証言を読むことで、人々はその実像を知ることができる。それが戦争の本当の顔なのです」。





この本では、兵士たち自身の間化の問題も取り上げられている。また、性差別や、人種差別や、帰国後に退役軍人省の医療サービスがなかなか受けられない兵士たちの窮状なども含まれている。

同時に、イラク人に対する間化の証言もたくさんある。海兵隊伍長のブライアン・キャスラーは、これについて自身がイラク侵略中に目撃したことのいくつかを証言した。

「これらの車列では、海兵隊員が軍携行食の袋のなかに排便したりビンに小便したりして、道端の子供たちにそれを投げ与えているのを見ました」と、彼は証言した。多くの兵士たちが、「ハジ」とか「ターバン頭」とか「砂漠のクロンボ」などとイラク人をさげすむ言葉が米軍内に蔓延していると証言した。




2005年から2006年までイラクに派遣されたスコット・ユーイングは、部隊が意図的にイラクの子供たちにキャンディを与える理由が、その「心をつかむ」ためだけではないことをある分科会で認めた。

「また別の動機もありました」と、ユーイングは言う。「子供たちが車の周りにいれば、敵対分子も攻撃してこない。私たちは子供たちを人間の盾に使っていたのです」。




グランツは、普通の米国市民がこの本を読むには困難が伴うだろうと認める。そして、いったい何がこの兵士たちに歴史的な証言をさせたのか、それを心に留めて読むことが大切だと確信している。

グランツは続けてIPSに語る。「彼らは英雄であり続けることもできたでしょうに、そうはしなかった。かわりに今ここでもっと英雄的なことを行なっているのです。真実を語るということを。彼らは名乗り出る必要などなかった。でも名乗り出ることを選んだのです」。






『冬の兵士証言集──イラク・アフガニスタン帰還兵が明かす戦争の真相』[仮題]

Winter Soldier: Iraq and Afghanistan: Eyewitness Accounts of the
Occupations, by Iraq Veterans Against the War, edited by Aaron Glantz,
(Haymarket Books; September, 2008).
http://www.haymarketbooks.orgMerchant2merchant.mvScreen=PROD&Store_Code=Haymarket&Product_Code=HMWS
http://www.amazon.com/Winter-Soldier-Afghanistan-Eyewitness-Occupations/dp/1931859655

[岩波書店より来年刊行予定。

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小泉さんの時代から麻生さんにいたるまで、「テロとの対決」というスローガンはほとんど自動的に支持を受けてきた観があります。でもアメリカこそテロリストであるというより正確な視点は失わないようにしたいですね。

日本にはテロ対策協力よりももっと重要なことがあります。ほかならぬわたしたち自身の生存が脅かされている、ということが現実となっているのです。わたしたちがしなければならない「戦い」は米軍とともに行うテロリズムではありません。目の黒い人たちはすでにその戦いを始めています。



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われわれは反撃を開始する。
若者を低賃金で使い捨て、それによって利益をあげながら、若者をバッシングするすべての者に対して。

われわれは反撃を開始する。
「自己責任」の名のもとに人々を追い詰める言説に対して。

われわれは反撃を開始する。
経済至上主義、市場原理主義の下、自己に投資し、能力開発し、熾烈な生存競争に勝ち抜いて、勝ち抜いて、勝ち抜いて、それでやっと「生き残る」程度の自由しか与えられていないことに対して。



フリーター200万人、パート・派遣・請負など、正社員以外の働き方をする人は1600万人。いまや日本で働く人の3人に一人が非正規雇用だ。24歳以下では二人に一人(の割合)。なぜか?

それは若者に「やる気がない」からでも「だらしない」からでも「能力がない」からでもなんでもない。ただ単に、企業はカネのかかる正社員など雇いたくないからだ。好きなときに使い、いらなくなったら廃棄し、それによって人件費を安く抑え、利潤を追求したいからだ。「国際競争に勝つ」ためなら、若者の未来が奪われようと、食えない賃金であろうと、不安定な働き方で心を病もうと、ホームレスになろうと、そんなことはどうでもいいからである。




わたしが言いたいのは、ただ生きさせろということだ。ただ生きる、そのことが脅かされている国で、いったい誰がマトモに生きていけるだろう。

生きさせろ。
できれば過労死などなく、ホームレスにならずに、自殺に追い込まれることなく…、

そして…できれば幸せに (…生きさせろということだ)。

なんか間違ってるか?



(「生きさせろ!」/ 雨宮処凛・著)

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いったいイラクがいつ、日本を攻めてきたでしょうか。北朝鮮が日本に先制攻撃を仕掛けた歴史的事実がありますか? 中国は? 韓国は? 先制攻撃をしかけたのはむしろ日本のほうではありませんか。

いまや日本は自国の労働者に対して法律によって、絶滅戦争を仕掛けています。いまのところ、こうした官=財のタッグによる文字通り「搾取」はもはや憲法違反のレベルです。しかし、この憲法が変えられると、「搾取」が搾取でなくなり、合憲になるのです。しかも現行憲法は今、風前の灯という状況にあります。決して息を抜くことのできないきわどい戦況にわたしたちは置かれているのです、好むと好まざるに関わらず。

全国の労働者、そしてプレカリアートたち。働く女性たち、子どもを重荷に感じさせられているお母さんたち、もう決して食べてゆくことのできないお年寄りの皆さん。ほんとうの敵を見分けましょう。敵はアメリカ政府とマスコミの作りあげたバーチャルなテロリストじゃない、今目前に見ている官僚、財界人です。彼らに対抗できるのは、そう、政治家なのです。もう地元のしがらみをも棄て、会社のしがらみも棄て、イケメンに惑わされることなく、べらんめぇ調のタメ口に強さを感じたりしないで、ほんとうの強さは誠実さを実践する意志にあるのですから、みなさん、今度の選挙では、政治屋ではなく、政治家を選びましょう、厳選しましょう、わたしたちが安心して生きるために!
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消費税増税路線への違和感

2008年10月06日 | 一般
まずはじめに最近の新聞記事を見てください。

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消費税:11年度までに10%に 経団連が提言


 日本経団連は2日、09~11年度の3年間に実施すべき具体策を盛り込んだ「税・財政・社会保障制度の一体改革に関する提言」を発表した。増大を続ける社会保障費の財源として、消費税率を現行の5%から10%に引き上げることを提案。中低所得者層の負担を緩和するため、5年程度の時限措置として年間2・5兆円規模の定額減税の実施を求めた。

 社会保障費の財源について「現役世代に過度に依存する方式を改め、国民全体で広く支えるべきだ」と指摘。消費税の引き上げ時期は10年度か、遅くとも11年度までとし、「中長期的には消費税率が欧州主要国並みになるのは不可避」と、さらなる税率引き上げの必要性にも言及した。

 増税に伴う負担軽減策として年収500万円以下の世帯を対象に、1世帯当たり10万円程度の定額減税を実施するよう主張。食料品などは消費税率を現行の5%に維持することも検討すべきだと提案した。

 一方、日本商工会議所は同日発表した提言で、社会保障費の財源について「行財政改革で歳出削減を図るべきで、安易な増税には反対」との立場を表明。「消費税の引き上げは、中小企業の売り上げ減少などの懸念を払拭(ふっしょく)することが大前提」とくぎを刺した。【谷川貴史】


毎日新聞 2008年10月3日 東京朝刊

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福祉に限らず、暮らしに必要なサービスを国から受けようというのであれば、わたしたち国民全体でその費用を賄わなければならない、これはよく理解できます。少子高齢化が進む日本ですから、税の負担が増えるのは当然です。むしろわたしたち国民の方が、もう昭和30年代以降のような時代へは戻れない、ということを理解する必要はあるでしょう。それも理解できます。

しかし、消費税にはいわゆる「逆進性」、低所得者層への負担が大きくなる、という性質があり、防衛費にたくさんお金を使うくせに、その防衛費の出所であるわたしたち国民の暮らしが切り捨てられるという現実にはまったく納得が行きません。また、そもそも労働による所得さえ不安定になっていっています。安定雇用が崩壊して、収入がどんどん減って行っているのに、そこへ消費税増税となると、もう生きていけません。一度なにか大きな病気をしたら、それで地獄行きなんて、ぜったい納得できません。

ヨーロッパはたしかに消費税率は高いですが、しかし、非課税品目や軽減税率などがきめ細かく整えられています。あの貧富の格差のひどいイギリスでさえ、食料品は完全非課税です。また、ヨーロッパの消費税は福祉目的の税ではないそうです。ヨーロッパの高福祉は消費税によって支えられているのではない、ということです。

「ヨーロッパ各国の社会保障財源の内訳を見ると、どの国でも、
①企業など事業主の負担する社会保険料、
②個人が負担する社会保険料、
③税金
…の三つがおもな財源となっています。税金の一部に消費税が含まれてはいますが、財源全体の1割前後に過ぎません。むしろヨーロッパでは、企業などの負担が大きいのです。日本経団連など財界は、『企業の負担を増やすと国際競争力にマイナスだ』といって、消費税の増税と企業負担の軽減を主張していますが、ヨーロッパの企業に比べたら、欧文の負担をしているとはいえません」。(「なぜなぜ問答・庶民大増税」/ 日本共産党中央委員会出版局・発行)

あきらかに日本経団連の提案には不公平があるのではないでしょうか。さらに、「中長期的には消費税率が欧州主要国並みになるのは不可避」という言い分に対しても、このような反論を述べる学者さんもいます。

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仮に、財源論として増税が避けられない場合、その税源としては消費税しかないのであろうか。しかし、消費税には、致命的な欠陥としての逆進性がある。つまり低所得者ほど、税負担が相対的に重くなってしまうのである。財務省もこの点は認めている。

その意味で、この税制は憲法14条の平等原則に反する要素が強いが、それでも導入できたのは、消費税導入時点では日本のジニ係数(※) が低く、国際的に平等度の高い国だったからである。「日本は国際的に見て非情に平等度の高い国になっているので、一律に負担する消費税を導入しても大きな問題は起こらない」というのが、当時の導入根拠の一つであった。


それから、18年後の今日、ジニ係数は高くなる一方で最高値を更新し続け、格差社会と言われるようになった。格差・高齢化社会に消費税増税は適合しないのではないだろうか。

…(中略)…

いずれにせよ、…ある年度の所得の少ない者が、所得の高い者より相対的に税負担が重くなること自体は否定できない。アメリカもそれを否定できないがゆえに消費税を導入していない。


そうであれば、消費税増税に際しては消費税の枠内で負担逆進性を緩和する措置(例:生活必需品軽減措置など)を導入するか、あるいは、消費税の枠外で、たとえば、所得税法のなかに低所得者向けの消費税額控除の導入などを検討する必要がある。また、このような措置が税制上好ましくないのであれば、税制全体のなかで公平を図り、消費税増税に応じて、その逆進性を薄めるために所得税の累進税率を復活させるような仕組みが必要になるはずである。



さらに気になることがある。消費税制度の下では、正規雇用よりも外注が有利になる。正規雇用をして人件費を払っても消費税は軽くならないが、外注にすると、その支払い分が仕入れ税額控除の対象となり、消費税の節約になるからである。消費税導入後の派遣会社の増大、正規雇用の減少が、この消費税のシステムと連動しているのではないだろうか。

消費税増税がこのような傾向を加速するならば、格差社会は拡大する。それにもかかわらず、財政逼迫を理由に増税しろというのであれば、従来以上に慎重な雇用対策が必要になるはずである。

いずれにせよ、税負担は納税者に公平感を与えるものでなくてはならない。消費税増税に多くの納税者が抵抗を示すのは、その先に公平な税制や公正な社会への道筋が何も示されていないからである。





(※)ジニ係数。
所得分配の不平等さを測る尺度。0から1のあいだの数値を取り、1に近づくほど不平等度が高くなります。半分の0.5ならば、その社会は所得分配のかなり不平等な状態にある、となるそうです。


(「消費税増税論議の前に」/ 三木義一立命館大学法科大学院教授/ 「世界」2008年4月号より)

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財務省も、消費税の「逆進性」の問題は分かってはいるようですね。

> そうであれば、消費税増税に際しては消費税の枠内で負担逆進性を緩和する措置(例:生活必需品軽減措置など)を導入するか、あるいは、消費税の枠外で、たとえば、所得税法のなかに低所得者向けの消費税額控除の導入などを検討する必要がある。また、このような措置が税制上好ましくないのであれば…



ところが、政府税制調査会は、「負担逆進性を緩和する措置(例:生活必需品軽減措置など)」の導入には「税制上好ましくない」面がある、というのです。それは…

「将来、消費税率の水準が欧州諸国並みである二桁税率になった場合には、食料品等に対する軽減税率の是非が検討課題となる。しかしながら、消費税の税率構造のあり方については、制度の簡素化、経済活動に対する中立性の確保、事業者の事務負担、税務執行コストといった観点からすると、極力単一税率が望ましい」… (「平成17年度の税制改正に関する答申(2004年11月)」より/ 「税制改革の渦中にあって」/ 石弘光・著 :石さんは2000年から2006年まで、政府税制調査会の会長を務められた方です)

…のだそうです。わたしなどは財政学などにはまったく素人ですので、理論上これで正しいのかどうか判定できませんが、一消費者、一主婦としての感想を言えば、「これって要するに面倒だからってこと?」ってツッコミたくなるんですぅ…。 

あたし、学がないからバカなんでしょうか、こんなツッコミいれちゃうのって。

この本の著者である、前政府税制調査会会長の石さんによると、「軽減税率を採用している北欧の国々を調査した私の経験から言うと、そこでの税務担当者は異口同音に、『税務行政が煩雑になり課税の公平・中立・簡素と抵触するから、極力導入しない方がいい』と忠告してくれた」らしいです。上記平成17年度答申はこの忠告を入れたのだそうです。

ふ~ん、税務行政は「課税については公平、中立、簡素」でなきゃいけないという前提があるようですね。ちょっと今回はそれを調べることができませんでした。どういうことか、これは後々への宿題にします。



またこういう「難点」もあるのだそうです。

「わが国でもしばしば主張されるが、食料品を非課税にするという案が聞かれる。非課税は往々にして完全に税負担から除外されるように考えられがちであるが、これは大きな誤りである」。(同上書籍)

どういうことかというと、消費税額というのは、税率、売り上げ、仕入れの関係が
(売り上げ×税率)-(仕入れ×税率)=税額
という式になっているのだそうです。

非課税となると、この関係式のうち、(売り上げ×税率)の項の税率だけがなくなるわけで、(仕入れ×税率)の項はそのまま税率はかかったままになるのだそうです。そうすると、食品を非課税にすると、食品を仕入れた売り手に負担がかかるのだそうです。なぜなら、「税込みで購入した品物の前段階仕入れ控除が認められないから」なのだそうです。



ふうん。
あの~、トーシロくさいツッコミですけど…、バカですいません、
その「前段階仕入れ控除」を認めたらいいんじゃないの??



いえいえ、ほんとうのキモチはこういうことらしいです。

「食料品等は消費支出の中でかなりの割合を占めているので、非課税やゼロ税率を適用すると、それによる税収減少はかなりの規模となる。ちなみに日本において、「飲食料品消費支出」が課税対象消費支出に占める割合は2001年度で約25%(「家系調査報告」総務省)である。かりに食料品等への課税を何らかの形で軽減すると、その方式に応じかなりの減収が生じることをあらかじめ予測する必要がある」。(同上書)

石さんのこの著作はけっして「お役人目線」の傲慢な書き方はされていません。むしろ、少子高齢化に伴う社会保障費増大という「危機」、莫大な財政赤字という現実をふまえて、危機意識を持って論じられています。それでも、一消費者としてはやはり、素人くさいと言われるかもしれませんが、いろいろなじめない考え方にでくわしました。まだ6章あるうちの3章しか読んでいないんですけれども、ね…。それに財政赤字については、別の見解があります。それについては別の機会に調べて書きます。今回は書きません。



税制については、たしかに改革の必要性はあるでしょう。それだけでなく、社会保障についても。でも社会保障の必要がぐんと大きくなるこれからの日本だからこそ、小泉さんのような「聖域なき歳出削減」に走るんじゃなく、いえ、削減の対象としての聖域解除に、福祉を指定するんじゃなく、必要が大きくなる社会保障のために、防衛費や米軍経費のほうを聖域視するのをやめるべきじゃないでしょうか。次回は別の話題のためにとっておきますが、その次のエントリーでは、また税のことを取り上げてみます。そのつなぎとして、おわりにこの文章を書き写しておきます。政府の使命、というか、政府の存在目的についての一文です。

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改革の方向性を論じる際、筆者が重視するのは、社会を社会たらしめる要因、すなわち「人びとの連帯」を再構築することがもっとも効率的な財政赤字の削減策だという見方である。ただし、ここでいう「効率的」という用語には二つの含意がある。

ひとつは政府の能力の問題である。従来、財政赤字が生じる理由として政府部門の非効率性が指摘されてきた。だが、公共部門の供給する財・サービスは市場の取引になじまないものか、(市場での)取引可能であっても低所得者層がその所得から排除されてはならないもので占められているため、市場基準の効率性を適用できない。

政府の究極的な目的が「統治」であることを考えれば、政府の効率性基準は 「人びとのニーズをいかに的確に充足し、社会を安定させられるか」 という国家の能力にもとづいて定義されなければならない。


もうひとつは政府の施策の有効性の問題である。ロバート・パットナムは「社会の効率性を改善できる、信頼、規範、ネットワークといった社会組織の特徴」として「社会資本」を定義し、経済や民主主義、教育、福祉、地域などを適切に機能させるためには、これら「社会資本」が人びとの生活に埋め込まれていることが不可欠だと主張した。

政府は財政活動を通じて人びとの信頼や規範にポジティブに働きかけることによって、政策を受け入れやすいものにできる。つまり、政府が果たすべき責任を適切に果たし、人びとの政府に対する選好によい影響を与えることで、期待される施策の効果を高めること、これがもう一方の効率性の基準である。

人びとのニーズを「効率的」に把握できる政府は、少ないコストでサービスを提供する。同時に人びとのニーズの充足は社会的な信頼を強化することで施策の「効率的」な実施を可能にする。人びとのニーズを的確に把握し、社会の合意を巧みに取りつける「効果的な政府」こそが財政赤字解消の本当のカギなのである。決して 「歳出の削減=効率化」 ではない。




(「本当に財政危機なのか~社会に公平さを取り戻すためには」/ 井出英策横浜国大准教授/ 「世界」2008年4月号より)

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政府は何のためにあるのか、といわれれば、市場の失敗や市場の暴走を食い止め、国民の暮らしが押しのけられてしまわないように、適宜介入することが期待されているんじゃないでしょうか。新自由主義の下、政府は小さく、小さくあるべきで、市場へは介入するべきじゃないという最近流行りの流儀に流されてしまうから、日本の国民は将来への不安にさいなまれて、現実に貧困にさいなまれているのです。

わたしたち国民もまた、選挙に対する投げやりな態度がありました。有名人が出たら自動的に応援したり、地元出身だからという理由で投票したり。今はほんとうにパラダイムの変換が必要な時代だと思います。つぎの選挙には、一度でいいから、真剣に考えて、自分たちの暮らし、自分たちの生存を守るつもりで、臨みたいと思われないでしょうか。

中ほどの引用文、三木義一先生の文章の最後に、消費税制度が非正規雇用を促進している、という指摘もありました。働くことは、糊口をしのぐことだけでなく、社会における自分のアイデンティティにもかかわる非常に重要なことです。それがこんなに蔑ろにされていていいはずがないじゃないですか。そろそろ、わたしたち国民も本気になりましょうよ、ね。

コメント (3)
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