定番の場所

というものが何によらずあるらしい。家族連れで行く場所やデートスポットなどである。ところが、私はもともと出不精で必要がなければあまり外出をしようとしない類の人間である。おまけに、人混みに出ると頭痛がおこる。そのため、どこにあろうと人が行きたがる場所に行こうと思ったことはなかった。
外は例によって暑く、セミの大合唱。こんな中ではイライラも募りやすくなる。だからいつも以上に出かけなくなってしまうのであるが、どうしようもなければ仕方なく出て、何でこんなに暑いんだと理不尽に怒ってもぶつける相手もなく、一人で怒っているという本当にどうしようもない体たらくである。一人でいるとろくなことがないわけである。
室蘭に白鳥大橋という橋があって、海の上を通り眺めが非常にいい橋である。ところが、運転手はそれを見ることができなくて同乗者をうらやましがるしかできない。ところが、それも気の持ちようというのか心持ち次第でずいぶん変わるもので、おそらく違うフィルターがかかればそんなことはないのではないか。そんな気がする。