人力でGO

経済の最新情勢から、世界の裏側、そして大人の為のアニメ紹介まで、体当たりで挑むエンタテーメント・ブログ。

桜咲く・・・カモは渡りの季節

2013-03-08 16:53:00 | カメラ・写真
 



すっかり日差しが春めいてきました。

東京周辺でも菜の花が見頃を迎えています。

近所の行徳野鳥公園の水路脇の菜の花も

一面、黄色の花を咲かせています。



そして、何と桜も、早くも見頃を迎えています。

この桜、神津桜と言って早咲きの品種。

ソメイヨシノよりも、少し花が大振りで、色もほんの少し濃い感じ。

でも、何も知らないで見た人は「エー、もう桜が咲いている!!」とビックリします。



先週末から咲始め、本日は7分咲きといった所でしょうか?

今週末が見ごろかと。





行徳野鳥公園は、宮内庁の「新居浜鴨場」に隣接する野鳥公園です。

東京湾で鴨猟が行われていた頃には、スズガモが大挙して避難してきた様ですが、

現在では、水鳥の数は、近くの谷津干潟に比べても少なめです。

ただ、淡水が流れる水路がある為に、コガモやハシヒロカモ、

マガモやカルガモなどが観察できます。



何故かカメも沢山居ます。

上の写真はほとんどがミドリガメです。

ミシシッピアカミミカメというのが本名ですが、

家庭で飼い切れなくなったカメが池や沼や川に放たれ

各地で大繁殖しています。

在来種との交雑も確認されていて、

生態系を壊す困った存在となっています。

行徳野鳥公園や、千葉市を流れる花見川でも

ミドリガメの比率は結構高く、繁殖力が在来種よりも高いのかも知れません。

以前は東京近郊の水辺でカメを見かける事は殆ど無かったので、

カメがのんびり甲羅干ししている姿が見れるのはうれしいのですが、

外来種ばかりが増えるのは、深刻な問題ですね・・・。



行徳野鳥公園には、立派な野鳥観察舎が整備され、

野鳥病院が併設されています。

上の写真はトビですが、つい最近まで野生だったトビも

怪我をして人に手当されると、人馴れする様で、

間近に寄っても、全く驚く素振りもありません。

動物園の鳥の方が、余程野生っぽいというか・・・あれ、演技ですかね?



関東一帯の怪我をした鳥が運び込まれるので、

珍しい鳥も交じっています。

写真はフクロウですが、猛禽類はこの他にアオバヅクと

チョウゲンボウ、そしてサシバが入院中でした。

中には、手賀沼のカナダガンの様に、

人に慣れ過ぎた鳥も収容されています。

「慣れ過ぎた」とは、「人間を突っつく」という意味では無いかと・・・。






本来野生の鳥は人に対して警戒心が強いものです。

上野の不忍池で人々から餌を貰うカモ達も、

シベリアに帰ると、人影を見るだけで飛び去ってしまうそうです。

銃で撃たれる場所と、撃たれない場所を学習しているのです。

上の写真は、カルガモですが、

人影を見ると、餌を貰えると思うのか、間近まで寄ってきます。

ディズニーランドの野鳥は、カルガモもスズメもヒヨドリも

すぐ手元まで寄ってきますが、

人が鳥を脅かしさえしなければ、世代を重ねる毎に野鳥の警戒心は薄くなる様です。



桜の頃となると、カモ達はシベリアへ渡りのシーズンです。

東京周辺の水辺でも、カモ達はだいぶ北へ帰って行った様です。

上の写真はマガモのカップルですが、

シベリアで子育てをして、又来年、日本に帰って来る事でしょう。



ほとんどのカモが渡鳥なのですが、

カルガモは一年中、日本に住んでいます。

オスもメスも見分けの付かない地味なカモですが、

口ばしの先が黄色いので、マガモのメスと見分けが付きます。



実は行徳野鳥公園は「宮内庁新浜鴨場」に隣接しています。

立派な門と、庭園と建物を外からでも見る事が出来ます。

鴨狩は、天皇の行事の一つだそうです。

昔は、本当に野生の鴨を狩っていた様ですが、

動物愛護の観点から、明治時代からは、鴨は捕まえるだけで放鳥されています。

自民党の河野太郎氏のブログにその様子が載っています。

http://www.taro.org/2012/01/post-1144.php

鴨狩りの為に雇われた鷹匠が、アヒルを飼育する所から準備が始まるそうです。

鴨場の中には大きな池があり、冬になると沢山のカモが渡ってきます。

1月の鴨狩では、鷹匠達が木を打ち鳴らして、池からカモを水路に追い立てます。

飼いならされたアヒルが率先してカモ達を水路に導きます。

15本ある水路の幅は狭く、高さ2m程の塀に囲まれているので、

水路に入り込んだカモ達は、ほぼ垂直に堀の上に飛び上がって来ます。

身の重いカモは、なかなか素早くは飛び立てません。

そこを、鴨狩に参加した人達が大きなタモ網ですくい取るのだそうです。

捕獲されたカモ達は、身動き出来ない様に羽を交差した間に首を突っ込まれ、

そして、足環を付けた後、放鳥されるそうです。

そして、参加者にはアイガモの炭火焼きが振る舞われる・・。



日本の天皇は、「祝祭王」なので、こういう季節季節の行事を執り行い、

国家の繁栄を昔から祈願してきました。

世界の王族の多くが、軍事的に覇権を獲得した、

謂わば戦国武将の様な存在(キング)なのに対して、

天皇は祭祀を司る太古の王(エンペラー)の伝統を色濃く残しています。

そして、意外な事に、私の身近な行徳でも、

天皇の祭事が、続けられていたのでした。

カモ達がシベリアから帰って来る来年も又、鴨狩りは行われるのでしょう。


・・・しかし、ここのカモは学習しないのでしょうか?

それとも、カモにとっても年中行事となっているのでしょうか?