WIND AND SOUND

日々雑感 季節の風と音… by TAKAMI

秋の竹亭 1

2005-10-25 | 美味礼讃
いってきました。またしても…
うかい竹亭
どうしても、この季節、「鱧と松茸の土瓶蒸し」の季節にいきたかった!
20年来の竹亭ファンの私にとっても、この季節がいちばん好きなのよ。

前回、「朝顔につるべ取られてもらい水」をテーマとした前八寸のことを書きましたが、竹亭では、いつも「前八寸」(オードブルってな感じ)に趣向を凝らしていて、
季節を目と舌で楽しませてくれます。
今日のテーマは「お月見」
仲居さんが運んできた赤い風呂敷をほどくと大きな虫篭。
「しばし秋の虫の声をお聞きください…」
なんて演出。心に聞こえてくるのです、虫の声が…
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秋の竹亭 2

2005-10-25 | 美味礼讃
そして篭の蓋を取ると、金紙の大きな満月。その上に、卵素麺を揚げてつくった毬に入った焼き栗。毬も栗もアツアツ。雲にみたてたお皿には鯖寿司。大きな盃に品よく盛られたお月見だんごは小芋の芥子の実揚げ。菊の花びらが敷き詰められた上にあみ茸のおろし和え。そして、あずまやの中には塩煎り銀杏。
秋満載。
このお料理を、若い仲居さんが情緒たっぷりに解説してくれるのです。
そして、暫し感動しながら目で楽しませていただいたあと、てきぱきと綺麗な手つきで、銘々皿に取り分けてくれるのです。

いきなりビールが進みまくるワケです…
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秋の竹亭 3

2005-10-25 | 美味礼讃
さて、お待ちかね、鱧と松茸の土瓶蒸し。
どうってことない地味な土瓶に何の主張もなく、さりげなく入ってくるこのお吸い物が、私はものすごぉぉぉぉ~~く大好きなのです。
あ~~もうこれを何と表現したらよいのだろうか…がんばって?書いてみます。
鱧や松茸の食感が好きなんじゃなくて、この液体がいいのよぉぉ~~
秋が凝縮されている。濃いのです。味付けが濃いんじゃないよ…
そうだ。
スコッチウィスキーに似てるんだ。

「スコッチのグラスを手にとるとき、私はスコットランドの大麦畑とその上に広がる空を思い浮かべます。スコッチを飲むということは、この液体が過ごしてきた時間との出会いのような気がします。一面の大麦畑で風にそよいでいた時間、樽の中でオークの香り、さらには、幽かに香る樽の外の海の香りを嗅ぎながらゆるゆると眠っていた時間、眠りから覚めて、ボトリングされ、きれいなラベルを貼られて出会いを待つ時間。思いきり擬人法になってしまいます。こんなふうにしか書けませんのです!愛おしくて」(2005/4/3)

土瓶蒸しの場合、「今この秋」との出会いとでもいうのかな。
一期一会。秋は毎年巡ってくるけれど、今この秋は、これ限り。
土塊のような無骨なお猪口に液体を注ぐ。たちのぼる湯気とともに、秋が広がり、口にすれば秋が体中に染み渡っていく…
私にとって松茸の土瓶蒸しは、この1年の自分なりの実りを味わう儀式のようなものなんだろうな。

松茸さえ買ってくれば、お吸い物なんだし、簡単に作れそうです。…が、しかし、
やはり、これは竹亭の庭を眺めながら、ゆるゆるとした時間の中で味わうことに意義があるのです。

まだまだ宴は序の口…
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秋の竹亭 4

2005-10-25 | 美味礼讃
それから、お造りと、炊合せが続きます。
郷里香川では当たり前だけれど、東京ではなかなか出会えないぷりぷりの白身。
お友達はこれを「固い」といってました。あ~コレがほんとの新鮮な白身魚なんだよ。
炊合せは、小蕪と鴨と水菜のあんかけ…
こってり系が欲しくなった頃にさりげなく供されます。このあたりから冷酒にチェンジ。あ~幸せ。

そして、次に「甘鯛酒焼き」
炭火に網を敷いて、その上に笹の葉を乗せ、鯛を置いてその上にまた笹をかぶせ…
襖が開けられ、このお料理が運ばれてきたとき、もくもくと煙りがたちこめて部屋中がスモーキイな香りに包まれます。これも、銘々皿に取り分けられるのは、たったの一切れなんだけども。部屋中にたちこめた香りとともにいただきます。
酒焼きって、お酒をふりかけて焼くのかしら?ほのかにお酒の香りと甘さを含んだ淡白だけど深い味わいでした。

このあと、強肴(しいざかな)「和牛フィレ朴葉焼き」…そして、季節の松茸ごはん、水菓子で〆となるのです。
牛フィレ朴葉焼きは、竹亭のいわば「メインディッシュ」。どの季節も、どのコースもこれが定番なのです。ひとり用の七輪に、朴葉を乗せて、その上で味噌を絡めてお肉を暖めるのです。
お肉はもちろんウマイです。飲んべーの私といたしましては、朴葉の香りとともにふつふつしてるお味噌を舐めながらさらに冷酒をすすめる、「進肴」(すすめざかな)って感じ(^_^;)
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秋の竹亭 5

2005-10-25 | 美味礼讃
そうそう、竹亭の冷酒は「竹酒」といって、竹の筒に入って、季節の花とともにクラッシュドアイスを詰めた桶に挿して供されます。
ちなみに燗のお酒は、篭にいくつかお猪口が入ってきて、好きなお猪口を選べるのよ。バブリィな時代、私は、このとっくりとお猪口のセットを買いました。
お猪口に描かれた季節の花。お酒を注ぐと、ゆらゆら揺れて、それだけで美味しいのよ。

〆のごはんとおつゆとお新香は、くつろぎの味。…しかしこれがまた、「御家庭の味」と違う。濃いのよ、、、味付けがじゃなく、、、ほんのちょびっとの中に、凝縮されてるのです、季節が。お新香を噛むときのかりかりという音も、すべてが予定通りのシンフォニーの一部って感じ。

デザートは梨とぶとう。
梨は、薄く切ってゼリーの中にきらきらと美しく何層にも折り重なっているのでした…
最後の最後まで、こんな演出。

満足感ひたひた、幸せいっぱいの昼下がり。このあと、どうやって過ごしたらいいのでしょうか??(私は昼寝をしてしまいましたけど…)

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このブログはひとつの記事に1画像しか載せられないので、分けて掲載しました。
トップのページで上からじゅんばんに読んでね(#^_^#)
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