盛期ルネッサンスの巨人レオナルド・ダ・ヴィンチ(1452-1519/イタリア)。
三回目の今回は、不朽の祭壇画ともされる 「岩窟の聖母」(左)、本編、再登場である。
主題は、ヘロデ王がキリストの存在を恐れ、二歳以下の嬰児を虐殺するために放った兵士から逃れる<エジプト逃避>(マタイ2章13-16)の途上。
本作、本来であれば依頼者であるミラノのサン・フランチェスコ・グランデ聖堂の礼拝堂を飾る筈だったとか。
が、完成時に依頼主との間で作品の構成や報酬を巡り揉め事があり、当時ミラノを治めていたフランス王ルイ12世が仲裁したことを機に彼が献上したとされる。
ダ・ヴィンチは、本作から十年後に再び 「岩窟の聖母」(右/ロンドン・ナショナル・ギャラリー蔵)を描いているが、彼のミラノ時代の弟子デ・プレディス兄弟の手になるとする説もあるようだ。
かつて両作品を<対比>しながらもう少し詳しく投稿したので繰り返しは避けるが、何よりも際立って異なるのはルーヴル版がほぼ完成していること。
とまれ、ロンドンで対面してから三日も置かずパリで本作と対面したが、カタリナ は、ルーヴル版を 「きちんと彩色され明るくきれい」、ナショナル・ギャラリー版を 「大天使に彩色されていないが故の際立った美しさがある」と、評する。
本作を前に 「どっちもどっち」と意味不明の感想を洩らず誰かに 「なにそれ?」と呆れていたっけ。
Peter & Catherine’s Travel. Tour No.1086
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