頭の音をもじって 「い」やになるほど長いと聞いたような一月、ようやく月捲りの暦の写真が変る。
朝日新聞のコラム 「風」、“ 元気よく日本を飛び出す若者が減っている。大手旅行社の調査で、海外旅行に出た15歳から29歳までの若者がこの10年で34%も減少 ” したと書く。
ある外交官の言を借り、“ 価値観の違いを知ることが平和の一里塚。国際間の相互理解の礎になる筈の人材が細るのを案じる ” と続ける。
不況でそれどころじゃないだろうが、若い時の海外体験は将来必ず役に立つと思う。
尤も、少し品性に欠けるが、私も含めて “ パリしょん ” 程度の海外で、何ほどの価値観の違いが分かるのかと思うところもある。
さらに 「風」氏、さる教育機関の調査、“ 親が子に期待するのは 「迷惑をかけないこと」が71%と群を抜く反面 「社会に尽くす人」は最下位 ” という結果も紹介。
若者の海外離れの理由のひとつに、“ 4年前イラクで人質になった人への 「自己責任バッシング」もあるのでは”と推し量り、知日派の英国人に、“ 日本では世間に迷惑をかけることがご法度なんだ、と納得した ” と語らせている。
折しも、各地で新成人を祝う式典が行われた。
鬱屈するものを誰かの所為にしたいのは分からなくもないが、酒を飲んで騒ぐ新成人の姿が、残念なことに今年も報道された。
さも得意気に振舞う滑稽な様を眺め、我が子じゃなくてよかったと胸を撫で下ろし、「他人様に迷惑をかけないように」と願う親心、他人が斟酌することではないが、至極真っ当だとも思う。
なにはともあれ、心づくしの晴着の新成人に、こんな冬の時代だからこそファイト!、とエールを送りたい。
まあ、そういうことで睦月・一月がゆき、「に」げるほど早いという如月・二月がくる。