独りの食事、何時まで経っても慣れない。
それでなくとも味気ない食事、むっつり食べていると弥(いや)増して気が滅入る。
話は遡るが、間を置かずの腸管癒着やイレウス・腸閉塞で苦しんだ前後のこと、<花 ‐ 3月がゆく>などでうだうだと繰り言を綴ったら、食べ急ぐ癖を矯めるため、“ 一人だとどうしても早く済ませがちですがゆっくり、ゆっくりね ” とか、“ 写真を前に声に出して話しかけながら食事をされては? 意外と間がとれます、試してみて ” とか、嬉しくも<コメント>を頂いたことがあった。
二十四節気のひとつ雪が雨に変わる頃という “ 雨水 ” (2/19)も過ぎ、“ 上巳の節供、お雛祭り ” (3/3)を祝うと、暖かさに誘われて虫も這い出してくる “ 啓蟄 ” (3/6)、三寒四温、春の足音が近づいてくる。
まだ油断はならないが、今冬はイレウスもどきで大騒ぎすることなく遣り過ごせそうだ。
代わりにと言っちゃ何だが年初の検査で、腫瘍マーカに芳しくない数値が、加えて、腸カメラで部位を鮮明にするため腸壁を青く染められ、ちなみに染められたのは初体験。てしまった。
花の頃に再検査、よく言ったもの “ <石の上にも五年?>、謙遜も感謝も畏敬も足らんのや ” と思う。
風狂の作家?山田風太郎(1922-2001)が、94年から朝日新聞に連載したコラム、「あと千回の晩飯」。
古希を迎え糖尿病とパーキンソン病を得た著者、伝えんとするものは題からも窺い知れる。
その題を借りれば、病を得て千回、彼女が逝って五百回ほどの晩飯を重ねた。
あと五百回ほどもあるのかないのか? しておきたいと思うことも、しておかなければいけないこともあるが、多分、明日も明後日も晩飯に有りつけるだろう・・・と、楽観なのか臆病なのか判らないが、「明日でいいや」と<アシタニ虫>と折り合いを付け、先送りにしているうちに如月・二月の暦を捲るような・・・。
霞立つ 春日の里の 梅の花 山のあらしに 散りこすなゆめ (大伴村上/万葉集巻八-1437)
抜けるような青空が広がった日(2/21)、大谷美術館、夙川堤で大威張りに咲き競う花を撮った。
Peter & Catherine’s Travel. Tour No.939