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ペトロとカタリナの旅を重ねて

あの日、あの時、あの場所で
カタリナと歩いた街、優しい人たちとの折々の出会い・・・
それは、想い出という名の心の糧 

5月がゆく

2009年05月29日 | 季節/暦

 駅の改札口から次々と押し出されるマスク姿の集団、朝な夕な、テレビが流すその異形の様に 「ぎょっ!」とする。
 P10506672メイストームのような、インフルエンザ騒ぎのうちに5月がいく。

 

 ところで、秋頃にも咲くと聞くが、5月から6月にかけてがこの花の時期らしい。

 花とばかり思っていたら、潅木、背の低い木なのだそうで、真っ赤な糸状の花が穂状に伸びる。

 

 この木、「金宝樹」(きんぽうじゅ)と呼ぶらしく、「この季節の生け花に使うことも多いの」と、カタリナ は言う。

 

 P10506652蕾から花になった頃には控えめだった糸状の穂先が、花の時期が進むと金色の小さな球状を際立たせるようで、少し暑苦しい感じもしないでもない。

 

 近くの 「金糸梅」(きんしばい)、梅雨時に咲き、雨に映える五弁の黄色の花と葉の緑が鮮やかなコントラストを見せ、入梅が近いことを感じさせる。

 

 話を戻して 「金宝樹」、散歩の途中、公園や住宅の庭先に今を盛りと咲き誇るのを目にする。

 英名を 「ボトルブラッシュ」と言うのだそうだが、言い得て妙である。

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金色の魚はどこに? 

2009年05月26日 |  ∟ドイツの美術館

 ・現代の絵画には余り関心がなく作家の名前を知る程度。
 これまでに訪ねた美術館は、ゴシック期以降印象派までの作品を収蔵するところが殆どだった。

 

 ただ、カタリナは、フランス象徴主義のルドンは 「好きな画家」と言い、オルセー美術館のパステル画を保護するため太陽光を遮った薄暗い展示室で彼の作品を堪能したことがある。

 

 Photo_2昨秋、シ-レの 「死と乙女」、クリムトの 「接吻」、ベックリンの 「死の島」やフリードリヒの 「氷海」など出会い、彼らの 作品が高い評価を得ている訳を垣間見た。

 

 ハンブルク美術館のノイエマイスターに、スイス表現主義の奇才パウル・クレーの 「金色の魚」(写真)が架かる。

 

 この作品、海藻が繁茂する深海を舞台に、赤や紫の魚を脇役に赤い目とヒレをもつ主役が金色の光を発し、泰然とする様が描かれている。
 
胴体の文字が神秘的な雰囲気を醸し出しているが、それは、カリカチュアライズされた尊厳と孤独? (

 

 トロが期待したこの作品、広い館内をくまなく歩いたものの見当たらないらしい。
 うろうろと探す姿を見かねたのか、物腰の柔らかい女性係員が 「お手伝いができることあれば」と彼に言ってくれたらしい。

 

 02それで、走り書きをした彼の拙い絵?を見せ 「何処にありますか?」と彼女に尋ねた。
 誰の作品か即座に判ったとみえ 「貸し出し中なの」と申し訳なさそうに教えてくれた。

 

 落胆の気持ちを隠せない様子の彼と出口へ向かったが、その途中、「ちょっと!」と言ったかどうかは判らないが声が追いかけてきた。
 
振り向けば件の係員で、「ベルリーナ!」と教えてくれた。
 私たちは、今日そのベルリンから来て明日はカッセルに向かう、そのタイミングの悪さを嘆く彼を慰め、彼女に 「ありがとう」と伝えて別れた。

 

 この旅では、フェルメールの 「絵画芸術」(ウィーン)、「真珠の首飾りの女」(ベルリン)が貸し出されていて随分と悔しい思いをした。
 このようなことは旅のごとにあって、ノベッラ教会のマザッチョの 「聖三位一体
」に対面できたのは、三度目のフィレンツエの時だった。 (

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小川洋子さんの本

2009年05月20日 | 本/図書館/言葉

 今、小川ワールドに嵌っている。

 4年ほど前の「博士の愛した数式」(新潮社刊)以来、久し振りに「猫を抱いて像と泳ぐ」(文芸春秋刊)、因みに、この2冊は買った。を読んでから、図書館で他の作者の本に交え、小川洋子さんの著書を、ここ2ヶ月足らずの間に両の手の指に余るほど借りた。

  図書館のデータベースを検索したところ、この作者の作品は今までに読んだ数以上も所蔵しているよう

 P1050633blogまた、人気作家ゆえに書架に並ぶ本は少なく、全ての作品を読破するには、まだまだ時間がかかりそうだ。
 これまでに読んだ本は、買った2冊の他に13冊。

 ペトロが選んだ Best‐3 は、
  ・完璧な病室(角川書店刊)
  ・博士の愛した数式(新潮社刊)
  ・やさしい訴え(文芸春秋刊)

 カタリナは、芥川賞を得た「妊娠カレンダー」(角川書店刊)がやはり秀逸で、他の作品は同列に並ぶと評する。

 共通する評価は、全作品を通じてテーマ、構成が巧みで、優れたストーリー・テラーだということ。
 
ただ、それでなくとも近頃は、物覚えが悪くなる一方で物忘れはひどく、間を詰めて読んだせいもあってストーリと本の名前が混線してしまっている。

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ムンクの「マドンナ」

2009年05月14日 |  ∟ドイツの美術館

 エルベ川の河口、ハンザ同盟の街、ドイツ第二の都市<ハンブルク>。

 大阪にも似た少し猥雑なこの港町のアルスター湖に近く「ハンブルク市立美術館」がある。

 

 同美2術館のホームページには、“ ドイツ有数の美術館。ゴシックから現代まで、レンブラント、クロードロラン、ゴヤ、マネなどの作品が目白押し ” とあった。

 

 昨年11月の終わり、この惹句につられた訳でもないが、レンブラントとクレーとの出会いを求め、貴重な旅程を割いてベルリンから足を延ばした。

 

 この頃ドイツは、待降節の前だというのに冷気にすっぽりと覆われてしまい、各地の大雪の様子がテレビのヘッドライン・ニュースで頻繁に流れていた。

 

 Photo私達が向かったその日も、ハンブルク・アルトナ駅行きの車窓を雪が叩き、雑木林や畑は真っ白な雪に覆われていた。

 

 中央駅(写真上)に着く頃には雪も止んで青空が広がり、市庁舎広場(写真中)ではクリスマスの飾り付けに余念がない様子。

 ただ、バルト海から吹き付ける風は冷たく、駅から美術館へ続く跨線橋は残った雪が凍り、バリバリと靴が鳴った。

 

 束の間の日溜りのなかの美術館(スケッチ)は、待降節前の午後ともあって鑑賞客も少なく、ゆっくりと館内を巡った。

 

 ところで、5月9日の朝日新聞Photoに、” 傷癒えぬ「叫び」公開 " との記事があった。

 

 ノルウェーの画家・ムンクの代表作「叫び」は、04年オスロ郊外のムンク美術館から、日曜日の白昼80人ほどの入館者のいる中、わずか5分の間に覆面の二人組に強奪され、2年後オスロ郊外で傷ついた姿で発見された。

 

 修復作業にも拘らず一部の液体のシミは治せず、一緒に強奪された「マドンナ」も木枠が壊れ、穴が開いて引っかき傷も複数あったという。

 

 2同美術館は4月24日からの特別展で、強奪された作品を傷も絵画の歴史のひとつとしてありのままの姿を公開している、と記事は続く。

 

 この記事を読んで、昨年の11月、時ならぬ雪に見舞われながらベルリンから足を延ばし、ハンブルク美術館の ノイエマイスターで、マドンナ」(写真下)と、対面したことを思い出した。

 

 ムンクは、「叫び」を4点、「マドンナ」は、5点も描いているという。

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痕跡本が人気・・・

2009年05月07日 | 本/図書館/言葉

 西宮市の中央図書館。
 夙川公園を阪神・香露園駅から少し南、その昔、灘五郷のひとつとして造り酒屋が軒を並べていた酒蔵通りと交わる閑静な一角にある。

 

 Cimg4066blog実のところこれまでに図書館を利用したことは殆どなかった。

 大型書店には大概の本が並び直ぐにでも手にすることができたし、さほど潔癖症でもないのだが、誰とも分からぬ人が・・・との気持ちが利用をためらわしていた。

 

 しかし、この春に職を離れ、単行本に限らず新本の値段に思わず溜息、本屋で逡巡することが多くなり、また、晩年期に差しかかり、本も含め物を増やすことは避けなければ、との気持ちもあって図書館に足を向かわせた。

 

 ところが、本を探して借りるということ、意外に面白い。

 ページの間に菓子屑が挟まっていたりコーヒの染みがあったりもする。

 

 表紙に 「水にぬれた本」とのラベルが貼ってあったり、鉛筆で傍線を引いた箇所などもあって、これまでにどのような読み手とかかわってきたのかと想像を逞しくもさせ、新本と違った別の楽しみ面白さもあることを知った。

 

 朝日(5/7)に、“ 書き込み残る古本「痕跡本」が人気 ”の記事もあった。

 

 それに図書館では、当然のことながら望む本が直ぐに借りられる訳ではなく、書架に並ぶまで待たなくてはならない。

 予約したところで待たなければならないのは同じで、ままにならない現実もまた面白い。

 

 ただ、開館時間もあって勤め人は休日以外利用が難しく、平日の図書館、お年寄りと女性が圧倒的に多いことも知った。

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酒とバラの日々

2009年05月03日 | 日記

 さまざまのこと思ひだす桜哉 (芭蕉)

 

桜も葉にかわり、遅れて咲く山桜もいつの間にかその役目を終え、今は、つつじと花水木が競うように咲き和ませてくれる

 

花が盛んだった3月の末に職を離れ、浪人生活の開放感と迷子になったような寄る辺ないふわふわとした気持ちの狭間にいる。

最近、リタイアした高齢者のアルコール依存が増えているとのニュースを耳にする。

 

 Cimg4013blogCimg4011blog_3

それで、職を離れたのを機に、「酒とバラの 日々」(ワーナー・ブラザ ース配給)のジョー・クレイ、彼は酒好きが高じてアル中になってしまうのだが、そうならないよう自戒も込めて「ブログ」にトライしてみようと思いたった。

 

実のところ、ホームページとブログの違いもほとんど判っていないので、如何なるのか頼りないことこの上ないのだが、旅の思い出や人や街との出会いなど、折々のことを綴れればと思っている。

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