マルモッタン美術館から、モネの旅を始めた。
高速郊外鉄道・RER‐C線のブーランヴィリエ駅を出て西へ進むと、ブローニュの森へと続くラグラヌ公園が広がり、そのなかほど、マルモッタン美術館(写真上)の青い幟が見える。
10月も終わり頃の公園、これからの陰鬱な季節を前に、晴れ間を惜しむかのように子供を遊ばす女性の姿が多く目に付く。
話はそれるが、カタリナ が稽古で不在の折 「私がクマにキレタ理由(わけ)」というDVDをみた。
筋はいたって簡単、マンハッタンでキャリアウーマンまっしぐらの筈だった女子大生のアニー。
面接で、「この会社でどんな仕事がしたいの?」との質問に固まってしまい見事に挫折。
偶然、公園で出会ったセレブなマダムに、アニー (annie) をナニー (nanny) に聞き間違えられ、ナニー、ベビーシッターになってしまう。
セレブだけれども、それぞれが勝手気侭な一家と暮らすうちに、明日の自分をみつけるというお話。
プロモーションビデオによれば、ヒット作 「プラダを着た悪魔」の続編とか。
なぜこんな話を、と訝られるのも無理はない。
高級マンションが並ぶこの辺り、ラグラヌ公園に小さな子供を遊ばす女性の姿が多い。が、その殆どがベビーシッターのように見える。
よちよち歩きの子が押すカタカタ? 縁石に邪魔され進めなくなる。
傍らの若い女性、声をかけるまでもなく腕組みをしたまま面倒臭そうに、長い足でぽいとカタカタの向きを変え後は素知らぬ顔。
その割り切り振り、ベビーシッターならばこそ?
「小さい目のフランス日記」(朝日文庫刊)という本がある。
著者は朝日の記者で、この国の人々の暮らしぶりが面白おかしく書かれている。
親は裕福でも子供は質素にとか、教師と教育方法について口角泡を飛ばして論じ合うなど、日本とは随分違うなと、読んだ当時は感じた。
ただ、この本、84年の刊だが、著者によれば書いたのはその数年前のパリ事情、30年以上も前のフランス人の暮らし振り、今も、そんなに変わらないのかも?
またまた、道草をした、話をモネの旅に戻さなければ!
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