ペトロとカタリナの旅を重ねて

あの日、あの時、あの場所で
カタリナと歩いた街、優しい人たちとの折々の出会い・・・
それは、想い出という名の心の糧 

北欧のモナ・リザ

2017年12月19日 |  ∟ベネルクスの美術館

 ※ オランダ ‐ デン・ハーグ/マウリッツハイス美術館編(2) ‐ ベネルクス美術館絵画名作選(2)

 中欧美術館名作選、オランダ絵画黄金期を築いたヨハネス・フェルメール(1632-1675)の「<地理学者>」(1669年頃/シュテーデル美術館蔵)で、ひとまず終えた。
 で、“ ベネルクス美術館絵画名作選 ” の旅、そのフェルメールの傑作から出発したい。

 その作品とは、彼の最も有名な作品のひとつとされる「真珠の耳飾りの少女」、別名「青いターバンの少女」(1665-66年頃/46.5×40cm)。

 真珠の耳飾りをつけた少女、その僅かに開かれた唇が少し謎めいて見えるせいもあって “ 北欧の<モナ・リザ >” とも呼ばれている。

 漆黒というのだろうか、何の細工も施されていないように見える背景の中で光を浴びて浮かび上がり、肩越しにじっと見つめる少女、その視線の先には、一体、何があるのだろうか?

 画題になった大きな真珠の耳飾り、「<真珠の首飾りの女>」(1664年/ベルリン・ゲマルデ・ギャラリー蔵)をはじめとしてフェルメールの作品に度々現われる。

 本作では、少女の襟首が背景に溶け込む辺りにその真珠の耳飾りがあって、少女の一瞬の視線を和らげているかのようにもとれる。

 彼の作品の多くは、彼が生まれ育った町の陶磁器の色、デルフト・ブルーに彩られている。
 本作にもラピス・ラズリ、ウルトラ・マリンブルーが、少女の青いターバンに使われている。

 黒い背景の中で鮮やかに浮かび上がる真珠の耳飾りを付けた少女、その青と彼が多用する黄、光と闇、際立つ色彩と明暗の対比がこの少女を謎めかせ、見る者を捉えて離さない。
 Peter & Catherine’s Travel. Tour No.1463

 ※ 小編は、2010-03 に投稿した記事をリライト、再投稿したものです。


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