ペトロとカタリナの旅を重ねて

あの日、あの時、あの場所で
カタリナと歩いた街、優しい人たちとの折々の出会い・・・
それは、想い出という名の心の糧 

ジョット ‐ 駆け足ルーヴル(10)

2015年09月12日 |  ∟フランスの美術館

 絵画の祖とも呼ばれるゴシック絵画最大の巨匠ジョット・ディ・ボンドーネ(1267-1337)の 「アッシジの聖フランチェスコの聖痕拝受」(上段)、イタリア絵画の展示室に架る。

 本作の主題は、聖フランチェスコが晩年、50日間の断食後に体験した脱魂時にセラフィムを通じて、主イエスと同じ聖痕を受けたとされる逸話(部分:下段/左、中)。

 ところでセラフィムとは、九つある天使の位階のなかの最上位の天使のことで、ヤハウェ神への愛と情熱で体が燃えているため、熾天使(してんし)と訳されているとか。
 三対六枚の翼を持ち、二枚で頭を、二枚で体を隠し、残り二枚の翼で羽ばたくというから、凄い!

 ちなみに聖痕とは、“ 十字架上のキリストが受けたのと同一の傷が信仰者の体(両手・両足・脇腹・額)にあらわれたもの。アッシジのフランチェスコの例が著名 ” と辞書にある。

 本祭壇画の下部、プレデッラ部分(下段/右)には、聖フランシスコ会を創始した聖フランチェスコの伝説を主題とした、アッシジ聖堂の身廊の28面フレスコ画から引用された場面が描かれている。

       

 彼はまた、工房の弟子たちを引き連れ、イタリア北東部の町パドヴァの<スクロベニー礼拝堂>の壁面に、「ヨアキム伝」「聖母マリア伝」「キリストの生涯」などの連作を描いている。

 そのスクロベニー礼拝堂、<大聖年イタリア巡礼>で訪れたが、修復を終えたばかりで未だ足場が残されたままだったが、鮮やかに蘇った壁画に小さく歓声を上げたことを憶えている。
 Peter & Catherine’s Travel. Tour No.1029

  「駆け足ルーヴル(9) ‐ チマプーエ」へは<コチラ>からも入れます。


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