ペトロとカタリナの旅を重ねて

あの日、あの時、あの場所で
カタリナと歩いた街、優しい人たちとの折々の出会い・・・
それは、想い出という名の心の糧 

トゥール ‐ 回り道ルーヴル(6)

2015年12月18日 |  ∟フランスの美術館

 このフランス人画家、再登場?とお思いの方もあると思う。
 先に登場したのは、<ジョルジュ・ド・ラ・トゥール>(1593-1652/バロック後期・古典主義)。
 こちらは18世紀に活躍した肖像画家モーリス・カンタン・ド・ラ・トゥール(1704-1788/ロココ美術)。

 独自のパステル表現を確立、上流階級の人々の肖像画を手がけ、確固たる地位と圧倒的な人気を得た彼の 「ポンパドゥール夫人の肖像(マダム・ド・ポンパドゥール)」が今回の作品。

 肖像画の主、パリ社交界の花ポンパドゥール侯爵夫人のサクセスストーリーは、かつてブーシェ(1703-1770/ロココ/フランス)の画題も同じ 「ポンパドゥール夫人の肖像」(アルテ・ピナコテーク蔵)で投稿したので避ける。

 少し補足をすれば、“ 青緑の色調に塗られ、金色で引き立てられた木工細工で飾られた一室に腰かけている侯爵夫人の豪華な衣裳が権勢を誇示する意図を示している ” のに対し、“ 宝石を付けず髪型も簡素にすることで肖像画の私的な性格を強調している ” と、公式HPは解説。

 さらに、テーブルの上に並ぶ、“ モンテスキューの 「法の精神」やヴォルテールの 「アンリアード」などの学術書 ” の典拠(ひけらかし)は、“ 夫人の芸術の庇護者としての計算と読むべきだ ” とも。

 とまれ、ルイ15世の公式の愛妾乍らも、ハプスブルク=ロートリンゲン朝のマリア・テレジアやロシア・ロマノフ朝のエリザヴェータに、一歩たりも引けを取らぬ女傑だったてことなンだろう。

 画家自身、“ 油彩に劣らないことを示す目的で本作を手がけた ” と、言い放ったらしきこのパステル画、拡大して<ブーシェ作品>と見比べるてみるのも一興かも。
 Peter & Catherine’s Travel. Tour No.1069

 ※ 「回り道ルーヴル(5) ‐ コロー」へは、<コチラ>からも入れます。


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