ペトロとカタリナの旅を重ねて

あの日、あの時、あの場所で
カタリナと歩いた街、優しい人たちとの折々の出会い・・・
それは、想い出という名の心の糧 

続・ダ・ヴィンチ ‐ 駆け足ルーヴル(21)

2016年01月22日 |  ∟フランスの美術館

 盛期ルネッサンスの巨人レオナルド・ダ・ヴィンチ(1452-1519/イタリア)の二回目。
 完成していれば、彼の最高傑作のひとつとして数えられていたであろうとされる未完の大作 「聖アンナと聖母子」、小編、再々?登場である。

 本作の主題は、“ 謙譲の聖母子 ”。

 聖アンナが夫である<聖ヨアヒム>、もしくは聖ヨアキムとも。と二十年近く連れ添ってから<無原罪の御宿り>として得た娘、そして孫。
 その聖母マリアを膝に抱くという、殆ど例を見ない構図で描かれている。

 画家の生涯で二度目となったミラノ滞在中、当時のフランス国王ルイ12世のために制作されたとされている本作、制作途中でダ・ヴィンチはこの世を去り未完のままに。
 このため、聖母や聖アンナの着衣が彩色されていない。

 また、ダ・ヴィンチは、習作になる 「聖アンナと聖母子(画稿・習作)」(ロンドン・ナショナル・ギャラリー蔵)、通称 「<ダ・ヴィンチ ‐ カルトン>」を描いているが、本作はそこから筆を進めたもの。

 余談だが、バロック期の無頼の奇才カラヴァッジョ(1573-1610/イタリア)は、この聖アンナを 「<パラフレニエーリの聖母>」(ボルゲーゼ美術館蔵)と題し、「<聖母の死>」(ルーヴル蔵)同様、徹底した写実性にもとづき現実的に描いているが、彼我の表現の違いに唖然とさせられたこともあった。
 Peter & Catherine’s Travel. Tour No.1084

 ※ 「駆け足ルーヴル(20) ‐ ダ・ヴィンチ」へは、<コチラ>からも入れます。


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