千羽鶴

ハイチ大地震の被災者に千羽鶴を贈ることを呼びかけた女性のサイトが炎上しました。炎上というのは、ネットの世界で使われる模擬的な言葉で、サイトに非難コメントが集中し、運営していけないような状況に陥ることを言います。

女性が、被災者に対して1人ではないよという思いを伝えたくて、ネット上で呼びかけたところ、1人1つと限定してたちまち1000羽以上の折鶴が集まったといいます。ところが同時に、ハイチの宗教では鳥は縁起が悪いとされているという説も紹介され（真偽は不明）、極限状態の現地に折鶴を贈ることに意味を見出せないと批判の対象となったようです。

人の考え方は百人百様で、時に良かれと思ってしたことまでもが、悪意にとられて手痛い経験をすることはままあります。ただ、最近の日本人の悪い癖は、自身は何一つ手を汚さず、高みの見物をしているくせに、どこからか上がった火の手に乗じて徹底的にウサを晴らすところかも知れません。

多分、全壊した廃墟に立ちつくしている時、千羽鶴には何の意味も持ちません。千羽鶴は現地に届かなくても構わないのです。それは折った側の気持ちであって、遠く惨状に心を痛めている人がいる…というだけのことなのですから、それをとやかく言う筋合いはないのです。女性の意図は不明ですが、そうこう批判している間に、募金の1つでもすれば如何でしょうか。

宗教上の様々な慣習は、それこそ他を排斥するものであったりはしますが、本当の宗教はあらゆる宗教を超すはずであると思います。宗教が異なるから…という理由で、葬儀に参列されないといった方を時折お見かけします。信じておられる宗教に干渉するつもりは一切ありません。が、かつてキリスト教の修道女が、仏式の葬儀に参列され数珠を持たれて頭を垂れる姿を拝見したことがあります。本物はそういうものだと思います。




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