さて、時間がなくて、今更ながら今年のセンター問題を少しずつ解いています。
数学ⅠAはすでに終わりましたが、特におもしろくなかったので、
まずはいつも通り物理。
全体としては、奇問もなく、だいぶ簡単になった印象です。
ただ、その分、物理の考え方をある程度マスターしていないと、
単なる計算やパズル感覚では解けない問題が多かった気がします。
その当たりは、普段の勉強量よりもその質が反映したような気がします。
でも、Z会の緑本レベルを越えている人には簡単だったはず。
特に計算量も多くなく、拍子抜けする問題もあったと思います。
以下、各問の解説。
1-1
つりあいの状態より Fo = mg = kd 何も考えずに書くも
ただ F = kx
(何ですか、この問題。すでに1問目から一抹の不安が…)
1-2
立体的に全く見えないのがつらい図ではありますが(設問が4択なのが救い)、
上向きに電流が流れるので、右ねじの法則から、
Aには水平面内で反時計まわりの磁場が発生。
電流↑ 磁場⇔ なので、これによって誘導電流を作るには、
さらに磁場に直交する面で、コイル内側を通る磁束を変える必要があるので、
答えは①
(電磁場が進むには直交する変位が必要なので。)
1-3
15mは現在(t = 0)で A/2
速さ20m/sなので、0.25秒後に山が来る。(周期Tは2s)
1-4
力のモーメントの問題(でもないか)
Bが支点であるので、Bにかかる力は無視(∵x=0なので)
つりあいの式より
M/2 × l1 = m × x
x = Ml1/2m
1-5
1W = 1J/1s ワットWは単位時間当たりの仕事。
仕事率P【Power】と同じ次元。
Q = mc⊿T
水を温めた熱量 Q=mc⊿T 360×4.2×80
ポッドの消費したエネルギー Pt 180×800
Q/Pt × 100 = 4.2/5 ×100 = 84%
1-6
式 v = fλで音速は常に一定なので、波長λと振動数fがどう変わるかの問題。
λo = 2L(基本振動)
λ = L (倍音)
foλo = fλより
fo×2L = f×L
f = 2fo, v = 2foλ
2-1
コイルの巻き数と電圧の関係
n1 : n2 = v1 : v2 より 6600 : 100 = 66 : 1
2-2
電力P = IV 電流×電圧 = I**2×R
電流と電圧は反比例の関係にあるので、1/10
2-3
電流が1/10になると送電線で失われる熱エネルギーは1/100になる。
2-4
グラフから傾きRと切片Vを求める。
電圧の測定値V = 電池の電圧Vo - 抵抗による電圧降下RI
(V = Vo - RIは教科書によっては載っていない式かも)
2-5
図よりBC間の抵抗RはRx/L
2-6
電流が流れないので、BC間と電池の電圧は等しい。よって、E
3-1
時間 = 距離 ÷ 速さ
屈折率n1中の物質の光の速さは、c/n1。
距離はL/cos(90°- r )= L/sinr。
(長さLは直線距離なので、反射している場合は斜辺の距離が必要)
t = n1L / csinr
3-2
sini0 = n1 sin(90°- r)
n1 sinr = n2 sin90°
sini0 = n1 cosr
= n1 √( 1 - sin2r ) * sin2rは2rではなくsin二乗の2
= n1 √( 1 - n22/n12 )
= √( n12 - n22 )
3-3
波長λの波の逆位相、2点間の距離d = 3.3λ
逆位相なので、等距離にある点では弱め合う。
3.3 × 2 = 6.6より 強め合う所は6本ある。
3-4
PAとPBの位相差は、dcosθ
強めあうときは、波長の整数倍であるので、dcosθ = mλ
3-5
-1 ≦cosθ≦ 1
d = 3.3λのとき、3.3λcosθ
つまり、-3.3 ≦ dcosθ ≦ 3.3
0~180°で{-3, -2, -1, 0, 1, 2, 3} 7個なので
0~360°では、その倍の14個
4-1
圧力P Paは単位面積あたりの力
p0 = Mg/S + p1
4-2
p1V0 = p0Vx
Vx = p1V0/p0
4-3
等温のグラフを基準にして、断熱のグラフを見ると
等温よりも断熱の方が縮むとき体積は大きい。
VA <VB
断熱adiabaticなので当然、気体の温度変化dTへと
仕事Wはすべて変化するのでTB > T0 …②
4-4
運動エネルギー = バネの弾性エネルギー
mv2/2 = kx2/2
x = v√m/k
l - v√m/k
4-5
mv2/2 = mgh
h = v2/2g
(この問題はヒドイ。完全に日本語の読解力を試しているだけ…)
4-6
図6の右側を正とする、がポイント。
斜面を下っているときは常に、右向きの加速度がかかる。
あとはバネが小物体に与える加速度であるが、
バネの長さによって、バネが小物体に与える力は決まるので、
加速度は一定ではない。よって、答えは⑤
4-7
つりあいの式より
MgcosΘ1 + μMgsinΘ1 = mg
m/M = cosΘ1 + μsinΘ1
(mとMを間違えないように気をつけるくらい。)
4-8
運動しているので、つりあいの式ではなく運動方程式をたてなければならない。
その際、物体A、Bの2つ立てる必要がある。
A: Ma = T - μ'Mg
B: ma = mg - T
Tを消去して、( M + m )a = mg - μ'Mg
a = g ( m - μ'M ) / ( M + m )
v2- vo2 = 2ax
v2 = 2gh( m - μ'M ) / ( M + m )
v = √2gh( m - μ'M ) / ( M + m ) …⑥
(最後の問題だけ計算時間がかかるように見えるが、そんなこともない)
今回は、懇切丁寧に詳しく解説を書いてしまいました。
(もちろん、参考にする人は自己責任で。)
そう言えば昨年も同じようなこと[典型的な問題が多い、日頃の勉強が…]を
書いていました。
というよりも、センター試験は定期テストの延長線に必ずしもあるわけではないが、
それに類するものでしかないので、普段の勉強量がものを言うのは
当たり前のような気がします。
あとは力学・熱力学・波動の3領域をしっかり勉強しましょう。
とくに波動(波・音・光)は得点源にできるように。
電気はどうでもいいというか、計算問題なしでどこが出せるというのか。
その分、物理Ⅱが至極大変なのは言うまでもないですが…。