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センター物理2010

2010-02-25 | 教材研究

さて、時間がなくて、今更ながら今年のセンター問題を少しずつ解いています。

数学ⅠAはすでに終わりましたが、特におもしろくなかったので、

まずはいつも通り物理。

全体としては、奇問もなく、だいぶ簡単になった印象です。

ただ、その分、物理の考え方をある程度マスターしていないと、

単なる計算やパズル感覚では解けない問題が多かった気がします。

その当たりは、普段の勉強量よりもその質が反映したような気がします。

でも、Z会の緑本レベルを越えている人には簡単だったはず。

特に計算量も多くなく、拍子抜けする問題もあったと思います。


以下、各問の解説。


1-1

つりあいの状態より Fo = mg = kd 何も考えずに書くも

ただ F = kx

(何ですか、この問題。すでに1問目から一抹の不安が…)

1-2

立体的に全く見えないのがつらい図ではありますが(設問が4択なのが救い)、

上向きに電流が流れるので、右ねじの法則から、

Aには水平面内で反時計まわりの磁場が発生。

電流↑ 磁場⇔ なので、これによって誘導電流を作るには、

さらに磁場に直交する面で、コイル内側を通る磁束を変える必要があるので、

答えは①

(電磁場が進むには直交する変位が必要なので。)

1-3

15mは現在(t = 0)で A/2

速さ20m/sなので、0.25秒後に山が来る。(周期Tは2s)

1-4

力のモーメントの問題(でもないか)

Bが支点であるので、Bにかかる力は無視(∵x=0なので)

つりあいの式より

M/2 × l1 = m × x

x = Ml1/2m

1-5

1W = 1J/1s ワットWは単位時間当たりの仕事。
仕事率P【Power】と同じ次元。

Q = mc⊿T

水を温めた熱量 Q=mc⊿T 360×4.2×80
ポッドの消費したエネルギー Pt  180×800      

Q/Pt × 100 = 4.2/5 ×100 = 84%

1-6

式 v = fλで音速は常に一定なので、波長λと振動数fがどう変わるかの問題。

λo = 2L(基本振動)
λ = L (倍音)

foλo = fλより

fo×2L = f×L

f = 2fo, v = 2foλ


2-1

コイルの巻き数と電圧の関係 

n1 : n2 = v1 : v2 より 6600 : 100 = 66 : 1

2-2

電力P = IV 電流×電圧 = I**2×R

電流と電圧は反比例の関係にあるので、1/10

2-3

電流が1/10になると送電線で失われる熱エネルギーは1/100になる。

2-4

グラフから傾きRと切片Vを求める。

電圧の測定値V = 電池の電圧Vo - 抵抗による電圧降下RI

(V = Vo - RIは教科書によっては載っていない式かも)

2-5

図よりBC間の抵抗RはRx/L

2-6

電流が流れないので、BC間と電池の電圧は等しい。よって、E


3-1

時間 = 距離 ÷ 速さ

屈折率n1中の物質の光の速さは、c/n1。

距離はL/cos(90°- r )= L/sinr。 

(長さLは直線距離なので、反射している場合は斜辺の距離が必要)

t = n1L / csinr

3-2

sini0 = n1 sin(90°- r)

n1 sinr = n2 sin90°

sini0 = n1 cosr
= n1 √( 1 - sin2r ) * sin2rは2rではなくsin二乗の2
= n1 √( 1 - n22/n12 )
= √( n12 - n22 )

3-3

波長λの波の逆位相、2点間の距離d = 3.3λ

逆位相なので、等距離にある点では弱め合う。

3.3 × 2 = 6.6より 強め合う所は6本ある。

3-4

PAとPBの位相差は、dcosθ

強めあうときは、波長の整数倍であるので、dcosθ = mλ

3-5

-1 ≦cosθ≦ 1

d = 3.3λのとき、3.3λcosθ

つまり、-3.3 ≦ dcosθ ≦ 3.3

0~180°で{-3, -2, -1, 0, 1, 2, 3} 7個なので

0~360°では、その倍の14個


4-1

圧力P Paは単位面積あたりの力

p0 = Mg/S + p1

4-2

p1V0 = p0Vx

Vx = p1V0/p0

4-3

等温のグラフを基準にして、断熱のグラフを見ると

等温よりも断熱の方が縮むとき体積は大きい。

VA <VB 断熱adiabaticなので当然、気体の温度変化dTへと

仕事Wはすべて変化するのでTB > T0 …②

4-4

運動エネルギー = バネの弾性エネルギー

mv2/2 = kx2/2

x = v√m/k

l - v√m/k

4-5

mv2/2 = mgh

h = v2/2g

(この問題はヒドイ。完全に日本語の読解力を試しているだけ…)

4-6

図6の右側を正とする、がポイント。

斜面を下っているときは常に、右向きの加速度がかかる。

あとはバネが小物体に与える加速度であるが、

バネの長さによって、バネが小物体に与える力は決まるので、

加速度は一定ではない。よって、答えは⑤

4-7

つりあいの式より

MgcosΘ1 + μMgsinΘ1 = mg

m/M = cosΘ1 + μsinΘ1

(mとMを間違えないように気をつけるくらい。)

4-8

運動しているので、つりあいの式ではなく運動方程式をたてなければならない。

その際、物体A、Bの2つ立てる必要がある。

A: Ma = T - μ'Mg

B: ma = mg - T

Tを消去して、( M + m )a = mg - μ'Mg

a = g ( m - μ'M ) / ( M + m )

v2- vo2 = 2ax

v2 = 2gh( m - μ'M ) / ( M + m )

v = √2gh( m - μ'M ) / ( M + m )  …⑥

(最後の問題だけ計算時間がかかるように見えるが、そんなこともない)


今回は、懇切丁寧に詳しく解説を書いてしまいました。

(もちろん、参考にする人は自己責任で。)

そう言えば昨年も同じようなこと[典型的な問題が多い、日頃の勉強が…]を

書いていました。

というよりも、センター試験は定期テストの延長線に必ずしもあるわけではないが、

それに類するものでしかないので、普段の勉強量がものを言うのは

当たり前のような気がします。

あとは力学・熱力学・波動の3領域をしっかり勉強しましょう。

とくに波動(波・音・光)は得点源にできるように。

電気はどうでもいいというか、計算問題なしでどこが出せるというのか。

その分、物理Ⅱが至極大変なのは言うまでもないですが…。