蒼ざめた馬の “一人ブラブラ、儚く、はてしなく”

山とスキー、車と旅、そして一人の生活

ニホンの若者に介助され、ハクジンの若者のタブレットが操作できなかった日々

2019-02-24 17:10:48 | 山とスキーでブラブラ

 2/10にも雪は積もった。しかしそれが最後。

 それ以降、安曇野では雪は途絶え、栂池では2/19、積雪量は3mを切った。しかもこの日は雨、益々融けて行くのだろう。

鐘の鳴る丘のリフト乗り場で、若い係員がスッと横に立ち、寄り添うように背中を押してくれた。エエッ!なッ何ィ?、初心者ボーダーならいざ知らず、こっちはスキーなので歩けるし。
見れば若い女の子?、違う、ジャニーズ(?)風の少年だ。ナンデぇ、ワタクシを介助しようとしているのか。

「押して貰わンでもエエよ、歩けるし」と言うと、彼は微笑みながら、何かモゴモゴ言って離れた。

リフト乗り場でサッサと進めないボーダーはよくいる。特に初心者が多い鐘の鳴る丘には、ツルツル、テカテカの雪面が上手く蹴れず、キャーキャー騒いでいるだけで進めないガールグループも多い。彼女たちには、押してやった方がイイかも知れない。
しかし何故ワタクシなのか。介助が必要なヨボヨボのジジイに見えたのか。
確かに、ダルくシンドい状態は続く。足を引き気味にノロノロ歩くことは多い。そんな姿が、若い係員の介助意欲を惹起させた、と言う事なのか。

 丸山ゲレンデまで上がると、雨は雪になった。

 栂の森はフツーに雪が舞っている。しかし下っていくと徐々に雨。冷たい雨で、寒い。結局、この日はビショビショになった。 

 2/20、冷たい雨はやんだ。

 雪はユルんで滑り易くなった。

 雨はやんだのに晴れ上がらない中途半端な天気。

 鐘の鳴る丘へ下ってみる。

 ドンヨリした天気で、気分もドンヨリしているが、女子大生らしきグループが楽しそうにスキーレッスン中。

その後、緩んで滑り易くなった馬の背で、深いコブに飛ばされて、派手にコケた。
数m上の、外れた片方の板を取りに登っていると、降って来た若いボーダー君がワザワザ止まって、取ってくれた。
「アリガトウ」、彼はその上でシリモチを突いていて、ワタクシはその横を追い抜いて行ったのだ。その彼に介助された。

昨日の若い係員といい、このボーダーの若者といい、ここはイイヤツばかり、と素直に喜ぼう。 

 午後も遅くなり、天気は益々ドンヨリし、緩んで滑り易かった雪は、所々で滑らなくなった。

 2/21、昨日にも増してドンヨリし、風は冷たく、陽は当たらず、ガリガリ、ゴリゴリになった。

 馬の背は閉鎖。

 風は相変わらず冷たい。

 陽は相変わらず射さず、ガリガリ、ゴリゴリの塊につまづきそうになる。

中間駅でカラのゴンドラに乗ると、直ぐ後に係員に案内されたハクジンが乗って来た。
「#$%~OK?」、「OK、OK」、「サンキュウ」、陽に焼けた真っ赤な顔の若者だった。

彼は直ぐ自撮りを始めた。ジャケットの懐から出した人形と、ツーショットで自撮りもして、ワタクシにニコッとして、その人形を押し付け、ワタクシも撮り出した。
ワタクシは気持ちよく、彼の調子に乗った。そしてゴンドラに貼ってある“26SELFIE”のシールを指し、26番目のゴンドラの支柱からのショットが、ベストショットだと彼に教えた。
彼は24、25とそれを数え、ワタクシは26が近付いたので、彼の対面に移動し、カメラを貸せと言った。すると彼は、ガラスが何か所か割れたタブレットを、ワタクシにを差し出した。

これでどうやって撮るの?、ワタクシ、タブレットどころか携帯も持ってません。
彼はタブレットの向け方、シャッターの位置を示したが、そもそもタップの感覚が判らない。何度もやって、やっとカシャと音がしたが、ナゼか写っているのはワタクシの自撮り画像。彼は指先をスライドして、設定を変えたようだが、ナゼか上手くいかない。結局、26番の支柱は通り過ぎてしまった。「ソオリー」、余計なことをせず、彼のSELFIEに任せればよかった。

彼はこれらをカノジョに送る、と言ってカノジョの画像を見せ、「ブリティ」と言うと、「アイ シンク ソー」、と彼は応えた。

そうしている間に栂の森に着き、「OK、サンキュウ」と彼は言い残し、滑って行った。陽気で清々しいハクジンだった。
傍若無人、マナーが悪いハクジンばかりではなかった。

 この日は栂の森~中間駅まで6往復して、もうフラフラ、最後にチョコっと遊ぶ、丸山ゲレンデは、一気に下れなかった。

 この3日間、天気は優れなかったが、2/22はスカッと晴。松川の畔や橋の上では、何人もの写真家がこの見事な景色を撮っていた。

 八方尾根と五竜。

 五竜~遠見尾根。