蒼ざめた馬の “一人ブラブラ、儚く、はてしなく”

山とスキー、車と旅、そして一人の生活

“ キャタピラー ” の結末

2010-09-03 12:12:41 | 一人ブラブラ

先日、話題の “ キャタピラー ” を見た。

おバカな軍事官僚に指導された、お気の毒な農家のオバサン達の、竹槍やバケツリレー練習シーンとか、最後に流れる歌の内容と、太平洋戦争での犠牲者数の羅列とか、反戦の表現はごくオーソドックスだったと思う。 古風でなんとなく笑えた。

残雪を抱く山のふもとの農村なのに、セリフが都会的標準語だった事も、チョット変。
歌舞伎一家のお嬢様の、全裸のシーンが話題になったりしていたが、そんなにエロチックではなかった。 食事や排せつの世話の他に、生殖能力のある障害者の介護とは、こう言う形でもあるのか、と言う感じ。大変だぁ。

あらすじは色んなところで紹介されている。
そして結末は・・・お国のためにと、神国・大日本帝国の兵隊さんとして、破壊と殺人と強姦を繰り返し、勲章もらった代わりに自身の手足もぎ取られて “ キャタピラー:芋虫 ” となった “ 生ける軍神 ”  様は、 それまで兵を送りだす時 「 万歳!万歳!! 」 していた村民達が、戦争が終わって 「万歳!万歳!! 」 している日に、それまでの罪に苛まれて、近くの池で死んでいた。 
“芋虫”の介護をしていた貞節な妻は、タンボで終戦を知って、その映画の中で初めて楽しそうに笑っていた。

外国の映画祭で評価高かったそうだが、あまりピンとこなかった。
反戦という意味では、今の海兵隊も破壊と殺人と強姦をやっているのかも知れないが、 主流はミサイルや空爆で無差別に人殺ししている訳だし、 むしろそういう現代の悲惨さを、何らかの表現で映した方が重く受け止められるのではないか、と思いまたね、ワタクシは。