アンティークマン

 裸にて生まれてきたに何不足。

逃げ切り世代…農業経営者も

2011年11月18日 | Weblog
 私は団塊世代ですが、「逃げ切り世代」になりつつあるらしい。シンザンじゃないんだから!というツッコミが何人に通じるか分からないけど…シンザンにオーバーラップしていただいて、「逃げ切り」と言われると、ちょっとだけ気分がいいですけどね。(シンザンは、先行逃げ切りの名馬でした。ドウカンオーのように、最後尾から一気にまくってくる馬もカッコイイが、初めからトップに立ち、そのまま逃げ切るのも潔く感動的)

 「花の逃げ切り世代」は、およそ60歳代後半の大企業に勤め定年を迎えた世代。家のローンも子育ても終え、厚生年金と企業年金で一ヶ月40万程度の収入。この収入が死ぬまで続く。若い世代より、裕福な生活。よって、つけられた呼び名が、「逃げ切り世代」。
 花の逃げ切り世代より、一世代若い私どもは、年金が6万5000円~15万円。まだ還暦に達していない人達は、年金の条件がますます悪くなる。私の場合、暮らしてはいけませんが少しでも年金をいただいているので、「逃げ切り世代になりつつある」というわけ。もっとひどい言葉もありまして、「食い逃げ世代」だと!あのね、食い逃げしたことなど一度もありませんから!

 うまいなあと感心したのは、TPPに関わって、尊皇攘夷をもじって、「尊農攘夷」とという言葉。TPPは、百家争鳴でした。その百家が、「タラレバ」でものを言う。収拾がつくはずがない。
TPPへの参加で、「すべての農産物が即時関税撤廃」とおっしゃる偉い先生もおられました。聴衆もTPPをよく分かっていないものだから、「そりゃあ大変だ」「死活問題だ」となっていましたが…。
 交渉ですから、米などの品目による例外化は十分あるわけです。全てが関税撤廃など全くあり得ない話。交渉次第では、「離脱」はあり得る話。枝野さんが、交渉次第で離脱もあるという趣旨のことを言ったら、「加入前から、離脱の話をするとは何事だ!」「そんな簡単なことではない」と、偉い人達が大騒ぎ。加入前だろうと、加入後だろうと、離脱は「アリ」です。

 尊農攘夷を持ち出したら、TPPの話になってしまいましたが…、自由化では農業は壊滅しませんよ。過去の例を見てください。「牛肉・オレンジの自由化」の時は、「壊滅だ!」「殺す気か!」と、なりふり構わぬ大騒ぎでした。その結果どうなっていますか?肉牛農家や、みかん農家が壊滅していますか?ますます元気じゃないですか!それは、「品種改良」したり、「ブランド化」するなど、智慧を出し努力したからです。このごろになってよく言われていますが、「守る農業」では、ダメ。農業も「攻め」なければなりません。尊農攘夷では、日本の農業は壊滅します。

 農家の平均年齢は、約66歳。逃げ切り世代、食い逃げ世代の真っ直中。年金受給世代が圧倒的に多いのですが…。農家でない人には社会保障だけなのに、農家となったら社会保障にプラスして、戸別所得補償、優遇税制(農地)…その他特別な、保護や支援…。「農家はずるい」などと言うと偉い人に叱られる。触りたくない問題がそこにあります。