アンティークマン

 裸にて生まれてきたに何不足。

普通の封書で米国にドルを送るのは…スリリングかな?

2011年11月09日 | Weblog
アメリカ在住の知人(80歳代の女性)が生活苦で困っておられる。老女の子供達は、「無職」やら「収入不安定」やら…。頼みの綱だった長男も倒れた。長男が職場復帰するまで3か月かかる。その間収入がない。長男から、少しだけ生活支援をしてもらっていたが、それも途絶えている。
 80歳過ぎているなら、アメリカだって年金がもらえるだろうって?もちろんです。しかし、その年金は、無職の子への仕送りで消えてしまう。子供といっても、40歳代なかば~50歳代後半。殆どお金がない老女は、時給9ドルの仕事を、1か月20時間だけしても良いという許可を(カルフォルニア州政府から)もらって働いている。月に180ドルは、貴重な収入。

 老女は、金持ちである日本在住の元夫に、何度か手紙を出したという。しかし、返事は、「なしのつぶて」。日本にいる弟からも送金してもらっているが、その弟も高齢で、姉に仕送りなどできない。
 老女は、とうとう私に借金の申込をしてきました。手紙を出そうにも、切手を買うお金にすら不自由していることなどが、めんめんとつづられておりました。

 私は、お金の貸し借りはしたくありません。生活苦であることは、いやというほど分かる。私がお金を送らなければ自殺するかも知れない。自殺すると、年金がいただけなくなるから、無職の子へ送金できない。そうなると、その子も自殺するかも知れない。毎日少しのパンと水で、いつまで暮らしていけるのか。

 お金を貸さないことにはしましたが、無視もできない。そこで、「陣中見舞い」と称して、少々の金子(「かねこ」ではありません。「きんす」と読んでください)を送ることにしました。
 老女の銀行口座番号を知らない(銀行口座などないかも)。PayPal (インターネット上での送金サービス)も当然できないでしょう。書留航空便(EMS )か、国際郵便での為替送金しかない。しかし、我が人口4万4千人の田舎の郵便局は、海外への郵便物について何度も間違えた実績がある。窓口の女性が手を上げてしまって、奥の偉そうなオジサンがでてきて書類を沢山書かされたこともありました(その時は、それらの書類など不要だった。つまり徒労)。またクリスマスシーズンが来ますが、20数世帯への海外へのプレゼント送付がスムーズに行くかどうか今から気掛かり。そんな状況ですから、EMSも為替送金もうまく送れるはずがない。
 そこで、日本国内ではありますが、姉・妹が普通の手紙で現金を送ってくれることが脳裏をよぎった。
 「やってみるか…」
 タンスから300ドル出して、小風呂敷に包んで手紙と一緒に封入。どうしてタンスにUSドルがあるんだって?円高なので旅行用に多めに両替しておいたのです。

 待つこと2週間。「陣中見舞い頂戴いたしました」という手紙が。普通郵便の300ドルが、無事届いたわけで良かったです。
 私が危惧していたのは、金属探知機や、麻薬探知にはひっかからないでしょうが、「お札探知機」のような機械にかけられたら法律違反で没収されるだろうなあということでした。当然、「郵送での輸入禁止(制限)物品」でしょうから。
 どうやら杞憂に終わりました。多少ふくらんだ封筒でも、危険そうでなければ中身など確認しない…入国は、全指紋と掌紋を採るほど厳しくなっているのに、郵便のほうは、良き時代のアメリカを保っている。それでこそアメリカ。