アンティークマン

 裸にて生まれてきたに何不足。

おしゃべり家電…ため口・暴言バージョンも…

2010年07月16日 | Weblog
 タクシーに乗っていたとき、携帯に電話が入った。
 「○○××さんから電話です」と、携帯電話が知らせてくれた。
 今や珍しくもないはずなのに、タクシーの運転手さんが大げさに驚いていた。
 「へえーっ!携帯電話がしゃべるんですねえーっ!」
 
 車のエンジンをかけると、「今日は、○月×日△曜日です」とカーナビが挨拶してくれる。「傘は持ちましたか?午後は雨になりますよー」という天気予報とその対策については教えてくれない。
 「(ETCの)カードが挿入されていません」とも。お節介な奴だ。
 「300m先、右折です」と、道案内してくれるが、案内通りに進まなかったとき、「戻ってください。戻ってください」とは言わない。「5km先、右折です」と、なる。ひたすら、前へ前へと行かせようとする。
 案内に逆らい続けても、キレルことがない。忍耐強さは評価できる。「イイカゲンしてください」「もう、案内しないぞ!」などとは言わない。
 悲しいことだが、家族以外で私に話しかけてくれるのはカーナビぐらいのもの…。友達です。

 お坊さんのお話し…
 子供が、仏壇の饅頭をほしがりましてね。母親が、「チンして食べなさい」と饅頭を渡したんですよ。私は、「良い教育をしている母親だなあ」と感心しましたよ。仏様にお供えしてあったものを下げるとき、鈴(リン:仏壇にある金属製の椀)を「チーン」と鳴らしていただく。子供のうちからそういう躾をして御先祖様に失礼のないように…と、思いきや…!子供は仏壇で「チーン」と鳴らさず台所へ。レンジで「チーン」してました…。

 確かに、「電子レンジ=チン(チーン)」という時代がありました。今は電子音のほか、しゃべる電子レンジも。しゃべる電子レンジの歴史は結構古い。某大手家電メーカーでは、1981年に音声内臓の電子レンジを売り出している。
 電子レンジから、「チン(チーン)」という音が消えた…「チンして食べなさい」というフレーズは消えていくこととなる。そういえば、コンビニで弁当を買うと、「チンしますか?」とはきかれない。「温めますか?」ときかれる。若い店員は、すでに「電子レンジのチン世代」ではなくなっているということか。

 冷蔵庫もしゃべる。洗濯機もしゃべる。今や電気・電子の製品は、皆しゃべる。目覚まし時計までも!ラジオは…しゃべらない。ラジオの中に入っている人がしゃべっている。

 メーカーへお願いしたい・・・
 まず、カーナビは、「今日は○月×日…」という一連の挨拶の後に、「本日、この車の置かれている地域の天気は…」と、天気予報もしゃべらせてほしい。
 また、ひたすら前へ前へではなく、「50mバックして左折してください」という、「戻させる案内」も入れるように。
 さらに、案内を3回無視したら、「案内に従いなさい。指導!」。5回の無視で、「イイカゲンにしてください。警告!」。10回で、「ザケンナヨ、ワレ!ドツイタルデェ!退場!」と、しゃべるようにしてください。会話のない世代にとって、他人に命令されることがない。カーナビでもいいからたまには命令されたいもの。

 電子レンジについても、「調理が終わりました」と言っても、レンジから料理を出さない場合…「出してください。出してください。注意報発令」→「ハヨウダサンカ、ワレェ!警報発令」→「自爆するぞー!ワレェ!避難勧告発令」
 電子レンジを怒らせると怖いことになるということを、消費者に知らしめなければなりません。

 なお、お馴染みタイアナリストのジャンボ氏からヒントをいただいたのですが…タイ向けの「しゃべる電気製品」は、指示に従わなくても、「イイカゲンにしろ」とか「ハヨウダサンカ、ワレェ!」のようなキレ構えの言葉は良くない。カーナビの案内を無視した場合、電子レンジの中のものをなかなか取り出さない場合、「マイペンライ」と言うようにする。
 「マイペンライ」は、「気にしない気にしない、どってことないよ、気楽に行こうぜ」という感じの言葉です。お国柄を考えた音声を内蔵したほうが良いということですかね。

 「今日の文章もオチがないぞ!」って?
 「マイペンライ、マイペンライ」