アンティークマン

 裸にて生まれてきたに何不足。

タコの地位が上がった

2010年07月13日 | Weblog
「なんなんだぁ?」と思いました。ドイツのタコが、サッカーW杯の勝ちを100%当てた。3位決定戦の占いでは、「かなり逡巡した結果、ドイツの勝利とした」それで、実際は、「逆転、同点、再逆転、時間切れ寸前に劇的なゴールが決まってドイツが勝った」…タコは、「逡巡」という態度で、「接戦になる」というところまで当ててしまった。

 それら一連のタコ占いの報道が賑々しくされた。謹厳なNHKも、「タコのパウルくんが…」。本気で、「タコのパウルが超能力を持っている」と考えているはずがない。単なる偶然と知りつつ大げさに楽しむ。世界中が、「タコのパウル」のニュースを流す…。おもしろいので大歓迎。ユーモア精神がなければ、いがみ合い、罵り合い、暴力にまで発展する。それにしても、タコがサッカーの勝敗を占う。意表を突かれてしまいました。

 タコから連想するものは、「タコ入道(坊主)」「タコ部屋」「耳にタコができる」「タコ焼き」「タコメーター」「3タコ」「このタコ!」。
 ○タコ入道(坊主)…これは、人の身体的特徴を嘲笑する表現。良くないです。
 ○タコ部屋…悲壮感が漂います。労働者をタコと呼び、タコを監禁した部屋がタコ部屋。タコを人柱にした工事があったという話もある。タコを人柱にして作ったトンネルに、幽霊が出ると噂が流れたりも。幽霊など、全く信じない私だが、トンネルに入る前は緊張したものです。
 え?なぜ労働者がタコなのかって?これは大きく二つの説があります。私が支持している説は、「タコは食べ物がなくなると自分の足(触腕)を食べるバカ者(実際、ストレスで食べることがあるが…人間もある自傷行為ですね…しかし、空腹時の食用にはしない)。タコ部屋で働く労働者は、いわく付きの人間が多かった。自分で自分を破滅させるバカ者…そんなわけで、労働者=タコ」。
 もう一つは、「他から雇い入れたので、他雇(タコ)」。これは出来すぎています。胡散臭いです。「タコ」の語源としては支持できません。
 ○ 耳にタコ…これは、漢字で胼胝(タコ)と書く。労働者でも、パウルでもない。私は、パソコンばかり使っているので、いつの間にか「ペン胼胝」がなくなってしまいました。
 ○ タコ焼き…パウルくんの仲間が入っているやつ。
 ○ タコメーター…パウルくんが物差しで何かを計測するのではなく、回転速度計のこと。この場合の「タコ」は、ギリシャ後の「速度」。タコグラフ(運行記録計)もある。タコグラフとタコメーターは別のもの。
 ○ 3タコ…野球の三振。この場合のタコは、ギリシャ語ではなく…パウルの仲間。三振はショボイ。タコの頭(実際は胴体)は、一本の毛もないつるっぱげ(つるりとしたハゲ)で、ショボイ。三振を小馬鹿にして3タコ…。この説、ハゲをバカにしているのがけしからん。
 ○ 「このタコ!」…人を罵倒にするときに言う。この場合のタコは労働者なのかパウルの仲間か?

 「タコ」からは、「カッコイイ イメージ」が浮かびません。しかし、この度の「占いタコ パウル」で、タコの地位は上がりました。