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あんにょんはせよ

ロンドンで出会ったオトメン韓国人旦那と2014年12月生まれの娘と
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オペラ座の怪人(오페라의 유령)

2023-08-18 | ミュージカル・演劇・コンサート

オペラ座の怪人を観に行きました。



私の推し、チェ・ジェリムさんがファントム役です。
長年、ファントムをやりたいと言い続け
コンサートなどでも歌い続け
オーディション告知から内部合格発表まで「ファントムやりたい→やるぞ」をもらしまくっていたから
公式キャスト発表のかなり前からジェリムさんはファントムやるなと知っていました(笑)

今回のオペラ座の怪人は13年ぶりの韓国語公演で
ファントム役に大スターのチョスンウさん
韓ミュ界きってのイケメン歌うま俳優チョンドンソクさん
オペラ歌手で今作品でミュージカルデビューをされたキムジュテクさん
そして我らのチェジェリムさんのクワトロキャストで発表されました

3月から約3ヶ月、釜山公演があり
1ヶ月おやすみしたあと7月下旬からソウル公演が始まりましたが
ジェリムさんは事情により釜山公演は参加されずさらにソウル公演も稽古時間の都合で遅れて合流

満を持しての初日は8月11日と他のキャストより5ヶ月遅れてファントムとして舞台に立ちました。


ジェリムさんがミュージカルの舞台に立つのも2月のマチルダ千秋楽以来。
ミュージカル俳優としてのジェリムさんが観られるのは半年ぶりなもんですからジェリムファンの熱気でロビーはすごいことに。
なんか私も気もそぞろでキャスボ写真も微妙なかたちでとってしまいました(笑)


さて、ジェリムさんのファントム
今までの役作りやジェリムさんの個性から予想するにかなり強いファントムになるだろうと
期待はされていましたが想像の10000倍くらい強いファントムでした。

異形の顔にコンプレックスがあるけれど己の芸術の才能に確固たる自信があり
天才である自分が忌み嫌われ畏れられていることに憤りを感じ世の全てを見下し憎んでいるような
私が想像していた以上に邪悪で傲慢なファントム像をつくりあげてきました。




ジェリムファンが多かった会場ですが
作品ファンや他の俳優さんのファンもたくさんいてジェリムファン以外からは
「怖い」「怖い」「怖い」と脅えられてしまいました^^;
怖いファントムという印象だったよう

一方、ジェリムさんのファンは威圧感も鷹のように睨む三白眼も太く轟く男性みの強いバリトン声も見慣れているし聞きなれているし
なんならあの風貌からは想像もできない愛嬌あるかわいい面をたくさん知っているから

「何がこわいの?かわいいんだけど?」

と一般人とずれまくった感想を言い合っていたのが可笑しかったです^^

またカリスマ性のある威圧感をはなつジェリムさんのファントムは
クリスティーヌに対しても一方的に好意を抱いていて
本当に何をどう勘違いできるのか
クリスティーヌも自分に好意があると確固たる自信をもっているのがおそろしく気持ち悪かったです()

クリスティーヌは亡き父の影をファントムに投影し
生前父がクリスティーヌに話した「音楽の天使」がファントムと信じ崇めているだけ(子供だし)
そこにつけこんできたファントムは間違いなくグルーミングなんだと私は認識してます
それがこの作品が嫌いな一番のポイントなんですけど
ジェリムさん、気持ち悪いくらいに戸惑いなく子供の純粋な心を利用していて
ここまで振り切って変態を演じてくれたのでかえって清々しかったです(笑)




クリスティーヌに「あなたにはもう憎しみしかない」と言われ
え?どういう事?と目が点になりびっくりしていたこの徹底した傲慢さが素晴らしかったです(笑)

だいたいの俳優さんがクリスティーヌへの一方的な純愛?(または演者によりクリスティーヌも?)を演じていらっしゃると思うんですけど
ジェリムさんの自信家で傲慢なファントムは.. いや、あれ過去にも何人もいたんだなていうファントムで...。
最終的にファントムを振り生きて帰ったのがクリスティーヌだけだったんじゃ
というとんでもない展開にわたしは見えました(笑)

異形として生まれ人とコミュニケーションをとったことがなくても
人恋しい気持ちだけは常に抱えていて
クリスティーヌがはがした仮面の奥は
異形の素顔ではなく人恋しい子供のような不器用な孤独な男性の素顔で
その孤独で人恋しい気持ちを抱きしめキスしてくれたクリスティーヌにびっくりし
無防備な子供のように立ち尽くしていたのには驚きました

ジェリムさんにしか出来ないファントム像作り上げたなあと

やたら自信家で傲慢で凶暴な男性を感じさせる演技と
仮面をはがした奥のちっぽけで無垢な男児を感じさせる演技
ジェリムさんだけのファントムの二面性を見事に作り上げられました

もちろん、演技だけではなくあのチェジェリムさんですから
この二面性を歌、声だけで豊かに表現するんです
このあたりはファントムと同じ天才の域です




クリスティーヌには共感しかありません
ジェリムさん特有のセクシーで危険をはらんだ声を聞き恍惚状態で地下の世界に誘われる
あたまでは危険だとわかっていても抗えない声の力

ジェリムさんの声が好きでファンになりましたが
このThe Phantom of the operaくらい持ち前の声だけで説得力を与えるナンバーはないかも
私がクリスティーヌでもジェリムさんの声になら付いていきそう...(でもジェリムさんは絶対呼んでくれないネッnever!)

やっぱりオペラ座の怪人は好きな話じゃないし(気持ち悪くてたえられない)
この先も苦手なままだと思いますがジェリムさんの声でようやくクリスティーヌの気持ちがわかりました(鈍感)

緊張はしない俳優さんだけどかなり力入っていたな~とは思ってみてましたが
その後のインタビューでもご自身で高揚して力入りすぎていたとおっしゃっていました^^

さらに私は、いつも完璧なパフォーマンスをみせてくれるジェリムさんが
私がファンになって知る限りはじめて自分のために完璧にパフォーマンスをしているように見えて
ファンとして嬉しく思いました。

カーテンコールで、ふっと力が抜けいつものジェリムさんの笑顔が見られて嬉しかったです

いつも飄々と何でもそつなくこなしファンに完璧を見せてくれていたカッコいいジェリムさんが
自分のために完璧なパフォーマンスをするって感動です
宝物のような夜でした

本当に本当にファントムになりたかったんだな
本当に本当に早くパフォーマンスしたかったんだなあ

ジェリムさんの笑顔をみてほっこりした気持ちで会場をあとにしました
この余韻、なんとなくお母さん的なきもち...
ジェリムさんと年変わらないんですけどね私(笑)

がんばったな
えらいな

て言う、ご本人には口がさけても死んでもおそろしくて言えない
この誇らしい気持ちを私はどう処理していいか分からずとりあえず初日から一週間が経ちました(笑)

いろいろ変わった方だけど私にとっては「音楽の天使」でこの先も韓国にいる限り
ずっと応援していきたいなと改めて思いました。


























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