最近、「東アジア共同体」が、しばしばマスコミの話題になりその意義が強調される様になった。関係諸国の覇権争うも喧しくなり熾烈になって来た。そもそもその役割や意義は何なのか、意義と経過と構成国を調べてみた。・・・貿易の自由化が提唱されWTOやFTA・EPA等二国間及び多国間協定の経済の仕組みづくりが盛んになったのが原因である。WTOの行詰りの打開策として注目されてきたからである。「東アジア共同体」とは・・・<ASEAN(東南アジア諸国連合)+3(日本、中国、韓国)>の経済共同体で2,005年12月にマレーシアのクアラルンプールで「東アジア・サミット」が開催され首脳の話し合いが持たれたのが始まりである。日本は日米同盟を基軸としている関係上、米国に配慮してインド、オーストラリア、ニュージーランドの3国を加えた緩やかな連合体を提案しているのが現状。―EAEC(東アジア経済協議体)でマレーシアの前マハティール首相が1,990年に提唱した構想でASEAN諸国と日、中、韓を加えた地域連合体。米国を抜きにした構想に当国が猛烈に反対しているのだが―・・・その険しい道程と経過を紐解くと・・・
●ASA(東アジア連合)<1,961年 タイ、マラヤ連邦(現マレーシア)、フィリピンで結成>→ASEAN(アセアン・東南アジア諸国連合)<タイ、インドネシア、フィリピン、マレーシア、シンガポールの5カ国で創設>【1,967年、ASAを前身に「バンコク宣言」によって結成】→ブルネイ(84年1月加盟)、ベトナム(95年7月加盟)、ラオスミャンマー(97年7月加盟)、カンボジア(99年4月加盟)で「10カ国体制」が成立。・・・
▲日本は(日米同盟の関係上、米国に配慮<ゆるやかな連合体>を提案。
▲中国は(03年5月、NEAT<アジア・シンクタンク・ネットワーク>を提案。
▲韓国は(02年11月、EAF<東アジア・フォーラム>を提案。1,997年~1,998年、アジア経済危機を乗り切る為に「東アジア・サミット」を定例化し今日に至っている(97年12月、ASEAN+3首脳会議)。
■主な経済共同体・・・ △ASEAN(東南アジア諸国連合)10カ国。
△EU(欧州連合)25カ国<イギリス、フランス、ドイツ等・・・>。
△NAFTA(北米自由貿易協定)3カ国<カナダ、メキシコ、アメリカ>。
△MERCOSUR(南米共同市場)4カ国<アルゼンチン、ブラジル、パラグアイ、ウルグアイ>。
この様な体制が執られる様になった背景には経済の規制緩和に呼応しWTOの行詰りの打開策として模索した結果である。東アジアの先導によって経済、金融、通貨問題の解決を目指した構想である。今後、どういう成り行きになるのか注目したいところである。・・・
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます