来る28日から横浜で日本が主導する第四回アフリカ開発会議が開かれ
る。目的は貧困と疫病、紛争の絶えないアフリカに支援の手を差し伸べようと
の意図で話し合われる。あれ程、紛争の絶えなかったアフリカが近年、沈静化
しつつある。しかし、紛争の代名詞的アフリカは、かつては、ルワンダ虐殺、27
年も続いたアンゴラ内戦、ダルフール紛争(スーダン)、エチオピア・リトリア紛
争・・・と挙げれば限がないほど紛争の明け暮れだった。ここに来て漸く終止符
が打たれ様としている。政治が安定に向かっている。皮肉にも石油高騰、穀物
高騰の煽りでアフリカが世界の注目を集めている。その豊富な地下資源:石
油、貴金属、紅茶、コーヒー等の国際価格が上昇し経済効果で成長を続けて
いる。ここ数年で成長率5パーセントを達成している。・・・でも手放しで喜んで
はいられない。国連の<後発開発途上国>に指定されているからである。そ
れは開発途上国の中で最も開発が遅れた国を意味しているからである。世界
で、そういう遅れた国50ヵ国中、33ヵ国がアフリカが占めている。支援の手を
差し伸べないと普通の生活は、まだまだ保障されない。一例を挙げると 1日1
ドル以下 で生活しているのが実情である。従って平均寿命も50歳に手が届か
ない46歳である。統計資料によればエイズ感染者も6割を越えている。そうい
う実態から国連は過去に「ミレニアム開発」目標を採択している。それは飢餓
や貧困に喘ぐ人口を減らす8項目からなる目標である。開発が遅れている遠因
は、かつての欧州列強、英仏の植民地だった事が影響している。従って欧米を
はじめ世界も日本もそういう負の遺産を払拭すべく努力が一段と要請される。
アフリカは地下資源が豊富な大陸だ。近年、積極的に接近しているのが中国
だ。日本も引けを取ってはいけない。相互互恵の関係を構築し世界に先んじて
積極的に互恵・援助を構築すべきだ。資源小国の日本の命運を左右すると言
っても過言ではない。アフリカこそ日本の今後のターゲットだ。日本の資源開発
の技術を生かして地下資源の開発に寄与すべきだ。日アの貿易は現在200
億ドル程度だが、まだまだ伸びる余地は大いにある。今回の横浜でのアフリカ
開発会議がどういう成果を収めるかが注目される。現在の日本のODA(政府
開発援助)のアフリカに占める割合は10パーセントを少々、上回る程度だが、
その比重を高める事は日本にとっては喫緊の課題である。と同時にアフリカが
自力で発展する様な支援・援助の方向に持っていくべきだ。相互互恵の対等の
関係構築こそ今後の日本の、世界の、執るべき方途であると思う。そういう観
点から来る28日の「第四回アフリカ開発会議」は注目したい。・・・
■付記:会議の主要テーマは「成長の加速化」・・・経済成長を促し被援助国か
らの脱却。その為には紛争や政争のない国を目指す。途上国産品の市場拡
大。欧米の矛盾(アフリカへの援助と欧米の自国の綿花・砂糖の生産業者に補
助金を出してアフリカ締め出しとも受け取れる自国保護という矛盾)の解消。洞
爺湖サミットでもアフリカ支援は主要議題となっている。・・・
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