法的拘束力がない決議は 無い に等しい、と識者や政府・与党は喧伝
する。何でも 直近の民意 を(野党)民主党は持ち出すが仮に衆院解散総選挙
で自民党が過半数を獲得しても<直近の民意>だと何でも押し通す事はしな
い、と与党幹部は宣う。そうだろうか。参院で民意及び世論を代弁して野党が
反対したら数の暴力だと非難したではないのか・・・。容易く信じる訳にはいかな
い。 問責決議の意義は“法的拘束力”云々 の問題ではない。福田首相に、直
近の民意の総括として“ノー”を突きつけた事の意義が大きい。“<民意>は信
任していないですよ”と表明した事になる。 先の参院での 問責決議 といい衆
院での 信任決議 といい、辞任、信任の問題ではない。・・・“どうなるのか結論
が分かっている”のに、法的に正当性を結論づけたに過ぎない。国民の眼から
すれば茶番劇としか映らない。しかし、それはそうと是認しよう(法治国家なの
だから)。双方のどちらかに軍配を挙げるとすると野党・民主党に有利に働く事
が挙げられる。ジワリジワリと効き目が時の経過と共に効いてくる。衆院で福田
首相の信任決議案が可決されると首相は苦境を吐露した。「これからは乱気
流に飛び込むような積りでがんばる」と胸の内を明かし今後も政権運営を続行
する決意を表明した。・・・民主党代表の小沢一郎氏が参院での問責決議が可
決された直後に「憲政史上、初めての首相の問責決議は重い」と言明した直後
のことである。・・・与党が衆院で首相の信任決議をした事の意義は党内での
福田容認・現状維持を是認した事になる。例え衆院解散総選挙があったとして
も選挙の顔として福田首相を前面に出して戦わざるを得ない。その兼ね合いが
微妙に選挙に響てくる。ポスト福田も既に取り沙汰されている党内事情に波紋
を投げている。このままでは眼に見えて野党・民主党に有利に働くことは間違
いない。信任決議のジレンマをどう克服するか自公民・与党の正念場になる。
ポスト福田の最有力 小池百合子前防衛相を取り巻く擁立派も微妙な動きをし
ている。その喧噪の間隙を縫って民主党の有利さは動かしがたく強固になって
くる。・・・
■付記:秋の臨時国会は「新テロ対策法」を取り巻く攻防が一段と熾烈になる。
又もや衆院での過半数で再可決が予想される。後期高齢者医療制度も再燃す
る。その廃止、部分修正もヒートアップする。年金問題未解決も再浮上する。臨
時国会といえども国民の生活に直結する重要法案が目白押しである。そういう
現状・実情から衆院解散総選挙は<年内か、年始め>になる可能性が濃厚に
なってきた。・・・
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