●「年神を迎える」・・・例えば「門松」や「しめ飾り」、「鏡餅」を飾るのも心
から<年神>を迎える準備。門の両脇には、<門松>を立てて、玄関には<
しめ飾り>で飾る。謂われは「我が家に神様をお招きする道しるべを立てる意
味で神の<依代(よりしろ)=宿る場所>として<松>が選ばれる。松は 常緑
樹 である事と神を<待つ(松)>の音を掛けたものだと言われている。 <松
曳き>の松に紅白の水引きを結んだシンプルなものから、松竹の梅を添えた
<吉祥尽くし>、縁起物を飾ったものなどがある。 <松飾り>は地域によっ
て、いろいろ、ある。 <しめ飾り>は しめ縄 で作った お飾り の事で、 しめ
縄 は<占め>を標す縄、つまり<神の場>と<人の場>を意味している。し
め縄 は、そこが「清浄な場所」、「神の場所」であることを示すとともに、邪気が
入る事を拒否する。しめ縄 に<稲穂>が用いられるのは主食である稲(米)を
神聖視した事と、<稲穂>を結ぶことで「神との結合」を祈願する心を顕した為
だと言われている。しめ縄 に橙色(だいだいいろ)などの<縁起物>を飾る事
で「幸福と長寿」、「子孫繁盛」を願うものを意味した。しめ飾り を簡略化したも
のを<輪飾り>と呼ぶ。・・・
●「床(とこ)を飾る」・・・床(とこ)の間には目出度さを表す軸を掛け「年の神」
へのお供えとして、縁起物を盛り込んだ<三方飾り>と<屠蘇器>を置く。「年
の神」に供え、集う皆で祝賀する自然からの賜物を飾る事を<蓬莱を飾る>と
言った。三方からの台や盆に盛ったり、折り型に包んで床の間などに掛けて<
掛け蓬莱>とした。沖縄ではお正月に「鏡餅」を飾る様になったのは最近のこ
とである。昔は「御花米」と言ってお米を お重 や 丸盆 に盛り上げ、その上に
<炭や昆布>を飾った。三方に「奉書紙」を敷き、お米、炭(隅から隅まで)、昆
布(喜ぶ)、橙(代々、子孫繁盛)などの<山の幸>、<熨斗(のし)あわび>や
<海老(長寿)>などの「海の幸」を盛り、<松(永遠の命)>や<扇子(末広)
>などの「縁起物」を飾った。尚、<お屠蘇>は「桂心」、「防風」、「大黄」、「山
椒」、「桔梗」などの<薬草>をミリンに浸したもので、邪気を祓い生命を蘇らし
たと言われている。・・・次回に続く。