あるテレビ番組を観ていると「再生建築」の特集を放映してい
た。なるべく費用をかけずに元の形体に近い建物にし、予算を掛け
ずに現代風にリニューアルする。その道の建築専門家が模索し試
案して設計図通りに建築した。見事な出来栄えに感嘆した。某氏
の建築コンセプトの具現だという。中心土台を補強・磐石にして外
装外壁は現代風にアレンジし模様替えする。見違えるほど立派な
建造物に仕立てた。その道のプロは、やはり、どこか違う。職人技
である。日本の伝統技法と現代技術が見事に融合し建築創出物と
して生み出したのである。翻って使い捨ての蔓延する現代社会に
「もったいない」の日本語を世界に広めたマータイさん。 ワシントン
でも「もったいない」を紹介--全米記者クラブで講演した。数年前、
毎日新聞社の招きで来日中に知った「もったいない」を紹介。一
躍、世界の最新語となった。巨大な箱物の建造物でも「もったいな
い」をコンセプトに再生リニューアルする。耐震補強には縦・横に揺
れない技法を取り入れ日本古来の伝統的技法で木材をふんだんに
使用した柔らかくて温かみのある建物に変身させた。森林大国、
日本の面目躍如である。そう観てくると少資源を有効に活かし山国
日本の資源活用を今こそ真剣に考えるべき時期ではなかろうか、
と考えた。鉄骨やコンクリートに取り囲まれた殺風景なタウン街で
は癒しの効果はない。生きる喜びは、ゆったりとした癒しの空間を
確保し、その中に安らぎを得る事にも見出せる。「もったいない」を
一人一人がコンセプトにし全ての面で実行する事から世の中全体
を変えていく事ができる。「積少為大」や「塵も積もれば山となる」を
実行し実現していきたいものである。捨てる前に、もう一度、再生し
再利用できないか、と考えて実行する。その心構えこそ現代の私
達に課せられた切実な課題なのである。「循環型社会」の実現こそ
21世紀以降の未来社会の生き残りを賭けての志向すべき社会の
姿なのである。関連するが大量生産→大量消費→大量廃棄からは
次の社会問題が生じた。資源の制約と再利用、再生産(再資源)
化し不法廃棄や環境破壊をなくし防護する事を目指す社会、だ
と。・・・その為の法整備が為された。・・・
一、循環型社会形成推進基本法(2,000年)この法律を基に次の
様な法律が生まれた。
二、資源有効利用促進法(改正リサイクル法)が施行され個別に
次々と制定された。
三、家電リサイクル法
四、容器リサイクル法
五、食器リサイクル法
六、自動車リサイクル法等々の個別法律が制定されリサイクルは
推進された。「循環型社会」を目指す為の企業努力として打ち出さ
れたのが次の『3R政策』である。3Rとは廃棄物の発生抑制(Red
uce)、再使用(Reuse)、再資源化(Recycle)である。企業のみ
ならず個人家庭でも、「3R」は実践して来ている。使えなくなったも
のは別物に変えて再使用した。その精神が「もったいない」の心配
りの実践に繋がるのである。
七、動脈産業・・・従来型の生産と流通に関わる産業。その処理か
ら派生した産業が次の産業。
八、静脈産業・・・動脈産業から派生した製品の廃棄、再利用に関
わる産業。つまりリサイクル産業である。21世紀型産業はリサイク
ルビジネスが台頭し隆盛になるであろう事が予測される。・・・
以上を踏まえ私達一人一人に出来ることは何かと考えて見ると、そ
れは、かけがえのない、この地球をクリーンにして住みよい世界に
する事に突き当たる。それは地道な小さな実践の積み重ねにあ
る。・・・「積少為大」の精神を目指して・・・
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