食いしん坊の面々が集まり遠方まで出かけた。沖縄すば(沖縄ソバ)を食
う為である。発起人は、同期では食いしん坊で通用し一目置かれているY.K君
である。彼のベンツで気心の知れた数名が乗り込んだ。面々はそれなりの一
家言の持ち主で味にはうるさい。味通を自公認している彼が長年かけて物色し
た処らしい。そこへ案内された。西原町の首里よりの山間に在る<沖縄すば通
>の常連が集う処らしい。建物は何の変哲もないが一見、並みの館ではない
事が素人にも分かる。30年前か40年位前のトタン製のカンバンがズラリと横
一面に並んでいる。懐かしい・・・。今では見あたらないキンチョールとか蚊取り
線香の看板が当時を語りかけている様で眩しい。正に中学生の頃の流行の
品々だ。タイムスリップして暫し見惚れた。今風の派手さはないが静寂で荘厳
で辺りは虫の声すら聞こえる。狭いセメントの階段を5,6段上って中へ入っ
た。アンティークの小物が所狭しと溢れている。かつてのジュークボックス、日
活全盛時代の裕次郎、旭の映画ボスター、浅丘ルリ子、高倉 健、芦川いづ
み、吉永小百合、加山雄三のプロマイド・・・挙げたら限がない。旧式蓄音器と
針、昭和20年代から30年代の記憶の逸品、珍品があの頃を想起させる。家
族づれでも十分、楽しめる子ども用の遊具も常備され飽きさせない空間を演出
している。BGMも当時の流行歌が流れ、否が応でも強引にあの頃に戻してくれ
る。孫のある祖父連が童心に還って当時のまんま、はしゃぐ。至福の一時だ。
話題はもっぱら中学生のささやかな事件事故に集中した。大笑いの連続に包
まれた。時たま、同窓生、同期生の故人に話が及ぶと、しんみりと沈黙も続い
た。だが瞬時、話題転換、また明るい話題に移行する。心おきなく語り合い、充
分、満足した。特に中学の同期は思い出が多く深い。その縁は生ある限り続く
ことであろう。友よ!永遠に!同時代に生を受けて、ほんとに良かった。しみじ
みそう思いながら各々家路についた。その隠れ屋、館を後にした。次回の予告
も忘れなかった。次は三枚肉の美味しい処があるらしい。そこへ行く事に決ま
って散会した。
貴兄の言葉「友よ!永遠に! 同時代に生を受けて、ほんとに良かった。しみじみそう思いながら各々家路についた。その隠れ屋、館を後にした。…」・・・同感でもあり、とても嬉しいっス!! 時節柄、身体を大切にね。侑