六、「斎場御嶽」(せーふぁーうたき)・・・知念村役場から東へ徒歩10分、北の山道を5分歩いた処にある。正面から観ると直角三角形で岩が岩にもたれ掛かった恰好になっている。国王は多彩な国事を、この聖地で催したが毎年旧暦2月と8月頃になると国王自ら“天の神”と“地の神”を祀ったとの事である。琉球王国第一の聖地である久高島への遥拝所になっている。ここは神聖なる処故、男子禁制、女性のみの立ち入りが許可されていた。琉球最高の女神官<聞得大君>(きこえおおぎみ)――国王の姉妹――が女神官になる時の儀式「御新下る」(うあらうり)もここ斎場御嶽で執り行なわれた。その時は臣民、農民にいたるまで沿道ぞいに多数、参列したという。今でも拝所の敷石下から勾玉(まがたま)、青磁器等が発見されている。平成13年6月に国の重要文化財に指定されている。・・・
七、「識名園」(しきなえん)・・・真地公民館横の十字路の信号灯を南に行くと左側に熱帯植物園の生い茂った処がある。そこが“識名園”であり“王家の別荘”である。1,800年の尚温王の築園で東苑の“崎山御殿”(さきやまうどぅん)に対し首里の南に位置するので南苑と呼ばれていた。広大な識名園は室町時代の心字方式の造りになっており中心には池を配し東西には二つの中島がある造りになっていた。中島と陸には中国風の橋も架かっていた。池の周辺には石灯篭や建物が在ったが去る第二次世界大戦の沖縄戦で灰燼に帰した。現今の「識名園」は教育委員界や関係者の渾身の努力で復元され当時の面影を今に伝えている。此処にある“育徳泉”は天然記念物のシマチスジノリの発生地でもあり碑も建立されている。・・・昭和51年1月30日に国の名勝に指定されている。・・・
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