「ニーチェ・賢い大人になる哲学」の文庫版を読んだ。久々に知的刺激を受けた。不特定多数の人にも是非読んでもらいたく、このブログに認めた。目次を紹介しその概要を観ることにする。・・・「ツァラトゥストラかく語りき」は難解な哲学書とされている。それを文庫版の著者(宮原浩二郎氏)は平易に説き証し紹介している・・・。早速、目次に眼を通して概要を知ろう。
テーマ・主題は「よく生きるとはどういうことか」(人生を幼児の様に軽快に真剣に“遊ぶことができるようになった人”のこと)と、言い切っている。象徴的なのが「永遠回帰」であり、それは“運命愛”を抱擁する。
●ニーチェの「ツァラトゥストラかく語りき」
●気前のいい太陽・・・他人の幸福を心から祝うことができる
●人間・・・動物から超人へとわたる橋―自己保存ではなく、自己克服を勧める
●おしまいの人間・・・小賢しい人々が、用心深く、長生きする時代
●新しい教師・・・「自分自身に従う」ことを教える
●駱駝から獅子へ、さらに幼な子へ・・・真面目に服従し、激しく反抗し、ついには無心に遊びはじめる
●精神は身体のはたらき・・・身体の声に耳を傾けよう
●理想家と不平屋・・・挫折したときこそ、人間が試される
●戦士の恥らい・・・ライバルは互いに愛情を隠す
●友情とは何か・・・専制君主では友をもてない、奴隷では友になれない
●隣人愛から遠人愛へ・・・なぜ、いつも誰かと一緒でないと不安なのか
●自分自身を浪費する・・・贈り与える人は惜しみなく奪う
●師と弟子・・・師を捨てて自分を見つける
●同情をこえた高み・・・自分自身をよろこばせ、よろこびを相手に贈る
●平等の説教者にもの申す・・・どこまでも「上」がいるから面白い
●力への意志・・・どんな人でもプライドは高い
●ものやわらかな力の美しさ・・・生きるとは趣味をめぐる闘いである
●究極の救いへ・・・不本意な過去もしっかりと抱きしめよう
●重力という魔物・・・運命を愛するには勇気がいる
●永遠回帰の考え方・・・運命を味方にするために
●時間の環・・・この同じ人生がそっくりそのまま戻ってくる
●超人誕生のイメージ・・・身を切るような笑いとともに
●偶然の足で踊る・・・どんな「目的」にもしばられない自由
●偶然のちゃんこ鍋・・・幸運も不運もよく煮て食べる
●ツァトゥストラの猿・・・頭のいい不平屋はパスしよう
●脱落者を追うな・・・どっちつかずの「いい人」は頼りになれない
●神は一人ではない・・・色とりどりの神々が遊んでいる
●仮面をつける知恵・・・大きな人間の処世術
●健康な我欲・・・悲しみに酔った知恵などふっとばせ!
●それぞれの「道」・・・生き方にマニュアルはない
●新しい貴族・・・一本の矢になって高く飛ぼう
●消化のよい精神・・・よく食べよく飲む修行をしよう
●広大無辺の魂・・・大きな人間は寄生虫も養う
●倒れるものを、さらに突け・・・飛ぶことができないときは落ちればいい
●よく見てから斬る・・・戦うに値する相手だけを敵にしよう
●悦ばしき知識・・・笑うこと、踊ることを学ぶ
●永遠回帰を悟る・・・生きることへの嫌悪を吹き払う
●喜びの永遠回帰・・・「このよろこびをもう一度!」から運命愛があふれでる
●ツァラトゥストラの歌・・・すべての重いものが、軽くなる