ないことに、こんなとこへ行きましてん。
「あわしまさん」ちゅう名で知らてる、和歌
山県加太にある淡嶋神社ですわ。
全国にある淡島神社の総本山ちゅうことらし
いけど、他におんなし名前の宮さんがあるて、
知らなんだ。
ここは、おなごの下の神さんで、おっさんが
行ってもしゃぁないとやねんけど、たまには、
車をいのかしたらなあかんし、家族サービス
ちゅうことで・・・
見えたる鳥居を過ぎた左っ側には、レトロな土産もん屋兼食堂が数件並んどる。
サザエがげらい高いやんけ!と、見てたら店屋のおばはんが、「見てってや」と声をかけてきょる。中を覗いたら、座敷にテーブルが置いたって、いかにもちゅう感じや。
本殿ですわ。
中には、古そうな雛人形やらが、ぎょうさん並べたる。
そこたら辺じゅう人形だらけで、薄気味悪い。
ここには、毛が伸びょる「お菊人形」があるし・・・
人形の髪が伸びんのに何で、我がの髪が伸びひんのや。あやかりたいわ。
前の海岸から友ヶ島が見える。
地ノ島
虎島と沖ノ島
ここに砲台跡があんねんけど、一ぺん見てみたい。
そない思てたら、漁師風のおじんが話しかけてきょった。
「おっちゃんやったら、皆があんまし知らんとこ見せたるでぇ」
話を聞いたら、遊覧船の勧誘みたいや。
昔、あわしまさんがあった神島やどっかに字を掘ったる弘法大師が修行したとこを1時間程で回るらしい。
ほんまや、嘘や分からんけど、気に入った人しか声掛けへんちゅうながら、えらい長話を聞いた。
何でも、ひな流しの船を以前は、人が泳いで押して沖へ出してらしい。
せやけど、新聞に載って、そのおっさんが怒って辞めよった。
そこで、話しかけて来たおっさんの発案で、沖からお雛さんの載せた船にひぼをくくり付けて引っぱるようになったらしい。
ほんまみたいな嘘の、嘘みたいなほんまの裏話やった。