畑の土をスコップで掘って耕す。天地替えをする。
と、冬眠中の石竜子(とかげ)がむにょむにょむにょと寝ぼけ眼をして出て来る。何匹も出て来る。
「何するんだよ-」「オレ様はやっと眠りに就いたばかりなのだぞ」と言う。体の自由がきかない。
お爺さんは「すまぬすまぬ」を繰り返す。詫びる。
穴を掘って、スコップに乗せて、穴に戻してやる。その後のことは知らぬ。
どうしたやら?
うまく生き延びられただろうか?
心配になる。
空気が冷える。朝夕冷え込む。凍え死んでしまったかもしれない。
野良仕事は罪なことをするものだ。詫びて済むことじゃないからね。