光が届く。わたしにも。
光に遇うとわたしも光になる。
光に遇うために此処に生まれて来ている。
そしてそのようにすべての条件が整って、調和して、遇っている。
これでよい。終わってよい。
光との調和を得たのだ。いつでも終わってよい。
光が届く。わたしにも届いている。
光に遇ってわたしも光になっている。これ以上はない。
友人から新年のハンデイダイアリー帳が届いた。手紙を添えて。毎年頂く。友人は小学校・中学校・高校の同級生。数学が得意で数学を生かした仕事に就いた。そして独立して会社を立ち上げた。大きな会社になった。いまは経営を息子に譲っている。ご夫婦で好きなテニスを楽しんでいるらしい。ときたま故郷に戻って来る。その時に立ち寄ってくれる。小学校時代によく彼の家にまで遊びに行った。仲良しをしてくれた。
ああ、そういうことか。
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肯きが来る。
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殊勲を立てることは要らなかった。見栄えも出来映えも無用だった。
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勝手なそういう肯き。ほっとする肯き。
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鼻先にまで吸う空気が来ている。
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空気は人を選んでいない。人物だろうと非人物だろうとお構いなし。
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あなたは楽しんでいてください、と山が言う。海が言う。空が言う。生きている間は全部、楽しみを楽しむことに充当して下さい、と風が言う。
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この世に居る間は、無条件でいいらしい。美しい風景を美しく見るのに、どんな資格も問われていないらしい。
部屋の中にまで日脚が延びてきましたよ。えへへえへへです。まもなく9時半になります。日脚がこんにちはを言います。お爺さんもこんにちはを返します。握手もします。二人は仲良しをします。
雀さんが7羽来ている。庭先に来ている。餌場の屑米の、新米を啄んでいる。7羽の内の1羽が交代で見張り番をしている。統制がとれている。こうすることで仲間意識が強まるんだろうなあ。仲間思いだなあ。
３割引セールとしてあったから、買って来てしまった。
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苗物屋さんで、昨日、ヒアシンスの球根を。
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赤、ピンク、白の合計６球、４6０円。その3割引。
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玄関先に植え付けて春を待つことにする。
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植え付けないと我が家に春が来てくれないような錯覚。
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錯覚もいいもんだ。
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これでお爺さんが春を待っていられる。
とうとう、エアコンつけちゃった！
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部屋の暖房をする。
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午前９時。忍耐できずに。
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いよいよ外に出ていけない。
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野良仕事がお爺さんを待っているのになあ。
自分に似合った服を着ています。
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自分のサイズでいいところが有り難い。
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自分に似合った幸福を着ています。
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大きくもなく小さくもなく。
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これで寒さを凌いでいられます。
へっへっへ、へっへっへ。
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いいことがあるんであります。
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己の人間の善し悪しに依らずにいられるんであります。
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へっへっへ、へっへっへ、であります。
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お天道様が空に来てお爺さんをほっかほかにしてくれるんであります。
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世の中、いいことがあるんであります。
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押し売りもしませんし、恩返しを要求したりもしません。
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あなたの好きなだけあたたまってくださいな、と言って笑い顔をしているんであります。
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今日のお爺さんは，で、お日様をいただいて、にっこり。
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寒い一日だから、余計に。
わははあ。お日様だあ。
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お日様はお慈悲が深い。
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お前は日頃から悪いことばかりしているから、お前には照ってやらない、などと言わない。
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いつもいつも、どうぞどうぞだ。
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好きなだけどうぞどうぞに徹している。
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お前は人間の出来がよくない。お前には日照を半分にしておく、などとも言わない。
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しめしめ、だ。
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お日様のお情けを受けられるこのお爺さんは、これで瞬時によいお爺さんを演じていられる。
