4
雀の声すらのんびりしている。庭は淀川ツツジの満開だ。花が終わった姫林檎はふさふさと若葉を茂らせている。人の行き交いもない。車の音もない。
これでいいのか。ふっとそう思う。我一人は世の中の苦悩の外に居るようで、なんだか悪い気がする。
世の中が苦しんでいるのなら、苦しんだらどうだ、と思う。苦悩する世界のニュースも聞かないで、のんびりした雀の声を聞いている。そんな山里の老爺の静かな暮らし。
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雀の声すらのんびりしている。庭は淀川ツツジの満開だ。花が終わった姫林檎はふさふさと若葉を茂らせている。人の行き交いもない。車の音もない。
これでいいのか。ふっとそう思う。我一人は世の中の苦悩の外に居るようで、なんだか悪い気がする。
世の中が苦しんでいるのなら、苦しんだらどうだ、と思う。苦悩する世界のニュースも聞かないで、のんびりした雀の声を聞いている。そんな山里の老爺の静かな暮らし。
3
世の中は新型コロナウイルス感染拡大で苦悩しているというのに、この山里は、それを感じさせないほどに静かだ。同感同悲をしていないのが申し訳なく思われても来る。
腰痛を患ったので、強制的にステイホームとなった。やっと昨日辺りから外へ出られるようになった。外と行っても家の周辺。庭と畑まで。
2
空の色を眺めている。眺めているだけでも快感だ。清風が草をそよと揺らしている。これを春風というのだろう。
老爺は春の空を眺めている。これがこの老爺の朝の仕事。
若いときには若いときの、日々の過ごし方がある。老爺になればそれもおのずと異質なものとなって来る。それでいいのだろう。
1
おはようございます。爽やかな朝だ。鼻が息を吸っているだけで幸福を感じる。それほどに爽やかだ。気温はやや低め。
鼻が息をしているだけで幸福を感じるが、そんなに簡単に幸福を感じていいのかどうか。物質ではない幸福は、不増不減だ。あるようでなく、ないようである。
蕗の畑の蕗が、朝になると元気を取り戻す。シャンと起っている。日射しのある昼間はぐったりしているのに。